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お笑い芸人としてだけでなく、独特の視点とセンスで詠む短歌と俳句が話題の、フルーツポンチの村上健志さんの連載。メンズノンノWEBでしか読めない、季節感あふれる”恋”にまつわる俳句とエッセイ、そしてイラストを隔週でお届けします! 今回は、冬の日に気分まであたたかくなる一瞬の情景と、そこから広がる想像の世界!
たい焼き。あれはもうエンターテイメント。美味しいのはもちろんだが、他にも魅力がたくさんある。たい焼きの好きなところアンケートを取ったら楽しそうだ。
【たい焼きの好きなところアンケート】
1位 美味しい
2位 あのぬくもりは幸せの別名だと思う
3位 頭から食べるか尻尾から食べるかという会話が楽しい
4位 はみ出したあんこ
5位 匂いまであったかい
ランキング外
・食べ終わった後の包み紙を小さく小さく折っている時もなんか楽しい。
・たい焼き屋さんに並んでいる時、お年玉をもらう時と同じくらい嬉しい気持ちになる。
・引っ越した町にたい焼き屋さんがあって「大丈夫だ」と思った。
・当たり前みたいに鯛の形をした食べ物が、手際よく出来上がっていく様子がおかしい。
・青空がよく似合う。
など
出るわ出るわでキリがない。たい焼きはやはり良い。
遊園地に誘う勇気はないけれど、たい焼き屋さんになら誘えそうな気がする。どうせなら少しだけ並ぶ方が良い。たい焼き屋さんに並ぶ時間は、待ち合わせで会った瞬間に言えなかった「そのコートいいね。」と言うための時間だと思っている。最近ではめっきりキャッシュレスになっているが、現金を使うのも楽しい。帰ってきたお釣りを持ってお参りに行くのも良い。君がいる横で「付き合えますように」と願いたい。君の願いも一緒だったら嬉しい。またくだらない妄想をしてしまった。現実はそんなに甘くないかもしれないが、鯛の形をした食べ物を考えた人がいる
世界は、そんなに悪くない。
★Profile/1980年生まれ。茨城県出身。お笑いコンビ”フルーツポンチ”のボケ担当。TV『プレバト!!』(MBS系・毎週木19:00~)での奮闘ぶりが話題に。また、情報サイト『好書好日』の連載をまとめた『フルーツポンチ村上健志の俳句修業』(春陽堂書店)も好評発売中。自身のYouTubeチャンネル『フルーツポンチ村上の俳句の部屋』での俳句実況もチェックを!
Haiku & text & illustration : Kenji Murakami
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