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服好きたちの人生のベストバイに迫る人気連載から、今回は愛用革靴をピックアップ。オールデンやジェイエムウエストンといった最高峰の老舗ブランドで買ってよかった何十年も履きたくなる名品レザーシューズとは?
1.ジェイエムウエストンの愛用革靴
「ユージーンゴルフ」

「基本的にはスニーカー派でも、『いい靴が欲しいな』ってときがあって。とくに、仕事で革靴をリースして回ったり、スタイリングで使ったりしていると、やっぱり徐々に興味が出てくるんですよね」


「最初に買ってみたのは、オールデンのタンカーブーツ。でも、アメリカン過ぎる感じが合わなくて、全然履かなかったんです。そのあとに買ったのがこのウエストンで、定番の『ゴルフ』をもう少しぽってりさせたような、進化系。これなら履くかも、と思って」


「ウエストンって、馴染むまでに時間がかかるイメージがありますが、これは履きはじめから痛くなかった。ジョンロブなんかと比べると、背伸びしてない感じもあって、カジュアルにも合わせやすいところも気に入りました」
2.ジェイエムウエストンの愛用革靴
ハーフハント

「これは『ハーフハント』というモデル。定番の『ゴルフ』より形はシャープで、でも同じようにラバーソールなので、多少の雨も平気。ウエストンのなかでもマイナーな存在だと思うし、正直、自分ではあまり選ばない形です。カラーリングも、同じく、自分にしては珍しいチョイス。でも、『選ばない』×2なのがよかったのか、むしろすごく気に入っています」

「入社してドレス部門に配属されたのも、革靴が好きだったからなんです。洋服のなかでモノとしても一番好きで、手放したり、買い足したりしながら、いまトータルで15足は持っていますね。ウエストンだけでも4、5足あります」

「革靴は、高校生の頃、父の靴箱から拝借して履いたのが最初だったと思います。父は、音楽なんかもイギリスのものが好きで、その影響で、当時から英国への憧れがありました。あと、映画で言うなら『ハリーポッター』とか『007』とか、好きなキャラクターの足元はいつも革靴。ちなみにスリザリン派です。パンクとかじゃない、“おぼっちゃま感に秘めた不良性”が格好よくて」

「そこから派生してフランスにも興味を持って、ウエストンも好きになったんだと思います。若い頃から趣味がオジサン臭かった、ってだけなんですけどね(笑)」
3.オールデン×BEAMS PLUSの
愛用革靴「マンソンオックスフォード」

「ビームスには2019年にアルバイト入社しました。前職は金融系だったので、まったく違う業界からの転職でした。その頃は、普通に働いて、普通に稼いで、普通に家族ができて……って、将来もなんとなく見えてきていて、それがなんとなく面白くなかったんです。一回やりたいことやってみようかなって」

「やっぱり、好きなことを仕事にするのが一番幸せだろうな、とも感じていて、そんなとき、『努力は夢中に勝てない』っていううちの(社長の)設楽の言葉を見かけたんです。そこで、自分のなかで結構バチっと繋がったというか。いまでも、転職して本当によかったなと思ってます」

「このオールデンは、そうして入社してすぐくらいに買ったもの。ビームス プラス別注の『マンソンオックスフォード』ですね。当時先輩が履いていて、それがめっちゃ格好良かった」

「それこそ前職時代はスーツなので、『もうスーツは着たくない。革靴もイヤだ』と思っていたくらいなんです。でも、“制服の一部”みたいな感覚で、とくにこだわりを持たずに革靴を履いていたその頃と比べて、とくにカジュアルの世界にいると、革靴はむしろ“あえて”選ぶもので。着こなしの細かいところにこだわりを注ぐことの大事さにも、改めて気づきました」

「びっくりしたのは、マジで靴擦れしなかったこと。ミリタリーラストと僕の足の相性もあると思うんですけど、とにかく感動しましたね。これから何十年も履いていける靴だと思います」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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