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ブラックスーツは、人生の節目に寄り添う心強い存在。フォーマルの有資格者が在籍する麻布テーラーで、基礎を学ぶ。

越智 諒 さん
麻布テーラー銀座店、新宿店での勤務を経て、現在は二子玉川店店長。約12年のキャリアを持ち、日本フォーマル協会の最上位資格である検定1級ゴールドライセンスを取得。
冠婚葬祭からカジュアルまで
ブラックスーツの格式とルール

ブラックスーツの格式
「ブラックスーツは、昼夜を問わず着られる準礼装です。結婚式や格式ある場に着ていく装いとして位置づけられています」と話すのは、麻布テーラー二子玉川店店長の越智諒さん。日本のフォーマルウェアには「正礼装」「準礼装」「略礼装」の3つの格式があり、正礼装はモーニングコートやタキシード、準礼装はブラックスーツやディレクターズスーツ、略礼装はダークスーツやブレザー&スラックスなどに分類される。

ブラックスーツを仕立てる際のポイント
初めてブラックスーツを仕立てる理由として最も多いのが、冠婚葬祭を1着でカバーしたいというニーズだ。「ご両親に『ちゃんとした1着を持っておきなさい』とすすめられて、というケースが大半ですね」と語る。では、どのような点に注意して選ぶべきなのだろうか。「フォーマルという文脈では、フロントにステッチの入らない仕様や、装飾を抑えた2つボタンなど、できるだけシンプルなデザインが基本です」。スリーピースでの仕立ても実用的だ。「結婚式ではベストを着用し、葬儀では外すなど、場に応じて装いを使い分けることができます。ジャケットとスラックスだけよりも着こなしの幅が広がりますね」

生地選びでは、見た目だけでなく機能性も重要になる。「年に数回しか着ないが、着用シーンが多いからこそ、シワになりにくく、扱いやすい素材を選ぶことが大切です」。ブラックはほこりが目立ちやすいため、静電気が起きにくいものや、飲食の席でも安心な撥水性を備えた生地が向いているという。

また、同じ黒をとっても色の深さや光沢には違いがある。「冠婚葬祭兼用なら、深みのあるマットな黒が無難。お祝い事に限るなら、やや艶のある生地も選択肢に入ります」。光沢感のある上質な生地にはイタリアの「ゼニア」や「ロロ・ピアーナ」。ハリがあり仕立て映えするものには「ドーメル」や「スキャバル」などがある。

ブラックブレザーという選択肢も
より肩の力を抜いた場には、ブラックブレザーという選択肢もある。「結婚式の二次会や会食など、厳格すぎないシーンにぴったりです」。ブレザーにはシングルとダブルがあり、由来をたどるとダブルのほうが格式は高い。シングルは、イギリスの大学ボートクラブの学生たちが着用していた装いに由来し、ダブルは、英国海軍がヴィクトリア女王を迎える際に着用した制服をルーツとする由緒あるスタイル。取り入れやすさはシングルに軍配が上がるが、「あえて黒のダブルを選ぶことでスタイリングに差が出るのでおすすめ」と越智さん。スラックス合わせでよりフォーマルに、チノパンやジーンズを合わせれば、よりカジュアルな着こなしも楽しめる。

タキシードにトライしてもいい
憧れのブラックスーツとして挙げられるのがタキシードだ。本来は夜の正礼装だが、現代では着用シーンが広がっている。「ご自身が新郎の場合はもちろん、結婚式の参列、祝賀会や記念式典など格式の高いパーティに呼ばれる際にも最適です」。最近は、カラーで仕立てたファンシータキシードなど自由度は高まっているが、「若い方が正統派のブラックタキシードを選んでいると、格好いいと思います。新婦がまとった純白のウエディングドレスを引き立てるために黒を選ぶ、という考え方もすてきです」。衿や側章に施されたサテンの光沢が、装いに華やかさを添える。「フォーマルではベルトはせず、基本はサスペンダーで吊ります。また、カマーバンドかベストを合わせるのが正式です」

「フォーマルは難しくありません。ルールを知る私たちがガイドとなり、あなただけの最適解を一緒に形にします。仕立てる過程を楽しみながら、理想の1着を見つけましょう」

麻布テーラー二子玉川店
世田谷区玉川3の11の7 T’s SQUARE B1F
TEL:03-3700-8175
営業時間:月~金曜12時~20時、土・日曜・祝日11時~20時 木曜休
Instagram:@azabutailor
Text:Mami Osugi[W]
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