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登山を楽しむ人が増えている。雄大な自然を感じられる非日常体験は最高だけど、危険も伴うからこそ万全な状態で臨みたい。初めての山登りを楽しむための“知りたい”を徹底解説!
登山の先輩・猪野正哉さんに教わる
“基本のキ”

焚き火マイスター
猪野正哉 さん
テレビ番組やYouTubeで焚き火の監修を手がけるほか、アウトドアプランナーとしても活躍中。過去にメンズノンノモデルとして活動していた経歴も。
Qそもそも登る山ってどう決めたらいい?
山によって難易度はまちまちなのでSNSの景色だけを見て決めるのは少し危険。まずは登山経験者に聞いたり専門サイトを読んだりしてルートや想定コースタイムを確認し、15時頃までに下りてこられる初心者向けの「百名山」から選んで。メジャーの山は登山者も多いので、もしものときも助けを求めることができ安心。
Q登山の前に何か申請は必要?
万が一のときに備えて、登山届(登山計画書)を登る山がある市町村や所轄の警察署などに所定の方法で提出しましょう。記入する内容は登山メンバーの名前などの情報やルートなどの行動予定です。また、サイトやアプリの「山と自然ネットワーク Compass」からも簡単に提出可能。その他、登山保険に加入したり、家族や知人に山へ行くことを伝えるのも大事!
Q初心者がまず買うべきアイテムは?
初めから登山用具一式を買いそろえるとなるとかなりの高額になるし、山登りにハマらない可能性もあります。かといって普段着やスニーカーで登るのはNG。そこでまず“山登り三種の神器”である登山靴、ザック、レインウェアはマスト。この基本アイテムが安全に身を守ってくれる。5万~7万円でそろえられ、普段使いできるようなデザインやカラーを選べば、お得なはず。ウェア、パンツは速乾性など機能性があるものを選んで。
Q山にふさわしい格好を知るには?
気軽な方法はSNSにアップされている、目的の山に登っている人の格好をいくつか見ること。そのうえで、あわせて登山アイテムを買う際ショップの店員などに相談するのがおすすめ。「いま手もとにある道具で行ってみよう」は禁物です。
「登山大好き」高橋璃央と
「登山始めたい」松井大奈が
日本百名山の金峰山にアタック!
いざ奥秩父にそびえる金峰山へ。大弛峠から登る人気のルートで山頂をめざす!

和気藹々と登っていく2人。霧が包む木々の間を抜け、日が照らす岩を踏み締める。先輩と後輩の絆を金峰山がつなぐ。

急に変わる山の天気。日中に地面から上がる水蒸気が冷やされ、霧が生まれる。神秘的な雰囲気に包まれるが、見通しが悪くなるため足もとを確認して進む。

「ここからも山頂の五丈岩が見える」
朝日峠に向かう道中、立ち枯れた木が続く山道に心を奪われる2人。「木々の合間から見える風景にも感動するな。まだまだ序盤なのについ立ち止まっちゃう(笑)」(高橋)

「遠くに富士山!」
快晴の日は、眺めが抜ける山道のいろいろな場所から富士山が望める。「なんか得した気分(笑)。このくらいの高さから見るのがすごく新鮮ですね」(松井)

「体温調整はこまめに」

「急な岩場は気をつけて!」

「璃央くん、この景色見て!」

森林限界にあるハイマツが茂る岩原の「賽の河原」を抜けた先、金峰山の山頂にかかる岩場。「視界が開けて眺めがすごい。疲労感が気持ちいいなぁ」(松井)

「ここからけっこう下るぞ…」
朝日岳のベンチでしばし休憩を取る。手持ちの行動食で水分とエネルギーをしっかり補給。地図とコンパスを使って山頂の場所を確認しつつ思いを馳せる。

「山頂の五丈岩!」
自然の力強さを感じる特徴的な形をした五丈岩により、麓からも金峰山の頂の場所を認識できる。昔籠り堂があった名残から、石灯籠などが残っていて、どこか神聖な雰囲気を漂わせている。
「頂上が広くて気持ちいい。散歩するだけで楽しい!」(松井)
「五丈岩、迫力満点!自然のすごさを感じる」(高橋)

「山頂で食べるラーメンは最高!」
待望のランチはカップ麺。持参のアウトドアバーナーでお湯を沸かす。「いつも食べてるけど、山頂で食べるとこんなにもおいしいなんて!」(高橋)

