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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。今回はスタリストの佐久間 歩夢さんが、高円寺のヒムセルフを紹介してくれた。アメカジを軸にしながら感度の高いセレクトで、海外のデザイナーにも一目置かれている古着屋だとか!?
今回のお店を訪ねたのは…
クリーンな空間に整然と古着が並び
インスタでは2カ月ごとにルックも公開
高円寺
HIMSELF(ヒムセルフ)
古着屋がひしめく高円寺の中でもインスタグラムにルックを掲載するなど感度の高い見せ方で、おしゃれ好きの間で話題に上がるヒムセルフ。高円寺の南口から徒歩5分以内、高南通りの風風ラーメン 高円寺南口店を曲がってすぐのビルの2階に店舗を構える。

1階の黒いドアのHIMSELFの文字が目印。「扉を開けてお入りください。Please open the door.」と手書きのメモが無造作に貼られているのが開店の合図だ。
ドアを開けて階段を上ると、整然と古着が並んだ店内が一望できる。小ぢんまりとしたスペースながら大きな窓が解放的で、白で統一された内装とゆったりとしたディスプレイが空間を広く見せる。デザイナーズブランドのコンセプトストアのような雰囲気。

ヒムセルフは古着店やドメスティックブランドなどファッション業界で経験を積んだYUKIさんが立ち上げた。2021年11月に現在の場所に移転した際、ヒムセルフと改名。店名には「お客様自身(HIMSELF)に楽しんでもらう」という意味をこめたそうだ。

スタイリストの佐久間さんがリサーチで見つけ、通い始めた2022年頃はアメリカ古着、ヴィンテージのほかステューシーやオークリーといったストリート寄りの古着も多かったそうだが、2024年4月に下北沢に姉妹店、ベイブ ストア(BABE Store)を出店してストリート系はそちらに集約した。
ちなみにこの4月19日には三軒茶屋にクリップ(KLIPP)という、国内外のデザイナーズやメゾンブランドのレギュラーとヴィンテージをそろえる3店舗目をオープンしたばかり。勢いに乗っている。

ヒムセルフは「着ておしゃれを楽しめるアメカジ・ヴィンテージ」をキャッチコピーとして掲げ、9割はアメリカ古着という品ぞろえになった。アディダスやアンブロなどスポーツウェアやリーバイス製品でユーロ古着もピックアップする。90’s~00’sの古着が中心だが、ヴィンテージの魅力も知ってほしいと、レアな古着は階段側のラックにコンパクトにまとめて見やすくディスプレイしている。

佐久間さんがヒムセルフに惹かれるのは「今のトレンドに合う着やすい古着をセレクトしている点」と言うように、ブランド、アイテム、カラー、どれをとってもキャッチーなものが目に飛び込んでくる。お店が力を入れているポロ ラルフ ローレンのキャップや、90’sのパステルカラーのスウェットなどがその好例だろう。

YUKIさんの素晴らしい接客もあって「全身コーディネートで買われていくお客様も多い」そうで、シューズ類にも注力する。現在はサロモン、ナイキACGなどアウトドア系のハイキングシューズやレザーのショートブーツ類を豊富にそろえている。

店舗はコンパクトだが試着室はゆったりと広く、壁一面が鏡になっているのも特筆。「お客様にしっかり全身を見て、じっくり悩んでいただけるように、広くしています」とYUKIさん。商品構成だけでなく、接客も含めて気持ちよく買い物ができるのがヒムセルフの魅力だ。
高円寺 HIMSELF(ヒムセルフ)
STAFF PROFILE
ディレクター、プレスとして、ヒムセルフを含む3店舗のインスタグラムの構成や撮影、商品ラインナップの考案を担当するYUKIさん。中学時代にオアシスのリアム・ギャラガーに憧れて洋服に目覚め、高校卒業後に地元の古着店に就職。その後、上京して古着の名店やドメスティックブランドなどファッション業界で知見を深めた。
鈴木晃平さんはYUKIさんの10代からの友人で、現在は3店舗のマネージャーとして様々な業務を担当している。

YUKIさんは古着とデザイナーズブランドをMIXした着こなしが持ち味。鈴木さんは長髪に合ったストリート系のスタイルと、キャラクターの違うふたりだが、息はぴったり。ふたりともヒムセルフだけでなく、3店舗の店頭に立ち、接客もしている。
高円寺
HIMSELF(ヒムセルフ)
RECOMMENDED ITEMS
時代のムードやトレンドに合った古着を、世界中から買い付けているヒムセルフ。コンディションのいいアメリカ古着が中心で、90’s~00’sのレギュラーに加え、50’s~60’sのヴィンテージもラインナップする。
古着だけでなくファッション全般にアンテナを張るディレクター、YUKIさんの手腕が光るおすすめ5選はこちら。
1_ポロ ラルフ ローレンの
ドリズラージャケット

ヒムセルフが力を入れているアイテムのひとつが、この日、YUKIさんも着ていたドリズラージャケット。「ポロ ラルフ ローレンのものは人気が高く、90’sのものを中心にそろえています。このベージュは王道のデザインですが、表面が微起毛されたピーチスキン素材というのがポイント」(YUKI)。

襟元にチンタブが付き、チェック裏地というのもポロ ラルフ ローレンらしいディテール。トレンドカラーでもあるベージュは、今季のヒムセルフの推しカラーでもあるとか。
2_ヴィンテージのスポーツジャケット

胸にV.F.W.の文字とエンブレムがプリントされたスポーツジャケット。「コンディションの悪いものは基本的には買い付けないんですが、褪色したような風合いやダメージが今のトレンドに合うなと思うものは選んでいます。このスポーツジャケットもそんなひとつ。V.F.W.は退役軍人の団体だから、これは何かのユニフォームなんだと思います」(YUKI)。
3_アンブロのトラックジャケット

セレクトショップやデザイナーズブランドとのコラボでひっぱりだこのアンブロもしっかりピックアップ。「アンブロはイギリスのブランドですがアメカジと親和性が高く、最近はジャージ類が人気です。アンブロらしい切り替えと2本ラインを両方取り入れたデザインも古着ならではです」(YUKI)。
4_STUDIO QのTシャツ

初夏から夏にかけては主力商品になっていく古着Tシャツ。ヒムセルフが注目しているのはこのSTUDIO Q(スタジオ キュー)のグラフィックTシャツ。「古着屋界隈で人気を集めているTシャツブランドです。花やハートなど、ポップなグラフィックを得意としていて、最近、価格が上がってきています」(YUKI)。

90年代に存在したブランドのようだが、詳細は不明でこの©が決め手。ひまわり柄に次いで人気を集めているのが、このポインセチア柄。どこかアート作品のようなムードで、一枚で着てもサマになるTシャツだ。
5_メレルのハイキングシューズ

ゴープコア(GORPはGood Old Raisins and Peanutsの頭文字をとった造語。アウトドアをファッションに取り入れたスタイル)のトレンドもあって人気再燃のメレル。モアブはメレルを代表するハイキングシューズだ。「アウトドアシューズに力を入れています。サロモンやナイキACGと並んで熱い、メレルにも注目しています」(YUKI)。
次回はスタイリスト佐久間さんが
気になったアイテムやコーディネートを紹介!

SHOP DATA
住所:東京都杉並区高円寺南4-24-2 2F
営業時間:13:00~20:00 無休
Instagram: https://www.instagram.com/himself___koenji/
Photos:Kaho Yanagi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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