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ペンドルトンのネイティブ柄ブルゾンにGORE-TEXジーンズでシノ流ハイブリッドアメカジを体現! 【プロが推す東京の古着屋㉟SHINO(シノ)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に引き続き、本記事ではスタイリスト荒幡征諄さんが下北沢のシノをナビゲートする。

下北沢 SHINO(シノ)

シノは祐天寺のオン ザ ヒル(ON THE HILL)出身の小川雄大さんが、2022年8月にオープンした古着店。スタイリストの荒幡さんは遊び仲間がシノのスタッフになり、よく足を運ぶようになった。

今回のお店を訪ねたのは…

スタイリスト

荒幡征諄 さん

東京都出身。文化服装学院を卒業後、スタイリスト二村 毅さんのアシスタントを経て、2023年に独立。かつてはデザイナーズブランドを愛用していたが、現在は古着を着る毎日。昨年、人生で初めてダウンジャケットを着て、その快適さから後戻りできなくなったとか。最近はグレーを基調にした服に夢中。

     

【お店の注目ポイント】
ファッションとして提案される
アメカジ&アウトドア古着を楽しむ

古着店「シノ」外観

下北沢一番街の奥に店を構えるシノ。オーナーの小川さん(下写真右)は、古着店オン ザ ヒルとビームスのスタッフを掛け持ちして独立したというハードワーカーだ。昨年5月には三軒茶屋に姉妹店・ジュース(juice)を出店し、現在、小川さんはそちらの店舗に立つことが多い。


シノスタッフの小川さんと葛生さん

スタッフの葛生慶太さん(上写真左)は下北沢の別の古着店を経て、2023年10月からシノで働いている。大学生の頃に荒幡さんと知り合い、今では山を登るなどアウトドアでいっしょに遊ぶ間柄。この日は古着系YouTube界隈でも注目を集めるオーナーの小川さんが、取材に立ち会ってくれた。

グレーのアイテムが気になる

グレーのアイテムを手にもつ荒幡さん

挨拶をして洋服を見始めるとさっそく入口すぐのラックに、気になるアイテムを見つけた荒幡さん。「遊びで山を登ったりしているので、以前よりもアウトドアアイテムに目が行くようになった」と入店する前に語っていた通り、真っ先に手に取ったのはパタゴニアのシンチラビッグT。

「このパタゴニアのフリースは、ちょっとレアな感じですか?」(荒幡)「定番のスナップTのスラッシュポケット付きバージョンで、シンチラビッグT という90年代のものです」(小川)。現行のパタゴニアにはないシンチラ(パタゴニアのクラシックなフリースの名称)に、目を輝かせる。


チャコールグレーのジャケットを手にとる荒幡さん

矢継ぎ早に、同じラックからチャコールグレーのM-65タイプのウールジャケットをピックアップ。「このところグレーが超気になっていて、自分の中でアスファルト道路感を体現したいと思ったときにコレ、最高ですよね。ステューシーのミリタリーサンプリング的な?」(荒幡)。荒幡さん独特の言い回しに苦笑しつつ、「M-65スタイルですが重めのウールで、キルティング裏地がしっかりついているので、かなりあたたかい一着です」と小川さんが応える。

ジャケットを試着している荒幡さん

試着してみるとサイズもぴったり。「アクションプリーツが入っているんだ! 最近これが機能的すぎてご機嫌だなって(笑)。冬は立ち襟じゃないとイカンと思っているんで(笑)、もう完璧だ!」(荒幡)。

アクションプリーツは動きやすさを向上させるために、背面と腕の間などに施される折り目のこと。M-65はもちろん、ライダースジャケットやワークウェアでもおなじみのディテールだ。このステューシーのジャケットには裾にスナップボタンのアジャスターが付いているのも特徴(小川さんが実演してくれるので、ぜひ動画でチェック!)。


オーナーのこだわりをヒアリング

パンツを手にもつオーナーの小川さん

パンツのラックをチェックし始める前に、荒幡さんが「パンツは最近、どういうものが気分ですか?」と小川さんに尋ねた。シノのセレクトの感度の高さに感服していたこともあり、素朴な疑問をぶつけた。

「パンツに限らずですが、ウエスタンに注目していますね。パンツで言えばリーバイス®517(ブーツカット)。ほどよく色落ちしたジーンズに、ドレスシャツやハイゲージのニットを合わせて、足元にはレザーシューズ。そんなきれいめスタイルが気になっています」(小川)。ちなみに517はアメリカ製のみを買い付けているそう。

