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2月27日、ミラノ。「GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ)」の2022/23秋冬コレクションは、予定通り行われる“はず”だった。そのナレーションが流れるまでは…。
会場には、女優のアン・ハサウェイ、俳優・プロデューサーのアダム・シュルマン夫妻、俳優のアレクサンダー・スカルスガルド、女優のググ・バサ=ローなど、多くのセレブリティや文化人が来場していた。
コレクションのテーマは
「Signs of Light – 光のサイン – 」
宝石箱のような、親しみのある暖かな雰囲気のショー会場で、唐突にその時は訪れた。デザイナーのジョルジオ・アルマーニ氏の声でナレーションが流れたのだ。
「進行中の悲劇に巻き込まれた人々への敬意を込めて、ショーは無音で開催します」
この決断は、ショーの開始たった数時間前に決断されていた。ジョルジオ・アルマーニ氏はこの決断に対して、こうコメントしている。「ウクライナの悲劇に巻き込まれた人々への気持ちを表し、今回のショーでは、あえて音楽を使わないという決断をしました。バックステージでもランウェイでも、沈黙はどんな音楽よりも大きく、インパクトがあったと思っています」
本物の「ソフトなフォーマル」
発表されたのは流行にとらわれないアルマーニらしい“ソフトなフォーマル感”をたたえるワードローブ。
ジャケットに流れるようなパンツを合わせた快適なテーラリングや、白いシャツとネクタイで完成するルックなど、フォーマルな中にも遊び心を取り入れている。
素材はベルベットとカシミアを用いており、“アルマーニネイビー”と呼ばれる深いブルーから濃いグレー、ブラック、そしてグリーンのニュアンスまで、幅広いパレットで構成された。
Text by Sayaka Arai
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