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今は昔。
確か中学生の頃。
学校は夏休みに入っていて、僕はなんとはなしに
『子子家庭は危機一髪』っていう昼ドラを見てた。
どこにでもあるような普通の家庭が舞台なんだけど、
なぜか、お父さんとお母さんが同時に家出した! っていうトンデモ設定。
まだ小学生の年頃の姉弟が、
不審人物(警察にお父さんが追われている設定)や、
次々見舞われるトラブルから留守の家を健気に守る、という話で、
同じくいわゆる「鍵っ子」だった僕はそれにシンパシーを・・・。
って、話はどうでもよくて。
別に昼ドラの話をしたかったわけじゃなし(正直、あんまよく覚えてない)。
したかったのは、その主題歌の話。
春の雪解けのような、ちょっと切ないメロディが印象的で、
ちょっと、好きだったんですよ。
当時から、サビの部分の2、3フレーズくらいは、
メロディと一緒に歌詞もなんとなく覚えていたんだけど、
肝心のタイトルが、どうしても思い出せない・・・。
「あの頃にはもう戻れない・・・」とか、
「忙しくて優しくなれなかったんだ・・・」みたいな歌詞。
ああ、なんて、90年代。
ゼロ年代のJポップソングには、こんな歌詞ないもん。
で、まあ、折に触れ、
メロディを口ずさんで「この曲知ってる?」と人に聞いたり、
カラオケいったら歌本でそれっぽいタイトルを探したり、
いろいろ調べたんだけど、やっぱりわからない。
そうこうするうちに、時は流れ、僕も30歳になった。
そんなある日(最近)、i-phoneを買って、
いろいろ使えそうなアプリを探してたら、
鼻歌程度のメロディから探したい曲のタイトルを検索してくれる、
魔法のようなアプリがあるという。
有料でも構わない、これはインストールせねば・・・と
心が動きかけたそのとき、あっと気づいた。
「そういえば、インターネットで検索したことなかったかも」。
どうして、こんな当たり前のこと今まで思い当たらなかったんだろう。
まあ、僕の中学生の頃にはインターネットって概念は、まだなかった。
つか、そもそも、こんな当たり前にパソコンが普及してなかった。
試しにそのドラマのタイトルを打ち込んで、検索してみたら、一発。
主題歌『もう戻らない』 唄:木根尚人。
スゲー。アレ、木根さんだったんだ。
ドラマは、赤川次郎原作だったんだ。(しかもシリーズもの)
あまつさえ、「花王 愛の劇場」かよ。(しかも25周年記念作品)
・・・とまあ、タイトルはもちろん、歌詞も全部、
そして、当時出演してたお姉ちゃん役の子は、
もう女優業を引退しちゃったらしい、とかムダな知識まで判明。
あー、スッキリした。
でも、スッキリしたあと、ちょっとだけ寂しい気持ちになった。
インターネットってすごい。
インターネットは世界だけでなくて、時間もつなぐ。
でも、インターネットはすごすぎて、
思い出が思い出のままでいることを許してくれない。
(あっ、僕の表現も90年代ですね。なんか)
思い出なんて、モヤモヤしてるくらいでいいのかも。
ほら、昔好きだった人とかも、ボワーっとしてるくらいの方が
いいじゃないですか。淡くて。
でも、昨日知った衝撃のニュース!
小沢健二全国ツアーは、見たい。
何より、本人名義では9年ぶりとなるニューアルバムを
リリースするこの人!
2月19日は、2010年のハイライトになる(個人的な)。予告。
※アプリの話、伏線になってなくてごめんなさいね。
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