▼ WPの本文 ▼
服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、エディフィスでWEB ヴィジュアルコーディネーターを務める松原将平さん。
1.〈J.M. WESTON〉の革靴

「ベイクルーズに入社した11年前、最初に買った革靴が、このジェイエムウエストンでした。エディフィスといえばフレンチっていうところもあったし、当時の先輩に何を買ったらいいか聞いて、『やっぱりウエストンじゃない?』みたいな話もあって」


「これは『ヨット』という、当時日本ではあまり展開されていなかったモデル。バイヤーだった先輩が履いてて、それがめちゃくちゃ格好よくて、それで思い切ってオーダーをかけた靴なんです」

「とはいえ、結構無難に収まっちゃって(笑) レザーもステッチも素材や配色を選べたので、本当はエキゾチックレザーなんかもいいなと思ったのですが、さすがに予算オーバーでした。せっかくなので、自分のあだ名だけは刻印してもらって」


「この独特の茶色のウエストンは、デニムにもスラックスにも合うし、デッキシューズの形ではあるけど、秋冬のスタイリングにも合う。カジュアルな雰囲気もありつつ、履くとシャープにも見えるんですよね」
2.〈Patagonia〉のヒップバッグ

「最近は、これ系の小さなバッグを、本当にほとんど毎日つけていて。自分で言うのもアレですが、もはやトレードマークみたいになっています」

「もともと、カバンが好きじゃなくて。というのも、常に手ぶらでいたいんです。ただ、財布なんかはパンツが変に膨らむので、ポケットに入れたりしたくない」

「ということで、こうしたウエストバッグをポケット代わりにつけていると、すごく実用的なんです。しかもスタイリングのアクセントにもなる」

「似たようなバッグを11、2個持っていますが、なかでも一番使用頻度が高くてお気に入りなのが、5年くらい前に直営店で買ったこのパタゴニアです。古着屋で買ったりすることもありますが、パタゴニアはやっぱり配色がいいですね。変な色が多い」

「綺麗なジャケットなんかを着るときに、こういうのを合わせるのも好きなんです。エディフィスのスタイルも、フレンチがベースではありますが、アメカジをはじめとしたいろんな要素を取り入れるのも特徴。その僕なりの取り入れ方なんです」
3.〈Norwegian Rain〉のケープコート

「これも、入社してわりとすぐに買ったものです。ノルウェージャンレインは、当時エディフィスでも取り扱いがあったのですが、『レインチョ』というモデルが主で、それもすごく格好よかったのですが、みんなと被りたくなくて」

「それで別の取扱店を探していたところ、神田で着物を取り扱っている店で、和装の上からこのコートを合わせたりしている面白いところがあって。そこで見つけたのが、このケープコートでした。当時の僕にとってはかなり高い買い物で、気合を入れて買ったのもいい思い出です」


「弱撥水性があって、3レイヤーなので風もまったく通さず、わりと暖かいコートです。なによりの特徴は、独特の形。便利か不便かで言ったら、不便なシーンも多いです(笑) でも、なんだかんだ、もう8年くらい毎年のように着続けています」

「シンプルなものは飽きがこない、と思われがちですが、つまらなく感じてしまうこともありますよね。こういう変わった洋服は、流行とは一切関係のない存在だったりする。きっといつまでも飽きないだろうなと思います」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
▲ WPの本文 ▲