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メンズノンノモデルの中でも屈指の服好き。鈴鹿のスタイルが魅力的に映るのは、今この瞬間着たい服を楽しんでいるから。「今の気分を一番表しているのがファッション」と語る彼の“自分らしいスタイル”はどう確立されたのか。
ハイブランドだって自由に楽しみたい。自分なりのバランスを探って、自然とたどり着いたのがこのMIXスタイル。

よくするスタイルのひとつが、ハイブランドと古着のミックス。背伸びしたくなるハイブランドのアイテムも、気合を入れすぎず自由に楽しみたいと思っていて。力の抜けたバランスで着こなしたいというか、きちんと日常の中に落とし込みたいんです。だからこのトラックジャケットのようなラフなアイテムでハイブランドを取り入れて、古着のショーツを合わせるっていうのはまさに僕の好きなバランス。ミュウミュウは、リラックス感がありながらもきれいなシルエットを出してくれる素材の使い方が好き。つい最近もコットンポロシャツを購入しました。
品のよさと遊び心が共存するアイテムが好き。着こなしも自由に。

メゾン マルジェラの洋服は、長年着古したようなシワや、日に焼けて色褪せたような加工の中に、品のよさと遊び心を感じられるのが好き。このコートもクラシカルに見えて、実はヘリンボーン柄がプリントがされているんですよ! アイテム自体がおもしろいからこそ、着こなしも遊び心を忘れずにいたい。オレンジ色が鮮やかな古着のスポーツシャツを合わせることで、コートの上品さとスポーツシャツのキャッチーさの両方が際立つ。こんな着こなしのバランスを自分で見つけられたら最高ですね。他のブランドも含め、ハイブランドの洋服からはそれぞれの個性を感じられるのが魅力だと思っていて。素材やデザインだけでなく、裏地のステッチの色やボタンの形など、小さなところまでこだわりが詰まってるのが好きなんです。
ジュエリーはパートナーのような存在。そのときの気持ちや思い出を残しておけるから。

映像作品の始まりや終わりなど、自分の中の区切りのタイミングでジュエリーを買うことが多いですね。このスタイリングでもつけている『サントス ドゥ カルティエ』は、月9ドラマ『嘘解きレトリック』の撮影が始まるタイミングで購入。ジュエリーは一生ものだから、この先もずっと、そのときの自分の気持ちや記憶を残してくれるような気がして。僕にとってパートナーのような存在です。ジュエリーはサラッと何げなくつけるのが美学。あえてワークアイテムに合わせるのも新鮮でかわいいですね! それから、カーディガンも大好きなアイテムのひとつ。数年前から集めていて、ゆるっとはおれるような丸っこいシルエットや、おじいちゃん感のあるレトロなデザインのものを見つけるとつい買っちゃいます。
ワイドパンツは自分らしい要素のひとつ。高校時代の苦い思い出が、今のファッションにつながってます(笑)。


ワイドパンツは自分らしさを構成する要素のひとつともいえるもの。パンツはほぼワイドシルエットのものしかはかないです。それも、手のひらを広げたサイズよりも裾口が大きいものがいいというマイルール付き(笑)。高校生のときにスキニーパンツが流行っていたのですが、いざはいてみたら脚が細すぎて、黒い棒が生えているみたいになっちゃって“なんか違うな”と。それが少しコンプレックスで、太いパンツばかりはくようになりました。そんな学生時代の苦い思い出が生きて今となっては大切なこだわりに(笑)。少し前まではトップスも大きいシルエットが好きだったのですが、最近は短丈にハマり始めました! トップスはすっきりしたシルエットのほうが、ワイドパンツのシルエットや素材感を際立たせてくれる気がします。
目からも耳からも、大好きな音楽の影響を受けています。

好きな音楽が生まれた年代のファッションや、アーティストのライブでのスタイリングをマネすることもしばしば。以前『The 1975』がスーツを着てフェスに出ている映像を見たのですが、そのカッコよさには衝撃を受けましたね。朝起きて好きな音楽をかけながらクローゼットの前に立って、そのテンション感で服を決めることもあります。目からも耳からも音楽の影響はたくさん受けていて、最近はCouchの『Autumn』やThe Doobie Brothersの曲など、少し黄昏れたムードの音楽にハマってます。日本に絞ると『はっぴいえんど』や山下達郎さん、佐藤博さんを中心とする70年代の音楽が好きです。アーティストそれぞれにスタイルがあるのがカッコよくて! 今日、スタイリストさんが『昔のスタイルをその年代の古着で再現するのではなく、今のブランド、今のスタイルで再構築するのがファッションのおもしろさ』とおっしゃっていたのですが、このスタイリングはまさに70年代らしい渋いムードながら、どこか今っぽい雰囲気があるのがいいですね。
好きなカルチャーやアイテムを取り込みながらも、自分らしく着たい。

N.Y.発のBODEは今気になるブランドのひとつ。ヴィンテージの素材を使ってハンドメイドで洋服を作っているブランドなのですが、刺繍やパッチワークなど、あたたかみのあるデザインがすてきなんです。ちなみに、先月号の『トラベルメモワール in ブダペスト』で着ている私服のシャツもBODEのアイテムなんですよ! このロンTは、1940年代のバスケットボールジャージのデザインを再現しているそう。僕自身は好きなカルチャーやアイテムを取り込みながらも“自分らしく着ること”を大事にしていて。昔の素材やデザインを今の時代に落とし込んだBODEの服に魅力を感じるのは、どこか共通する価値観があるからかもしれません。
Photos:Nico Perez Hair&Make-up:kika Stylist:So Matsukawa Model:Ouji Suzuka[MEN’S NON-NO model]
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