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毎年、年間テーマを発表している「エルメス」ですが、そのときのテーマに応じて、さまざまなイベントを開催しています。それは各国別で行われたり、企画によっては海外の開催場所に一部のプレスが招かれたり。
今年のテーマは“自然 – 軽やかなギャロップ”。7月の下旬、本国・パリ郊外で行われるプレスツアーに招かれて行ってきました。パリから移動して、とある場所に行くとしか伝えられていなかったミステリーツアーです。
ホテルに到着すると、部屋にさっそく招待状が届いていました。
広げてみると、なにやら森っぽいイラストが全面に描いてありました。…森? どこだろ? しかも服装は長袖、長いパンツ。虫除けも必須と。
2泊4日のこのツアーは、次の日の夜がテーマ発表会の本番です。夕方遅くに集合、各国から招かれたプレスが大型バスに乗って出発。渋滞にはまりながらも、どんどんバスは進む。やがて周囲は暗くなってきて、見渡す限り、畑が広がって。1時間半ほど走ったでしょうか、いかにもヨーロッパの田舎といった感じのかわいらしい町に着きました。バスを降りたところには黒い門があり、その奥にはぼんやりと緑が見えます。その門の中には、これからのイベントの始まりを告げる案内人が。「あなたたちはさまざまな自然や動物をここで見ることでしょう」的なことを言っている。
森の中の冒険が始まる? かなり鬱蒼とした広大な緑。
参加者が歩いていくと、やがて洞窟が。中に突然現れる、音楽を奏でる人。
ところどころに、わりと突然に、音楽隊や「何か」に扮した人が現れて私たちをびっくりさせます。たぶん森の精や動物を模したイメージなんだろうな、と解釈。草むらからぬっと現れたりするので、ちょっと怖い。
この人は孔雀でしょうか。大きな鳥なんだろうなと思ったのですが、急に走ったり追いかけられたり、マジで逃げてる人もいて、おもしろいような、近づきたくないような。
ケータリングも、「自然」がテーマということでかなりワイルド。鳥の巣の中の卵は、本物のうずらの玉子。日本人にはちょっと納豆を連想させるね、とヒソヒソ(笑)。殻ごと食べるエスカルゴは私は手が出ませんでした…。
ちなみに参加者が首に巻いている赤いアコーディオン状の衿のようなものは、イチゴを表わすとか。この森の中では、みんながこれをつける義務があるようです。
1時間ほど草むらの中を歩いたあと、動物の精や楽隊がなんとなく私たちを誘導し始めました。それはハメルーンの笛吹きのよう。向かった先は、ディナー会場。開けた草むらにいくつかのテントが建てられ、キャンプ場のようでした。
少人数に分かれて森の中での食事。この日のために特別に考えられたというメニューは、見た目も石の器のよう、はたまた鳥の巣? とにかく徹底して「本格的な自然」にこだわったイベントでした。ここまで趣向を凝らした演出、本国の「エルメス」チームはなんと準備に1年近くをかけたそうです。
夜がふけてくると、奥の木々にデジタルアートのような映像と音楽も。不思議の森のイベントはこれで終了へ。
この広大な公園は、フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーが晩年に過ごしていた土地だったそう。自然のままに、という目的で作られ、保存されてきたこの森は、確かに今回のテーマ「自然」にぴったりだったように思いました。
かなりたくさん歩き回り、帰りのバスではみんな爆睡。まるで子どもの遠足のような車内でした(笑)。
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