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今や韓国バンドシーンで時代のアイコンとなったSilica Gel。FUJI ROCK FESTIVAL ’25、「THE FIRST TAKE」、そして昨年末の東京・大阪単独2公演を開催─とスターダムを勢いよく駆け上がっている。結成当初から続く実験的なサウンドスタイルは2020年代以降の韓国のミュージシャンたちに多大な影響を与え、ファッショナブルな姿も若い世代のファンにとってのロールモデルになっている。韓国のインディペンデントカルチャーの中心にいる彼らに、音楽とファッションについて語ってもらった。

PROFILE

DISCOGRAPHY
『BIG VOID』
配信リリースされた、軽快なピアノが特徴の1曲。MVはクリエイティブ集団Azikazin Magic Worldのメンバーであるソン・ギホが監督を担当。
Silica Gelが語る、
進化し続ける、新しい音の可能性

世界各国を巡り、
アップデートした感覚
―昨年の単独公演はいかがでしたか。
キム・ハンジュ(以下、ハンジュ) 日本では初の単独公演でしたが、日本のみならず韓国からも多くのファンが観に来てくれてうれしかったですね。またいい形でライブをしたいです。
キム・チュンチュ(以下、チュンチュ) 〈Syn.THE.Size X JAPAN Tour 2025〉という公演タイトルでしたが、これは韓国でシリカゲルのコンサートのコンセプトとして採用しているもの。今回は韓国での公演内容をそのまま日本のファンにお見せしたかったのと、デビュー10周年に合わせてセットリストはリリース順に、新曲まで入れました。シリカゲルのレガシーを感じられるように意識したんです。
―セットリストにそのような意味があったのですね。ここ2年間ぐらい日本での公演も多かったですが、その中でも去年のフジロックは非常に大きい出来事だったのではと思います。この2年で感じた変化などありますか?
ハンジュ 2年前は自分たちを知らない人も多かったので、とにかくいいライブをしようと意識していました。でも今回は、皆さんが僕たちの曲をよく知ってくれているということが伝わりましたし、反応のよさに驚きました!
キム・ゴンジェ(以下、ゴンジェ) ライブのたびにいつも思うのですが、日本のお客さんは熱心に聴いてくれるんです。あと、年齢層の幅が多様なことも印象的ですね。
―日本のリスナーの変化や特徴は、私もシリカゲルの公演に何度か足を運んで感じた部分です。ステージとオーディエンスの一体感が出てきたと言いますか。今年はキタニタツヤやTempalayのツアー参加が発表されましたが、そこでの反応も楽しみですね。
チュンチュ 僕たちも楽しみです。彼らのおかげで、自分たちでは企画できないような規模の会場でライブができるので、ありがたいです。
ゴンジェ キタニさんのライブは韓国で観ました。「青のすみか」が好き。韓国でも人気があるんですよね。
―昨年末、東京での公演翌日にこの企画の撮影がありましたが、日本の雑誌のファッション撮影は初とのこと! いかがでしたか?
ハンジュ スタイリッシュなスーツでの撮影が新鮮でしたね。完成した写真がどのようになるのか楽しみです。あと撮影時にいただいたおにぎりがおいしくて。いい経験になりました。
―韓国のファッション誌などにもたびたび登場されていますが、そのときのスタイリングはメンバー同士で意見を出し合うのでしょうか。
ハンジュ スタイリストの方がイメージ案を持ってきてくれて、それに対して「これはすてき」とか「これはハードルが高い」と、意見を出し合います。今はシン・ミンチョルさん(「shinssi」という名義でも活動)というBalming Tiger(韓国の音楽コレクティブ集団)のスタイリングを手がけている方が、シリカゲルも担当しています。ライブやMV撮影、雑誌撮影などのスタイリング全般を担当しています。
―シン・ミンチョルさんは現在の事務所に移籍してから担当されていますね。シリカゲルは韓国ブランドのハロミニウムや、サンサンギアのようなテック系ファッションブランドを愛用している印象があります。
ハンジュ ハロミニウムはライブでよく着用していますね。テックウェアをよく着ていた時期は、当時の自分たちの音楽との接点を感じられたから。韓国でテックウェアが流行する直前ぐらいの時期かな。その後、本格的に流行し始めて、やめてしまいました(笑)。音楽が変化したっていうのもあるし、バンドの成熟した姿を見せるために装いも変わった。今はラフだけど、ささやかなセンスを感じるスタイルが気分。ファッショナブルなバンドっていう評価を受けることも多いし、以前はその意識でやってたんですが、少しずつ変わったというか。
―韓国でテック系が流行ったのは、まさに「Mercurial」(2023年)のMVで着用していた時期以降ですよね。何かターニングポイントがあったのでしょうか。
ハンジュ 明確なきっかけがあったわけではなく、徐々に今の方向に変わっていったっていうほうが近いですかね。
最新曲「BIG VOID」で
表現した日常の美しさ

