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服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、ビューティー&ユースでバイヤーを務める野口 倫太郎さん。
1.〈SOUTH PARK〉のプリントTシャツ

「いつもプリントTばかり着てて、社内でも、たぶん僕はそういうイメージが強いと思います。『それなに?』とか『俺もそれ好きなんだよね』とか、プリントTはコミュニケーションの入り口になるのもあって、好きなんです。バンドや映画モノとか展覧会の物販とか、いいなと思ったら絶対買ってます。ヴィンテージかどうかにはこだわらないですね」

「サウスパークは、中学の頃から大好きなアニメ。全世界の時事問題にブラックユーモアたっぷりに切り込んでいくのが、逆にめっちゃピースだなって思います。しかも可愛い。DVDもほとんど全部持っています」

「プリントTも、20枚くらい持ってるかな。ただ、なかでもこのTシャツだけはほかで見たことがなくて、ネットで調べてもまったく情報が出てこないんですよ」


「4人いるキャラクターのうち3人しか描かれていないパターンも見たことないし、しかも、エリック・ヘイズとのコラボもの。以前、インフォ ビューティアンドユースといラインでサウスパークとのコラボが決まったとき、これを復刻したいって掛け合ったのですが、エリック・ヘイズの作品だからと許可が降りなかった。だから、本物なのは間違いないんですけど(笑)」

「代わりにほかの私物を使ったコラボが実現したのですが、15年間くらいずっと好きなアニメなので、めちゃくちゃうれしかったですね……。そうやって、趣味が仕事に生きてます。『野口っぽいね』って言ってもらえることも多くて、好きなもののジャンルで、いま信頼を置いてもらえてるのかなって感じます」
2.〈C.E〉のボーダーニット

「ベストバイ3と聞いて、サウスパークのプリントT3枚にしようかと本気で悩んだのですが、さすがにやめておきました(笑)」

「C.Eは好きなブランドのひとつ。ビューティー&ユースとしてもつながりが長くて深いブランドということで、選びました」


「グラフィックのイメージが強いし、みんなそっちを好んで買うと思うんですけど、僕はこういう服の方が好き。グラフィックがないものとか、スウェパンとか。ちなみに今日履いてきたスニーカーも、C.Eコラボのナイキです」

「単純にめちゃくちゃテンション上がるニットですね。サーティワンっぽい目に留まる配色が、超イイなと思っていて。買ってから、毎年かならず着ていて、着るたびに気分がいい。そういう服って、なかなか無いので」
3.〈Stone Island〉のハーフコート

「好きなものは本当に変わらなくて、中学時代の友達に久しぶりに会ったりすると、『まだそれ好きなの⁉︎』って驚かれたりもします」

「サウスパークもそうですけど、アニメとか映画とか音楽とか、僕はほんとにただのオタクで、正直、洋服よりそういうもののほうが断然好きなんです。でも、そういうものが結び付けられて、アウトプットできるのが洋服でもあって」

「洋服に興味が湧いたのも、最初はカート(・コバーン)の真似っこみたいのから。中3か高1のとき、ボロボロのデニムにモヘアニット着て、髪伸ばして、みたいな。生まれ年にカートが死んでるので、『27歳で僕も死ぬんだ』とかって、イタい時期もありました(笑)」

「ストーンアイランドは、オアシスのリアム(・ギャラガー)が着ているのを見てから、ずっと格好いいなと思っていたブランド。これは、ウールのハーフコートってオトナだなって思って、去年買った90年代後半の古着です」

「普通なんですけど、ボタンとか裏地が凝っていて、素材づかいに定評があるだけあるなって感じます。プリントTとかスウェットなんかをよく着るので、いつも、そういうものの上に羽織るだけ。リアムがやってるブランドのピンズを、さりてなく付けてます」

「去年初めて出張でパリへ行ったときにも着て行きました。寒いって聞いていたので『ダウンがいいかな』と思ったのですが、先輩たちがみんな『パリの街にはコートっしょ』って感じで。結局ダウン着てた先輩もいたんですけどね(笑)。ただ、たしかにパリの街でこういうコートを着るとテンション上がりましたね。まだ日は浅いですが、相棒になりそうです」

BEAUTY&YOUTH バイヤー
野口 倫太郎 さん
2016年にユナイテッドアローズに入社。ビューティー&ユースの店舗勤務を経て、25年10月よりバイヤーを務める。
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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