合計7時間の登山を終えて爽やかな笑顔!
「気持ちいい汗、クセになる! 次の登山企画もぜひ(笑)」(松井)
「登山ってやっぱり楽しい! 大奈との絆も深まった〜」(高橋)
俳優・佐藤寛太、登山の魅⼒を語る。
──興味を持ったきっかけは?
佐藤 もともと登山家や探検家の方たちが撮ったり書いたりした書籍が好きで読んでいたんです。植村直己さんや星野道夫さん、角幡唯介さん、服部文祥さん、石川直樹さんなど、皆さんが体験して表現している“山の中で感じる自由”を味わってみたいと思ったのがきっかけですね。あと、趣味のキャンプ道具で流用できるものもあったので、まず始めてみようと。
──ひとりで登ることが多いですか?
佐藤 最近は、5年前に一緒に始めた事務所の先輩の青柳翔さんや友人で映画監督の岩屋拓郎と3人で登ることが多いですね。もちろん、ひとりで登ることもあります。
──実際に登って感じる魅力は何ですか?
佐藤 毎回登山中はつらくて、「なんでこんなことしてるんだろう。もう絶対に登らない」と思っているけど、また登りたくなる。なんでだろう(笑)。あえて言うなら、山に登った後は、いろんな物事の受け入れ方が変わる気がするからだと思います。1週間ぐらい山に行っても、ふだん自分が人生で直面している問題は別に変わらないし、友人関係がアップデートされるわけでもないし、特に何も変わらない。でも山にいると、天候にすごく気を使うし、体力の限界と向き合うことになる。自分の一挙手一投足に意識を巡らせることによって、自分の心の器が変化する気がします。

──登山中は感覚も研ぎ澄まされている?
佐藤 どんな山も“死”が近くに存在していることがあると思います。もちろん普段の生活でも不運な交通事故などに遭う可能性はありますが、山は気をつけていても、そういったアクシデントが思っている以上に起こりうる場所。山で多いといわれている事故として、歩きながら振り返ったりして、リュックが樹木や岩にぶつかって、その反動で山道から落ちてしまう事例があります。みんなもちろん気を抜いているわけではないけれど、ちょっとしたことで自分の身を危険にさらしてしまう。ふだん感じない“生”の要素をより感じて、自分の考えや感覚に集中できるところが好きで、それも山に登る理由のひとつかもしれません。
──責任を持つことで、自分の感覚に集中できる、自分を知ることができるという話は、すごく興味深いです。
佐藤 どんなにライトな登山でも、僕が人を連れていくときは、危険な事故に陥る状況の例をひととおり説明をします。そして、最後に「何か起きた場合、僕は助けを呼ぶことはできるけど、助けられないかもしれない。自己責任で登ろうね」と話をします。登山の魅力を知ってほしいし、好きになってくれる人が増えたらいいなと思っていますが、僕としては楽しい側面だけではなくて、「自ら責任を持つ」「死が近くにあることを知る」ことも大切だと、ちゃんと伝えたいんです。
──登山を通して得られるものは?
佐藤 僕は登山家がアタックするようなハードな山は行かないですし、挑戦的な登山をするタイプでもない。でも、よりいい状態で登りたいから体を鍛える習慣ができましたね。あと、日常のファッションも楽しくなりました(笑)。山で着るアウトドアウェアって最先端の技術が使われていますよね。軽くて機能的で快適。あと、高価なものだから山でしか使わないなんてもったいない。ふだんの服装に取り入れたら、着こなしの幅が広がったと思います。シェルやソックスはもう当たり前に取り入れていますし、冬になったら家で寝袋を使って寝ています。すごく気持ちいいですよ!(笑)

俳優
佐藤寛太
1996年6月16日生まれ、福岡県出身。劇団EXILEメンバー。登山の専門メディアで連載を持つほどの登山好き。出演作に映画『正欲』、ドラマ『誘拐の日』などがある。
[高橋]ジャケット(マーモット)¥38,500/サードシップ プルオーバー(ワイドット)¥26,400/ノルディスク アパレル キャップ¥6,050・Tシャツ¥16,940(ともにオーエムエム)・サングラス(オンブラズ)¥28,600/ノマディクス パンツ¥16,500/エル・エル・ビーン カスタマーサービスセンター バックパック(ワイルドシングス)¥46,200/インス 靴/本人私物
[松井]ジャケット(マウンテンリサーチ バイ エーエム)¥68,200/…….リサーチ ジェネラルストア シャツ(ワイルドシングス)¥14,300/インス カットソー(ザ・ノース・フェイス)¥9,020/ゴールドウイン カスタマーサービスセンター パンツ¥25,300/ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン 靴(サロモン)¥25,300/アルペンお客様係 バックパック¥12,100・ランプ¥1,650/モンベル・カスタマー・サービス ソックス/スタイリスト私物
Photos:Arata Suzuki[go relax E more] Hair&Make-up:AMANO Stylist:Takumi Urisaka Models:Daina Matsui Rio Takahashi[Both are MEN’S NON-NO models] Composition&Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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