モヘアカーディガンを手に取るスタイリスト荒幡さん

続いて、中央のニットやスウェットが並ぶラックへ。「これはヴィンテージ? こういう状態のいいモヘアはなかなか出会えないですよね。今のブランドもつくっていそうだけど…」(荒幡)。「現代のものづくりでは、このクオリティのモヘアをつくるのはコスト的に難しくて、最近のブランドはあまりやらなくなっていますよね」(小川)。

経年変化だけでなく、素材の良質さという点でも、ヴィンテージが勝ることがある。このニットはその好例だ。


欲しいものだらけのチェックシャツ

チェックシャツを手にとる荒幡さん

「あっちへ行ってもいいですか?」と、荒幡さんがチェックシャツのコーナーを指さす。「このラックは全部欲しい感じです。チェックシャツこそ、アメリカの不良の象徴だと思うんですよね」(荒幡)。小川さんも「確かに」とうなずく。

チェックシャツを試着する荒幡さん

ラック先頭のペンドルトンのグレー系チェックシャツをさっそく試着。「70’sくらいですか? わ、もうカッコいい!」と鏡の前で360度チェック。「前まではボックスシルエットが好きだったんですが、ロングヘアならラウンドシルエットのほうがバランス的にもいいことに気づいて(笑)。しかもこっちのほうが“あえて”感があってカッコいいかなと」(荒幡)。


赤いチェックシャツを着着する荒幡さん

間髪入れず、もう一着にも袖を通す。「それはオーヴィス(ORVIS)というアメリカのアウトドア・フィッシングブランドですね」(小川)「両サイドにポケットがあるのが最高!」(荒幡)。以前この連載に登場した際も語っていた“ポケット愛”は健在だ。

ここで荒幡さんが「チェックシャツはどういう基準でピックアップしているんですか?」と質問すると、「シノの古着全部に言えることですが、基準は自分が好きかどうか。それだけですね」と小川さんから直球の回答が。

「前はシャドウチェックやブロックチェックといった色数の少ないものを選んでいましたが、最近は多色使いのきれいめなものが気になっています。そのときの気分によって選ぶものが変わりますね。チェックシャツのインナーにフーディを入れるサーフ・スケート風のレイヤードは自分の原点だったりするから、そういう着こなしはおすすめです」と小川さんが補足してくれた(スタッフの葛生さんの着こなしが、まさにソレ!)。

ジーンズはフレンチカジュアルで

ジーンズのラックを探る荒幡さん

最後は試着室の横にあるジーンズのラック。「デニムはほぼリーバイス®ですね」(荒幡)「501®と505はアメリカ製ですが、550はアメリカ製でないものを選んでいます。というのもアメリカ製550はテーパードがきついんですよ。太めのシルエットはゆるく穿きたいので、今はアメリカ製の550は買い付けていません」(小川)。ここにも小川さんの美意識が。

「サイズも調子いいですね。極端に大きかったり小さかったりするものがなくて」(荒幡)「色落ちもきれいなものを厳選しています。リーバイス®はアメカジというより、ドレスシャツにJ.M.ウエストンを合わせるような、フレンチカジュアルで着たいから」(小川)「僕もシャツ着て、タックインしてみようかな」(荒幡)「なんならニットタイをしてもいいかも」(小川)。コーディネート提案が具体的になっていく。


目当てのブルゾンを手にとる荒幡さん

一周して、コーディネートするアイテムを選ぶ段になると、「実は、店に入ってきたときから目が合っていたのがコイツで」と、荒幡さんが最初のラックからペンドルトンのブルゾンを取り出す。試着すると「もう、これだけでカッコいい。サイズも完璧」と即決。この一着を軸に、コーディネートを組むことにした。

 

スタイリスト荒幡さんが
「シノ」で選んだ古着4選

オーナーの小川さんとの会話を通して、シノの本質にも触れた荒幡さん。最近の気分を反映するアウトドア系アイテムから、小川さんの提案ともシンクロするきれいめシャツまで、どこか統一感のある4点をピックアップ。

1_ペンドルトンのネイティブ柄ブルゾン

80’s ペンドルトンのネイティブ柄ブルゾン¥43,780
80’s ペンドルトンのネイティブ柄ブルゾン¥43,780

ブラックベースにネオン系カラーをきかせた、モダンな配色が目を引くネイティブ柄。「黒ベースで、しかもこれだけ色が入っているから、どんな色でも合ってしまう一着。アームホールが広くてラクに着られるのも好みだし、袖口のリブが生むバルーン気味のシルエットも素敵です」(荒幡)。


2_パタゴニアのシンチラビッグT

90’sパタゴニアのフリースプルオーバー¥26,180

シンチラビッグTは、パタゴニアのフリースアイテムの定番、スナップTのバリエーションアイテム。「スナップTは胸ポケですが、これは両サイドにポケットが付くのがいいですよね。ヘタするとオジサン感が出やすいグレーですが、エンジ色の配色のおかげでスタイリッシュに見えます。中に着こめるし、ミドルインナー使いもできる、ちょいゆるなサイズ感も最高」(荒幡)。

