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教えて、堀越耕平先生!
昨年完結した人気コミック『僕のヒーローアカデミア』の原画展開催を記念して、作品とも深い縁のある(!)メンズノンノとのコラボが実現。原作者・堀越耕平先生へのQ&Aをお届け!

PROFILE
堀越耕平
1986年生まれ。2007年に『赤マルジャンプ』にて「テンコ」で読み切りデビュー。過去の作品に『逢魔ヶ刻動物園』『戦星のバルジ』など。14年に『週刊少年ジャンプ』にて『僕のヒーローアカデミア』の連載を開始し、24年に完結する。
Q. 影響を受けた映画を教えてください。
A.『スター・ウォーズ』シリーズです。
中学生の頃に「エピソード1」を観て、斬新なクリーチャーデザインに惹(ひ)かれました。お気に入りは、腕で二足歩行するダグ族のセブルバ。ダグ族のジェダイがいたらと考えてたりしました。ちなみにヒロアカの第1話に登場する「田等院(たとういん)」駅は惑星「タトゥイーン」のオマージュです。
Q. 連載中によく聴いた音楽は?
A. 邦ロックです。
執筆中は描いているシーンの“主題歌”のような音楽を自分の中で設定していました。例えば敵〈ヴィラン〉連合のトゥワイスとヒーロー・ホークスが一騎打ちする場面は、Yellow Studsの「夜空に願いを」を聴いていました。トゥワイスのような“哀愁”を歌詞の端々に感じるんですよ。ダークな世界観のバンドが好きで、学生時代からのお気に入りはsyrup16gのアルバム『COPY』です。

Q. スニーカー好きの堀越先生のお気に入りは?
A. この3足です。
どれも高かったです…!! トラヴィス スコット×ナイキの「エアジョーダン6 レトロ」(右上)は、用途不明なポケットがついているところが好き。「スリから貴重品を守るためかもしれない」などと想像するのが楽しいです。イレブン バイ ボリス ビジャン サベリ×サロモンのブーツ(左)は、ミリタリー調なデザインが好み。ゴアテックスとレザーの異素材コンビが最高です。エンダースキーマのヌメ革スニーカー(下)は8年ほど前に購入。店頭にある経年変化したサンプルにひと目ぼれ。オイルを塗って大切に履いているので、味のある色になりました。(3足とも堀越先生の私物)

Q. ファッションが好きな登場人物は?
A. 通形(とおがた)ミリオです。
ロカビリーファッションが好きそうなイメージがなんとなくありました。14巻のおまけページではミリオの私服も描きました。ボウリングシャツに細身のデニムパンツをはいて、ドクターマーチンのようなレースアップブーツを合わせたスタイリングです。ちなみに登場人物の私服は、実際に描いてみてしゃべらせていく中で固まっていくことも多かったです。

Q. 最近よく着ているファッションブランドは?
A. 日本発のnorbitです。
ミリタリーウェアのような機能美に惹かれます。最近よく着るのが、モンゴルの民族衣装“デール”に着想を得たnorbitのマウンパ。前立てが左右非対称になったデザインがお気に入りです。大学時代は『TUNE』という雑誌を見てました。古着をカスタムしたりするのが流行っていて、友人がキャップにツノをつけていたりしてました。かっこいいなと思っていたので、ヒロアカで出水洸汰(いずみこうた)くんというキャラクターにかぶせています。

Q. 描くのが楽しかった登場人物は?
A. ラビットヒーロー・ミルコです。
主人公の緑谷出久(みどりやいずく)やその周りのヒーローはストーリーが進むごとに背負うものが増えて本当の意味で自由には動かせません。しかし、ミルコはバックボーンをあえて描かなかったから、伸び伸び戦えて。蛇腔(じゃくう)病院で大暴れするシーンは筆が乗りました。

Q. 10年間の連載を終えた感想は?
A. 少し寂しいです。
「この登場人物は何をしゃべって、どう動くのか?」と考える作業にはずっと悩まされたけど、その時間もひっくるめて好きです。“難しさを楽しむ”ことが連載の醍醐味(だいごみ)だと思っていて。終わった今だから言えることですが、少し寂しいです。
Q. 次回作は考えていますか?
A. 実はすでに構想段階です。
ヒロアカではできなかったけど、やりたいことは幸いまだあったのでその気持ちを昇華できたらなと思います。新作を発表する場所は、やっぱり『週刊少年ジャンプ』がいい。もう一度くらいは挑戦したいと思いながら、構想を練っています。

Composition&Text:Koki Yamanashi
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