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人気連載『人生のベストバイ3』の2025年1月~12月までの公開記事の中から、今回は「愛用革靴」をプレイバック。オールデン、ジェイエムウエストンなど名門ブランドの一生モノが勢ぞろい。人気ブランドのプレスやスタイリストなどオシャレな7人の一生の相棒をチェックして。
LEVERの黒ブーツ

「このリーヴァーのブーツは、25歳の節目として買った靴。僕は、革靴だからといって気にせずチャリに乗るし、雨の日でも履いたりします。でも、この靴を履くのは特別なときだけ。いつか、息子にあげられたらと思っています」

「やっぱりエディフィスって、『いい革靴のひとつは持っとけ』みたいなカルチャーがあって。それは僕のなかでは、緊張感を持つ、ってことだと思っています」

「アパレル業界に入るまでは音楽をやっていたのですが、僕にとって、ファッション感覚のルーツもそこにあります。ジャズマンは、ステージに上がるときに絶対にジャケットを着るんです。そこにはいろんな背景もあるし、彼らなりのプライドもある。自分のなかでは、革靴はそうしたことと通じている気がします。デニムを穿いていても、革靴を履いて、ちょっとした緊張感を持ちたいんです」

「僕も、新卒の子たちには、『いい靴履けよ』って言っちゃうんです。とくに、若いからこそできる“身の丈に合わない買い物”って、ものすごく価値があると思う。結果的に買ったものを手放したり、革靴にハマらなかったりしたとしても、ちゃんと本物のいい靴を履いてきたっていう経験は残ります。僕だってまだまだ足りないですが、後悔しない程度には買ってきたとは思っています。そうしてきたからこそ、いまは自分なりの物差しでいろんなものを見ることができています」

「いま、そういう買い物をしている子たちって、どうしても少ないですよね。ただ先輩が『良い』と言ったから買う、とか、僕らはしてましたけど、それって、勉強の仕方が他になかったから。いまは情報が山ほどあるし、その情報をすくって上手に買い物できる。いまの子たちは、買い物が上手いと思います。でも僕は、もっと失敗していいと思う。経験から知識になることの価値を知ってほしいと思っています」
レッドウィングのポストマンシューズ

「普段履くのは、本当にスニーカーばっかりなんです。結婚式もスニーカーで行っちゃうくらい。でも歳を重ねるうちに、さすがに革靴も持っておいたほうがいいかなと思うようになって、それで買ったのがこのレッドウィング。5、6年前に古着屋で見つけたものです」

「いわゆるポストマンシューズなのですが、レッドウィングのポストマンといえば『オックスフォード』という形が定番。これはモックトゥみたいになっていて、ちょっと変わってますよね」

「たぶん先輩たちに言わせると、『ジャーナルならオールデン履いてナンボだろう』ってなると思うんですけど、天邪鬼ゴコロもあるし、こういうワークな雰囲気のものの方が自分のキャラには合ってるかなって」

「ちなみにこれは80年代のもので、調べてみると、郵便局員のマークがタブでついているものが後期、ついていないこれは前期モデルに当たるみたいです」

「いまもやっぱり基本はスニーカーですが、たまにこれは履いています。『チノパンにスニーカー』だとダル着になっちゃうけど、これさえ履いておけば締まる。最近は、トップスをSとかMサイズでコンパクトにするのが気分なので、なおさらこういう靴のハマりがいいんです」
ジェイエムウエストンの革靴

「ベイクルーズに入社した11年前、最初に買った革靴が、このジェイエムウエストンでした。エディフィスといえばフレンチっていうところもあったし、当時の先輩に何を買ったらいいか聞いて、『やっぱりウエストンじゃない?』みたいな話もあって」


「これは『ヨット』という、当時日本ではあまり展開されていなかったモデル。バイヤーだった先輩が履いてて、それがめちゃくちゃ格好よくて、それで思い切ってオーダーをかけた靴なんです」

「とはいえ、結構無難に収まっちゃって(笑) レザーもステッチも素材や配色を選べたので、本当はエキゾチックレザーなんかもいいなと思ったのですが、さすがに予算オーバーでした。せっかくなので、自分のあだ名だけは刻印してもらって」


「この独特の茶色のウエストンは、デニムにもスラックスにも合うし、デッキシューズの形ではあるけど、秋冬のスタイリングにも合う。カジュアルな雰囲気もありつつ、履くとシャープにも見えるんですよね」
オールデン×BEAMS PLUSの別注革靴

「ビームスには2019年にアルバイト入社しました。前職は金融系だったので、まったく違う業界からの転職でした。その頃は、普通に働いて、普通に稼いで、普通に家族ができて……って、将来もなんとなく見えてきていて、それがなんとなく面白くなかったんです。一回やりたいことやってみようかなって」

