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ライダースを“ゴリゴリに見せず”マイルドに着るには。ルイスレザーズ、バブアー、パタゴニアも充実!【プロが推す東京の古着屋㊲DESERT SNOW(デザートスノー町田本店)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に引き続き、本記事ではスタイリスト千野潤也さんがデザートスノー町田本店を案内する。

町田 DESERT SNOW
(デザートスノー町田本店)

デザートスノー町田本店は、全国に20店舗を展開するデザートスノーの1号店として1998年にオープン。スタイリストの千野さんは、3年ほど前から気分転換を兼ねて町田で古着屋巡りをするようになり、中でもデザートスノー町田本店がお気に入りだ。

今回のお店を訪ねたのは...

スタイリスト千野さんプロフィール

スタイリスト

千野潤也 さん

東京都出身。高校卒業後に渡英し、セントラル・セント・マーチンズのファンデーション・コースに在籍。帰国後にエスモード・東京校で服づくりを学び、友人とブランドを立ち上げるが、スタイリストに興味を抱き方向転換。5年半アシスタント期間を経て、2018年に独立。ファッションを中心に広告、ミュージックビデオなど幅広い分野でスタイリングを手がける。新品を育てる楽しさも、浪漫が宿る古着を着ることも、両方大切にしている。

     

【お店の注目ポイント】
探しているアイテムをスタッフに
尋ねると次々出てくる!

デザートスノー町田本店は、小田急線町田駅北口から徒歩2分ほどのビルの2階、1階のファミリーマートが目印だ。階段を上がるとオランダ国旗の“OPEN”と立て看板がお出迎え。営業中は入口のドアが開いている。


仕事が早く終わった日にドライブがてら町田へ足を運び、古着屋巡りをするのが千野さんの楽しみ。その締めとして必ず立ち寄るのがデザートスノー町田本店だ。「下北沢のデザートスノーよりヴィンテージが豊富で、年代が古いものでも買いやすい値段で見つかるんですよね」(千野)。

千野さんは今年1月に購入したルイスレザーズのサイクロンを“育てている”真っ最中。そして「ハードな革ジャンをいかに“ゴリゴリに見せずに着るか”が、最近のテーマなんです」ということで、この日もサイクロンに品のいいマッキントッシュのコートを重ねたスタイルで登場した。

左から右奥へと見ていくのが正解

千野さんは「デザートスノー町田本店は、入って左側に買いやすいレギュラー古着が多く、右奥に行くほどヴィンテージ度が上がるので、まずは左からまわるのがおすすすめです。いきなり右奥から見ると “無理かも?”となります (笑)」とアドバイスしてくれた。


この日は、2年前まで町田本店の店長を務め、現在は店舗マネジメントを担当する田中琢麻さんが応対してくれた。千野さんはさっそくスタプレが並ぶコーナーからパンツを1本手に取る。「これはラングラーのランチャーですね。2900円、安い!」(千野)と感動。「いわゆるポリパンですが、ラクに穿けるのに大人っぽく見えるので人気です」と田中さんが応える。

店内はアイテムごとに整然と陳列され、比較もしやすい。ベストのラックでは、パタゴニアのフィッシングベストを目ざとく見つける。「去年から渓流釣りを始めたので、こういうのについ目が行くんですよね。最初はギアっぽいものを選ぶけれど、だんだんフィルソンとかのヴィンテージが欲しくなってきて...」と、つぶさにチェック。

ちなみにデザートスノー町田本店はパタゴニアにも力を入れており、このフィッシングベストのように現行にはないモデルの人気が高いという。


カウンターの棚の上にも気になるものが

続いて千野さんが向かったのはキャッシャーのあるカウンター。「ここにいつもミリタリーのブランケットが置いてあって、車用のブランケットはここで調達しています。今はカーキを使っていますが、ホワイトもあるんですね」(千野)「医療系は白ベースが多いです」(田中)「白も男っぽくなりすぎなくていいね。(値段を見て)19,000円。40年代だから19万かと思ったけど(笑)、リーズナブルでした」(千野)。

ここで千野さんは田中さんに「おすすめはありますか?」と逆取材。すると田中さんは「僕がいいなと思うのはディズニーのキャラクターTシャツです。ミッキー・マウスはもちろん、数が少ないドナルド・ダックもあります。ベタなところだと、白足のミッキーとか...」とヴィンテージTを取り出す。


現在のミッキーは黄色い靴だが、70年代頃までは白い靴を履いていた。そこがヴィンテージのポイントになっている。「レザーベストやライダースなどのインナーにもおすすめです」と田中さんが言うと「革をどうやって中和するか考えていたところなので、こういうことですね?」と千野さんもピンときた様子。90年代の渋カジで“ライダース×ミッキーT”が流行した理由が腑に落ちた瞬間だった。