90’sパタゴニアのフリースプルオーバー。ポケットのアップ

フィッツロイロゴがファスナータブにあしらわれた、気のきいたデザイン。肉厚なフリースから90年代らしいムードが漂う。


3_ウールチェックシャツ

50’s~60’s ベミジ・ウーレン・ミルズのウールチェックシャツ
50’s~60’s ベミジ・ウーレン・ミルズのウールチェックシャツ

アメリカの現存するウール製品メーカー、ベミジ・ウーレン・ミルズのオンブレ調チェックシャツ。「洋服を好きになった頃からずっと惹かれてきた、不良感のあるオンブレチェック。このヴィンテージの開襟シャツは、赤×カーキの配色もナイス。太いパンツに合わせると、強くなった気分になれるのがいいんです」(荒幡)。

4_ブルックス ブラザーズのチェックシャツ

90’s ブルックス ブラザーズのチェックシャツ。
90’s ブルックス ブラザーズのチェックシャツ¥17,380

アメリカントラッドを象徴するブルックス ブラザーズは、ボタンダウンシャツを生んだブランドとしても有名。「春からは、きれいなシャツをオーバーサイズで着て、あえてラフにハズしたい気分だったんです。小川さんのフレンチカジュアルの提案を聞いて、こういうきれいめチェックもありだなと目が留まりました」(荒幡)。


90’s ブルックス ブラザーズのチェックシャツ。襟のロゴマーク。

ゆったりと着られるUSのリラックスフィットLサイズ。アメトラブランドに多い同系色の2トーンチェックは、ギンガムのような甘さがなく、大人っぽく着こなせるのが魅力だ。

【古着でコーディネート】
ネイティブ柄ブルゾンをニット&
GORE-TEXデニムでクリーンに

インパクトの強いマルチカラーのネイティブ柄ブルゾンを、荒幡さんがシノのフィーリングを取り入れてスタイリングした。

80’s ペンドルトンのネイティブ柄ブルゾン¥43,780・60’s Vネックニット¥22,880・80’s カベラスのGORE-TEXジーンズ¥17,380
80’s ペンドルトンのネイティブ柄ブルゾン¥43,780・60’s Vネックニット¥22,880・80’s カベラスのGORE-TEXジーンズ¥17,380

「クラシックなアウトドアアイテムに、クリーンなアメカジやトラッドの要素をミックスするのがシノなんじゃないかな? と思い、濃いインディゴのきれいめなジーンズと、落ち着いた色みのVネックニットを合わせました。デニムはGORE-TEX仕様でハリ感があるので、裾が足元に溜まらないジャストレングスをチョイス。このぐらいのレングス感がファッション的でいいと思いました」(荒幡)。


60’s Vネックニット¥22,880

インナーにはフレンチスタイルを思わせる上品なベージュ色のニット。「ニットは最近、クルーよりVネックが気分です。メリージェーンスニーカーとのバランスも考えて、中にはシャツでなく白Tで抜け感を添えました。つまりすぎず、ゆるすぎないネックバランスがポイントです」(荒幡)。

取材を終えて

「何を選ぶかではなく、誰が選ぶかが重要」と語るオーナーの小川さんは、感度の高いセレクトと提案を通して古着の魅力を再発見させてくれる存在だ。「長く着られるベーシックなアイテムが多めのシノですが、同じ服でも合わせ方ひとつで今っぽくもクラシックにも振れる。そんな基本的なことを、改めて実感しました」と、荒幡さんもそのメッセージを受け取った様子。

普段は葛生さんをはじめ、丁寧な接客に定評のあるスタッフが対応してくれるシノ。リーバイス®、パタゴニア、ステューシーなど王道ブランドも豊富で、アメリカ古着を今の感覚で再解釈するヒントが詰まった一軒だ。

    

【動画公開中】
個性の強い服好きふたりの
おしゃれ談義がたっぷり!

毎回「アラハタ語録」が飛び出す“荒幡”回。今回は古着系YouTube界隈で有名なオーナー小川さんに「今の気分」を尋ねるなど、これまでとは違う展開もありつつ、「カッコよ」「ゴキゲン」のようなパワーワードも随所に登場。楽しくてためになる動画は必見!

    

SHOP DATA

住所:東京都世田谷区北沢2-40-18
TEL:03-6416-8652
営業時間:12:00~20:00
不定休 
Instagram:https://www.instagram.com/shino_clothing_store/


Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「僕らの永久定番ファイル」や「コレクション速報」などファッションテーマを幅広く執筆。

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