「やっぱり、好きなことを仕事にするのが一番幸せだろうな、とも感じていて、そんなとき、『努力は夢中に勝てない』っていううちの(社長の)設楽の言葉を見かけたんです。そこで、自分のなかで結構バチっと繋がったというか。いまでも、転職して本当によかったなと思ってます」

「このオールデンは、そうして入社してすぐくらいに買ったもの。ビームス プラス別注の『マンソンオックスフォード』ですね。当時先輩が履いていて、それがめっちゃ格好良かった」

「それこそ前職時代はスーツなので、『もうスーツは着たくない。革靴もイヤだ』と思っていたくらいなんです。でも、“制服の一部”みたいな感覚で、とくにこだわりを持たずに革靴を履いていたその頃と比べて、とくにカジュアルの世界にいると、革靴はむしろ“あえて”選ぶもので。着こなしの細かいところにこだわりを注ぐことの大事さにも、改めて気づきました」

「びっくりしたのは、マジで靴擦れしなかったこと。ミリタリーラストと僕の足の相性もあると思うんですけど、とにかく感動しましたね。これから何十年も履いていける靴だと思います」
ジェイエムウエストンの革靴

「これは『ハーフハント』というモデル。定番の『ゴルフ』より形はシャープで、でも同じようにラバーソールなので、多少の雨も平気。ウエストンのなかでもマイナーな存在だと思うし、正直、自分ではあまり選ばない形です。カラーリングも、同じく、自分にしては珍しいチョイス。でも、『選ばない』×2なのがよかったのか、むしろすごく気に入っています」

「入社してドレス部門に配属されたのも、革靴が好きだったからなんです。洋服のなかでモノとしても一番好きで、手放したり、買い足したりしながら、いまトータルで15足は持っていますね。ウエストンだけでも4、5足あります」

「革靴は、高校生の頃、父の靴箱から拝借して履いたのが最初だったと思います。父は、音楽なんかもイギリスのものが好きで、その影響で、当時から英国への憧れがありました。あと、映画で言うなら『ハリーポッター』とか『007』とか、好きなキャラクターの足元はいつも革靴。ちなみにスリザリン派です。パンクとかじゃない、“おぼっちゃま感に秘めた不良性”が格好よくて」

「そこから派生してフランスにも興味を持って、ウエストンも好きになったんだと思います。若い頃から趣味がオジサン臭かった、ってだけなんですけどね(笑)」
ジェイエムウエストンの黒革靴

「時計の話とも似ているのですが、基本的にはスニーカー派でも、『いい靴が欲しいな』ってときがあって。とくに、仕事で革靴をリースして回ったり、スタイリングで使ったりしていると、やっぱり徐々に興味が出てくるんですよね」


「最初に買ってみたのは、オールデンのタンカーブーツ。でも、アメリカン過ぎる感じが合わなくて、全然履かなかったんです。そのあとに買ったのがこのウエストンで、定番の『ゴルフ』をもう少しぽってりさせたような、進化系。これなら履くかも、と思って」


「ウエストンって、馴染むまでに時間がかかるイメージがありますが、これは履きはじめから痛くなかった。ジョンロブなんかと比べると、背伸びしてない感じもあって、カジュアルにも合わせやすいところも気に入りました」
グイディのジップアップブーツ

「時計もしかりですが、自分の父は、車だったり靴だったり、わりとオトコ臭い趣味のものが好きなんです。自分が中高生のときなんかは、よくそんな父のクローゼットから洋服を借りて着ていたりして、時計や靴や、レザーやデニムといった育てる系のアイテムなんかが好きなのは、父の影響が少なからずあるかもしれません」


「グイディは、ビームスで学生バイトしていた頃から憧れで、でも当時は金額的に手が出なかったので、新卒入社して1回目のボーナスが出たときにやっと手に入れて。これもやっぱり先輩たちがみんな履いてましたね。革靴ならオールデンなんかももちろんあるけど、そこも、やっぱり自分のキャラを考えるとちょっとオトコ臭すぎると思って、グイディにしたんです」

「以来、本当に気に入っていて、もう何年も、よく履いてます。うちのスタッフは裏貼りしない派が多いんですが、自分はソールが減るのがイヤで、最初から薄く貼って履いています。とはいえ大事に履きすぎてピカピカなのもイヤなので、ケアはブラッシングをかける程度にして、ラフに履いています」

「グイディを履いたことがある人はわかると思いますが、履き心地は、まるでスニーカーみたいで。履きはじめから靴擦れしないし、ぜんぜん疲れない。あと、ヒールが高いので、履くと身長が180cm越えるのも、気分がいいんです(笑)」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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