―先ほど「今はラフだけどセンスのあるスタイル」とお話しされましたが、最新曲「BIG VOID」のMVを観て、カジュアルな装いに移行した印象を受けました。撮影時もこの方向性について話し合ったのでしょうか。
チュンチュ 「BIG VOID」のMVに関しては、ソン・ギホ監督から「温かみがある柔らかな衣装」というイメージを提案されました。それをもとにスタイリストさんに、シリカゲル的なカジュアルスタイルをつくってもらいました。
―ドローイングっぽい背景と柔らかいテクスチャーの衣装のバランスがとてもすてきです。「BIG VOID」は全編英語の歌詞も印象的ですが、なぜ英語の歌詞を選択したのでしょうか。
ハンジュ 韓国のファンの方からよく聞かれます。「なんで韓国語じゃないの?」って(笑)。歌詞を書くにあたって大事にしているのは、音やリズムに合うか。「BIG VOID」はサウンド的に英語のほうがハマる感じがしたんです。
チュンチュ 言語によって発音も表現方法も異なりますが、ひとつはハンジュが言うようにサウンドとの関係性。もうひとつは海外のファンとのコミュニケーションという部分で、英語歌詞は大事な要素だと思っています。
―世界各地でライブを行ったからこその視点ですね。今はアルバム制作でスタジオにこもりっぱなしとのことですが、制作のインスピレーションはどこから得ていますか?
チェ・ウンヒ(以下、ウンヒ) 他の音楽からインスピレーションを受けることも当然あるとは思うんですけど、自分の場合はそれだけじゃなくて、運動したり、ご飯食べたり、夢を見たり。そういったものすべてがインスピレーションにつながっているんじゃないかなと。
チュンチュ 通りすがりに出会ったものや、今ゴンジェの後ろにいる猫ちゃんだったりとか(笑)。そういった日常とつながった風景から叙情的な部分を得ることが多いです。音楽的な面で言うと、新旧にかかわらずリスペクトしているミュージシャンの作品からいろいろとヒントを得ることがありますね。インスピレーションにはこの2つのチャンネルがあると思っています。
―そのような多角的な影響がシリカゲルの力強いサウンドにつながっていくのですね。それでは、今年力を入れていきたいことはありますか?
ゴンジェ 無事に新アルバムをリリースすることが第一の目標です。日本での目標として、新しいアルバムを提げてツアーをしたいですね。
チュンチュ アルバムは2月からレコーディング作業ですが、その後に次のツアーの準備もします。それらがバンドにとって今一番力を入れていることかなと。個人的にはソロ・プロジェクトNoridogam(ノリドガム)の新アルバムも準備中なんです。
ウンヒ 日本を皮切りにワールドツアーをやってみたいですね。
ハンジュ 新しいアルバム制作に伴うプレッシャーを乗り越えたいです。
―最後に、メンズノンノ読者の皆さんにひと言メッセージをお願いします。
ハンジュ この特集をきっかけに自分たちのことを知ってもらえたらうれしいです。これから出るシングルやアルバムなどもぜひチェックしてくださいね。またすぐ日本に行きますので、よろしくお願いします!

[ゴンジェ]ジャケット¥275,000/メゾン エ ヴォヤージュ 麻布台ヒルズ店 シャツ¥49,500・ジーンズ¥44,000/A.P.C. CUSTOMER SERVICE ネクタイ(サウスウィック)¥19,800/エム・エス・ティー 靴(ボードイン アンド ランジ)¥115,500/コロネット その他/スタイリスト私物
[チュンチュ]コート¥174,900/キャバン 丸の内店 リボンシャツ¥33,000・ニットベスト(マイ タイ)¥22,000/メゾン エ ヴォヤージュ 麻布台ヒルズ店 パンツ(フミヤ ヒラノ ザ トラウザーズ)¥62,700/ノウン ソックス(レオナール)¥2,420/MANHOLE 靴¥145,200/カルマンソロジー その他/本人私物
[ウンヒ]ジャケット(マリナ イー)¥368,500/ノースリバティー シャツ¥30,800・ネクタイ¥17,600/メゾン エ ヴォヤージュ 麻布台ヒルズ店 パンツ(ヘロンズ ギル)¥143,000/TOD ブーツ¥176,000/ビィウィッチ メガネ/本人私物
[ハンジュ]ジャケット¥143,000・シャツ¥39,600/メゾン エ ヴォヤージュ 麻布台ヒルズ店 パンツ(オムナ)¥88,000/サカス ピーアール グローブ(デンツ)¥36,300/真下商事 ブーツ・チーフ/スタイリスト私物
Photos:Keita Goto[W] Hair&Make-up:hirokazu endo[ota office] Stylist:Masashi Sho Text:Misato Uchihata Cooperation:Chiharu Fujimoto[TANO international]
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