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96年6月リリースの4thシングル。ムーディなビートがUAのパワフルな歌声を最大限に引き出し、バックトラックは70’s R&Bを彷彿とさせる。彼女はその前年、藤原ヒロシさんプロデュースで注目を浴びたんだ。その後は元ブランキー・ジェット・シティの浅井健一さんの新バンド、AJICOのロックヴォーカリストに抜てきされ、さらには菊地成孔さんのアルバム『cure jazz』ではジャズヴォーカルで参加した。オーチャードホールで観た、奇声を発しながら歌うスタンダードナンバーは圧巻だったなぁ! マイク、いらなそうだった。何が言いたいかというと、J-POP界のワイルドサイド(笑)を渡り歩くアーティストたちがこぞってキャスティングしたがるヴォーカリストってこと!
R&B、ロック、ジャズが歌え、圧倒的存在感を持つ女性ってそうはいないから。アーティストがアーティストに惚れちゃうんだな。伸びのいい高い声と、肝の据わったノリのいい歌いっぷりが痛快このうえない魅力的なシンガー、だけどセクシーさはないってのがミソ。戻ると「情熱」、楽曲はアメリカR&B特有のヌルヌル感はなく、カラッとしている。ゆったりしたテンポで、天然素材の服を着て、なんの手も加えていないヘアスタイルで歌う姿は、まさにアフロ・スピリットを持つオーガニック・ソウル! 私生活でもカナダの離島に移住、スタイルを貫く女性シンガーの第一人者だね。
ATSUSHI MOMIYAMA
ヘアメイクアップアーティスト、代官山の理髪店『BARBER BOYS』主宰。1990年代を彩ったJ-POPを丹念に再評価していくシリーズ。メンズノンノウェブではプレイリストも公開中!
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