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服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、1LDKでクリエイティブディレクターを務める吉池 優さん。
1.〈META CAMPANIA COLLECTIVE〉のニットジャケット

「今年の春に買った、メタ カンパニア コレクティブのニットジャケットです。パリのブランドで、デザイナーはボッテガなんかで20年くらい経験を積んだひと。1LDKでは、取り扱いはじめて2シーズン目です」

「ニットジャケットって、『いつ着るんだろう?』みたいに思ってしまって、これまでぜんぜん着たことがなかったんです。でも、春夏は軽くてちょうどいい羽織りになるし、冬はコートの下なんかに着やすいので、よく考えてみるとわりと便利な洋服なんじゃないかと気付きました」


「このニットジャケットのよさは、なんといってもデザインのミニマルさ。素材にはものすごくこだわられていて、値段もかなりするんです。でも、それが前面に押し出されていないというか、“なんでもない服”って感じがするというか」

「そういうアイテムは1LDKがずっと提案し続けてきたものですが、いわば、その最上級だと思います」

「僕自身も、わりとそういうものが好きなんです。自分のなかで『いいもの』とわかっていさえすればいいかなと思う。オラオラしたくないし、そういうものを着ていたほうが、自分も気張らなくて済むので」
2.〈PLATFORM〉のウエストポーチ

「作ってるのは、アウトドアやフェスが大好きな日本人のおじさんです。さまざまなアウトドア系の素材を使って、バッグやポーチなどを製作しています」

「このウエストポーチに使われているのは、『ULTRA』という素材。ヨットの帆などの、絶対に破れちゃいけないものに使われるものだそうです。使いはじめは固めですが、使うとどんどんやわらかくなっていきます」

「荷物は最小限に抑えたいタイプで、できれば鞄も持ちたくない。ただ、酔っ払って財布を失くすのが怖いから、こういう、肌身離さず持っておける小さなバッグが好きなんです。家に帰ったら玄関にこれだけ置けばいいし、家を出るときにはこれだけ持てばいい」

「小さなウエストポーチなら何でもいいわけじゃないんです。むしろ、いいと思えるものってほとんどなくて。とくに、着けていてボテッと見えるものは苦手です」

「でも、これは本当によく計算された設計で、体にピタッと沿って主張しないし、動いても下に垂れてこない。気に入りすぎて、3年前に初めて買ったのを使い倒して、2代目にまったく同じのを買い足しちゃいました」
3.〈HANES〉のパックT

「言わずと知れたヘインズの『ビーフィー』ですが、僕はたぶん10年くらい、Tシャツはこれしか着てないと思います。なにもかもがちょうどいいんです」

「まず、手軽に買えるのが最高。汚れる、とか気にしたくないので、『いつでも買える』っていうのは一番です。あと、いわゆるパックTだけど、ちゃんと肉厚なのがいい。下着としても使えますし。そして、形もいいんですよね。こういうボディのものって丈だけが長かったりするんですけど、ちょうどいいんです」


「3年くらい前までは、ずっとXLで揃えていたんですけど、最近はLサイズに総入れ替えました。ちょっと大人になったのかもしれません(笑)」

「これを下着にしたときに、スウェットとかニットから少しだけ裾が覗く感じも好き。だからトップスを買うときはこの白Tが基準で、いまある手持ちの服は、ぜんぶこのLサイズに合う理想のバランスなんです」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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