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着こなしを大人っぽく仕上げてくれる「コート」が冬コーデの強い味方。今回は2025年1月~12月に公開された人気連載『服好きたちの人生のベストバイ3』から、買ってよかった一生の相棒コートをプレイバック。5人のこだわりのコメントをチェックして。
Norwegian Rainのケープコート

「これも、入社してわりとすぐに買ったものです。ノルウェージャンレインは、当時エディフィスでも取り扱いがあったのですが、『レインチョ』というモデルが主で、それもすごく格好よかったのですが、みんなと被りたくなくて」

「それで別の取扱店を探していたところ、神田で着物を取り扱っている店で、和装の上からこのコートを合わせたりしている面白いところがあって。そこで見つけたのが、このケープコートでした。当時の僕にとってはかなり高い買い物で、気合を入れて買ったのもいい思い出です」


「弱撥水性があって、3レイヤーなので風もまったく通さず、わりと暖かいコートです。なによりの特徴は、独特の形。便利か不便かで言ったら、不便なシーンも多いです(笑) でも、なんだかんだ、もう8年くらい毎年のように着続けています」

「シンプルなものは飽きがこない、と思われがちですが、つまらなく感じてしまうこともありますよね。こういう変わった洋服は、流行とは一切関係のない存在だったりする。きっといつまでも飽きないだろうなと思います」

Stone Islandのハーフコート

「好きなものは本当に変わらなくて、中学時代の友達に久しぶりに会ったりすると、『まだそれ好きなの⁉︎』って驚かれたりもします」

「サウスパークもそうですけど、アニメとか映画とか音楽とか、僕はほんとにただのオタクで、正直、洋服よりそういうもののほうが断然好きなんです。でも、そういうものが結び付けられて、アウトプットできるのが洋服でもあって」

「洋服に興味が湧いたのも、最初はカート(・コバーン)の真似っこみたいのから。中3か高1のとき、ボロボロのデニムにモヘアニット着て、髪伸ばして、みたいな。生まれ年にカートが死んでるので、『27歳で僕も死ぬんだ』とかって、イタい時期もありました(笑)」

「ストーンアイランドは、オアシスのリアム(・ギャラガー)が着ているのを見てから、ずっと格好いいなと思っていたブランド。これは、ウールのハーフコートってオトナだなって思って、去年買った90年代後半の古着です」

「普通なんですけど、ボタンとか裏地が凝っていて、素材づかいに定評があるだけあるなって感じます。プリントTとかスウェットなんかをよく着るので、いつも、そういうものの上に羽織るだけ。リアムがやってるブランドのピンズを、さりてなく付けてます」

「去年初めて出張でパリへ行ったときにも着て行きました。寒いって聞いていたので『ダウンがいいかな』と思ったのですが、先輩たちがみんな『パリの街にはコートっしょ』って感じで。結局ダウン着てた先輩もいたんですけどね(笑)。ただ、たしかにパリの街でこういうコートを着るとテンション上がりましたね。まだ日は浅いですが、相棒になりそうです」

BEAUTYu0026YOUTH バイヤー
野口 倫太郎 さん
2016年にユナイテッドアローズに入社。ビューティー&ユースの店舗勤務を経て、25年10月よりバイヤーを務める。
Cristaseyaのウールコート

「クラン アイウエアをはじめる前、一時期、にしのやというアパレルPR会社で働いていました。その頃、あるファッション業界の先輩が着ていて、すごく素敵だったのがこのコート。一昨年の冬に生地違いで発売されて、購入しました」

「いわゆるメルトン生地のロングコートですが、特徴的なのが襟のつくり。ストールが一体になったようなデザインで、そのまま垂らして着てもいいし、マフラーみたいに巻くこともできる」


「ライトなメルトン生地なので、着心地は軽やか、でも2枚の生地が貼り合わせてあるのでちゃんと暖かい。貼り合わせた生地は毛抜き処理されていて、だから肩のラインなんかもすごく綺麗に落ちてくれます。クリスタセヤらしい、上品さがあります」

「中古の軽自動車が買えるくらいの値段なのですが、誤解をおそれずに言うと、高くなかったら買ってなかったかもしれません。知名度とかを抜きにして、本当にこのコートをいいと思って、それだけの対価を払える。そういう買い物に、ロマンを感じるんです」

ENCOMING×EDIFICEのロングコート

「24AWに別注したコート。当時はエディフィスの店舗にいながら、バイヤーについて回って仕入れのサポートやアシスタントみたいなことをやっていました。これは、その頃に携わって、一緒に形にしていったもの」

「バイヤーと遅くまで会議したり、手が擦り切れるほど生地見本を触ったりしながら完成まで携わった初めての別注企画で、人生を変えた1着です」

「つくりながらお客さんの顔も見えていて、20本限定でしたが、しっかり売り切りました。商品は現場で生まれる、と思っていますが、まさにそれを実感しましたね」

「デザイナーの加藤さんとよく話していたのは、昔の画家が、アトリエでの作業のあいまに、玄関に掛けたジャケットをさっと羽織って外に出る感覚がいい、というようなこと。別にジャケットなんて着る必要ないはずなのに、そこにこだわりがある。内側に向けて格好つけるような感覚なのかも。そういう感性が加藤さんと僕らのあいだでシンクロして、このコートで表現できたような気がします」

「それは、さっきの緊張感の話とも通じますね。僕も休みの日はある程度カジュアルな格好をします。でも、子ども抱っこしてスーパーへ行くときに革靴を履いてたりもして。めちゃくちゃアホなことしてるなってわかるんですけど、でも、抜けないんですよね。そうじゃないと、なんか気持ち悪いというか」

「普段のオフィスを見渡しても、エディフィスのスタッフはみんないつもスカーフ巻いてるんですよ。ただデスクワークしているだけなのに。ほかのブランドから明らかに浮いてます。でも、無駄なことやってるそのひとたちが、僕も好きっていうか。なぜか、いいなと思うんですよね」

EDIFICE プレス
内田捺史 さん
1996年生まれ、東京都出身。2019年にベイクルーズ入社。EDIFICE、L’ECHOPPEを経て、現在はEDIFICEでプレスを務める。学生時代から音楽活動を行い、さまざまな音楽やミュージシャンのスタイルが自身のファッションルーツに。また、楽曲制作をおこなったり、ギタリストとしても活躍中。
BLACKBIRDのロングコート

「コートって、好きなんです。ファッションをやりはじめの頃には憧れもあったし、着ると大きい面積が隠れるのがシンプルにかっこいい。『コートを着て歩くのっていいよな』って、いまだに思います」

「でも、これぞってモノにはそうそう出合えなくて、そんななか、このブラックバードのコートは“盛り”抜きに人生で一番買ってよかったコートです」


「まず、ファリエロサルティのツイード生地がめちゃくちゃよくて。品がよくて存在感もあって、クラシックな重みも感じられて。対して、裏地は粗野。そのコントラストが絶妙です。僕はドレス側の人間でもないし、かといって、どストリートなわけでもないですが、そういう自分にはちょうどいい塩梅。すべてが詰め込まれているなって思います」

「そんな、自分にとって究極系みたいなコートで、とても気に入っていますが、これもヴィンテージデニムと同じで、扱いは適当。生地には洗いがかかっているので、飯屋に行ってもぐちゃっと丸めて放っておけるし。いい服だからって神経質になるっていうのは、ダサいじゃないですか」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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