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一瞬でも目が離せないくらい、めまぐるしく変化していく奥深い物語や個性的なキャラクターが光る藤本作品。より魅力を知ってもらうために、印象的なシーンを数字を絡めて解説する!
※物語の一部ネタバレを含みます。※記載した情報・数はすべて編集部調べ・考察です。
ファイアパンチ
FIRE PUNCH
1巻
アグニとルナの再生時間は、アグニが3秒とルナが1時間

アグニは腕が切断されると一瞬(推定3秒)で生え替わるが、ルナは1時間かかる。血を分けたきょうだいの間でも、祝福者の能力に差がある。そこから読者は、二人の心の結びつきや頼れる長男像を感じ、ルナの最期の言葉「生きて」に重みを感じる。
トガタが口にする映画で最も古いのは1920年製作の『怪傑ゾロ』

シネフィルのトガタは、旧世代の優れた遺物である映画のタイトルやオマージュしたセリフを言う。『(怪傑)ゾロ』が出てくるが、初代の1920年版をリアルタイムで観てたのかも!?
アグニを初めて斃(たお)したのは再生の祝福者ユダと兵士12人
アグニはユダ率いる集団に襲われ、奇しくもべへムドルグへと連れていかれる。再生しないように殺し続けるよう指示を出すユダは、ルナにうり二つの再生の祝福者。長い因縁がここから始まる。
2巻
再生の祝福者の年齢が判明! トガタが300歳、ユダが130歳
個人に再生能力の差はあれど、時間がたてば回復し、寿命も長い。誰かに意図的に殺されるときにしか死は訪れないのかも…。長生きと聞くとうらやましいけど、実は過酷な運命を背負っている。
4巻
アグニが救ってアグニ教にした人たちは奴隷300人、薪(まき)だった人200人、バットマン一味30人、ビッチの家族160人
アグニの救いを求めて集まった祝福者や彼が救った奴隷たちがアグニ教を信仰するように。彼らを養う食料として、アグニはまた身をささげる。燃えていない頭の左側を夜な夜な切り落とす。
5巻
アグニとトガタの罵(ののし)り合いが勃発! バカと言った数は、アグニが23回、トガタが21回

女性の体に男性の心を持つトガタ。隠していた真実がアグニにバレ、現実から逃げるように彼らの元を去る。いつの間にか絆を感じていたアグニは、素直な気持ちを伝えるが口論に。止まらないバカの応酬にお互いの頑固さがうかがえる。
映画『FIRE BEHEMDOLG』の上映時間は117分

宿敵ドマがアグニに告白する場面に登場する1本の映画。ベヘムドルグでは民を統率するために、神が活躍する映像で洗脳する。しかしそれは昔の作品で、神だと思っていたのは役者だったのだ…。かつてアグニを燃やしたドマは「人々は正しい教養が必要だ」と現実を説く。
8巻
「生きて」の回数25回

ルナたちに言われる「生きて」は、アグニの生きる力にもなっているが、人の願いのために生きる彼の人生に終わりはない(実際死なない…)。同時に苦悩に満ちた世界に縛りつけられる枷(かせ)でもあるのだ。
©藤本タツキ/集英社
Composition & Text:Hisamoto Chikaraishi
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