▼ WPの本文 ▼
服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、L’ECHOPPEでプレスを務める西尾 侑さん。
1.〈Polo Ralph Lauren〉のダッフルコート

「ラルフの古着です。ミドル丈の通常のダッフルコートに比べて、ロング丈は滅多に見かけません。かつ、サイズはXLなので、もはやマキシ丈」

「豪徳寺のアストロ(astrology store)がまだ出来立ての頃に買ったもの。そのときは、まだ地元の北海道にいたのですが、東京には毎月のように来ていました」


「大学時代、セレクトショップのバイトで洋服にのめり込んで、『将来的にもこの仕事を続けたい』と思うようになりました。でも、『絶対に医療系』と親はめちゃくちゃ厳しくて。それを説得するために、本気を見せようと、東京に通って就活みたいなことをしていたんです。そういう時期に買ったこともあって、とくに思い入れが強いですね」


「そんな大学時代に買った服も、もう靴以外はほとんど残ってなくて。ン百万も遣ってきたのに、手元にあるのは、本当に数着くらい。このコートはそのうちのひとつなんです」

「もちろん、トラディショナルなダッフルも好きです。たぶん、根っこはわりとオーセンティックな服が好きなんですよ。ただ、そのなかでもちょっと異質なもの、“買えるけど買えない”みたいなものに、より魅力を感じるし、いまも残っている服はそういうものですね」
2.〈erEvan〉のデニムパンツ

「これは、エレヴァンというフランスのブランドの定番品。正直、デニムは古着でいい。リーバイス®やラングラーに勝るものはないと思っているので、新品を買うのは珍しいんです」

「膝下からくる、いわゆるなフレアには抵抗があるんです。ちょっとコスプレ感が強いというか。ただ、このシルエットはどこかレディースみがあるというか。穿くと自然に見える、腰から広がるワイドフレアです」

「色味やボタンの仕様など、細かいところも気に入っています」

「たしか、日本で初めて仕入れたのがレショップだったと思うのですが、日本では無名に等しいブランドのこのデニムが、30本、初日で完売しました。お客さんもみんな、モノとして見て気に入ってくれたんだと思います」

「エレヴァンの服やモノづくりを見ていると、日本ブランドによくある構築的な脳みそじゃなくて、“ファッション”に重きを置いている感じがします。日本では『コレとコレのディテールを混ぜて〜』みたいな考え方がわりと主流ですが、最近の海外ブランドの多くは、そんなこと気にしてないというか。ロジックじゃなく、己で戦っているというか。そういうのが、肌に合います」

3.〈Cale〉のレザーシャツ

「カルはすごく好きなブランドのひとつです。レショップでも初期からお取り扱いしていますが、なかでも思い返すとかなり着ていているなっていうのが、このレザーシャツ」

「レザーは古着で買うことの方が多いのですが、わりと状態に左右されがちで、難しいところもあります。かといって、新品はやっぱり値段がハードルだし、値段を妥協してクオリティーを下げるわけにもいかないですし」

「そういう事情もあって、リアルに“買えた”のがシャツでした。形はいわゆる普通のレギュラーシャツなんですけど、レザーになるだけで、ガラッと雰囲気が変わりますよね」


「さっきも話したように、セントジェームスのバスクシャツとか、コンバースとかリーバイス®とか、僕はやっぱりオーセンティックなものを着ることが多いのですが、そういう空気に、ものすごく合うんです」

「そうしたオーセンティックなスタイルを、アバンギャルドなもので崩すんじゃなくて、クラシックは保ちつつ、でもいつの時代の、どこの国の服なのかわからないものを合わせたりするのが好きなんです」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
▲ WPの本文 ▲





