探していたインターナショナルを試着

店に入る前、千野さんは「もしあれば、ルイスレザーズにバブアーのインターナショナルやベルスタッフのトラアルマスターのようなベルテッドジャケットを合わせたい」と話していた。田中さんに尋ねると「ありますよ」とサイズ42のインターナショナルを出してくれた。

サイクロンの上から羽織るとサイズもジャスト。ベルスタッフはなかったものの、「お買い上げ候補に入れていいですか?」とキープ(このあたりの濃い会話はぜひ動画で!)。


この後は右奥のミリタリーゾーンへ。「ツナギも下北沢ではほとんど見ませんが、こういうのいいですね」(千野)と一着取り出して体に当てる。「町田はミリタリーが好きな方が多く、ツナギは人気なので切らさないようにしています」(田中)。町田本店は創業時からの常連も多く、20代の若者だけでなく、40~50代の古着ファンにも喜んでもらえる商品構成になっている。

ヴィンテージコーナーでニットを掘る

ミリタリーだけでなく、レザージャケットも町田本店の強み。ヴィンテージコーナーの壁にはルイスレザーズの名品がずらり。「これはポール・マッカートニーが着ていたブロンクスで、こっちはパデッドのライトニング...?」と千野さんもしばし見入る。

「そのあたりはだいたい1970年代のものですね。革ジャンは1年中置いています。レザーとワークはユーロ系も多めにピックしています」と田中さんが解説してくれた。


ヴィンテージコーナーでは、50’sやアイビーのアイテムとしてもおなじみのレタードカーディガンに目が留まる。「ミリタリーのコーナーにあるせいか、骨太なカーディガンですね」(千野)と試着してみる。「肉厚だからガタイのいい僕が着ても体のラインを拾わず、いかつく見えませんよね。配色もかわいい」と大満足。

「トラッド文脈ではなく、骨太文脈で着るならありですね。これも欲しいモノリストに...」と田中さんに手渡すと「ライダースの上に羽織るならちょうどいい大きめサイズのショールカーディガンがありますよ」と棚の上からおすすめを取り出してくれた。

「せっかくだからサイクロンの上に羽織ってみます」(千野)と羽織ってみると、見事にマッチ。「襟横のダメージから中のレザーが見えるのもいいね」(千野)「めっちゃわかります」(田中)「古着屋さんの中にはコワイ店もあるけれど、これを着て行ったら玄人感が出て急に距離が縮まりそう(笑)」(千野)。

すっかり打ち解けたふたり。「僕、人見知りで町田本店のスタッフさんと話したことがなかったんですが、こんなにあたたかいんですね」とひとしきり感心した千野さんだった。

スタイリスト千野さんが
「デザートスノー町田本店」で
選んだ古着5選

アメカジの王道ヴィンテージが強みの町田本店だが、千野さんはデザートスノーらしい“買いやすい価格”の古着にも注目。ヴィンテージとレギュラーの両軸からおすすめを選んでくれた。


1_バブアーのインターナショナル

94年製 バブアーのインターナショナルスーツジャケット¥59,000
94年製 バブアーのインターナショナルスーツジャケット¥59,000

バブアーがバイク用アウターとして発売したワックスドクロスのベルト付きジャケット。「レザーを中和するアイテムとして注目していた4ポケットのジャケットです。ベルトを締めてライダースの上に合わせたいと思っていた一着。実際に着てみて相性のよさに感動しました」(千野)。

バブアーといえばビデイルのようなオリーブグリーンが定番だが、インターナショナルはブラックという点でも人気が高い。古着ではベルト欠損が多い中、ベルト付きの完品は希少だ。

襟元のコーデュロイ、裏地のチェック柄などバブアーらしいデザイン。正式名称は「インターナショナルスーツ」で、もともとはスーツとして考案された。ジャケットは1947年に誕生。1964年の耐久レース「ISDT(インターナショナル シックス デイズ ドライアル)」で俳優スティーブ・マックイーンが着用したことも、大人世代の憧れにつながっている。


2_ラングラーのランチャー

90’s ラングラーのランチャー¥2,900

カーボーイの“ドレスアップ用”として登場した、センタープリーツ入りのポリエステルパンツ。「これはサイズが大きめということで破格ですが、町田本店は都心の店舗よりも全体的に価格設定が低いんです。誰が穿いても決まるパンツだから、古着初心者におすすめしたい」(千野)。

3_カスタムライダースジャケット

80’s~90’s ハイウェイ1のフリンジライダースジャケット¥19,000

ペイントやワッペンでカスタムされたユーロ系ブランドのライダースジャケット。フリンジ仕様で、ロックミュージシャンを思わせるデザインだ。「古着ならではの“出会い系”の一点。いろいろな人の手が入ったカスタムものは衝動買いしてしまうことも多く、このライダースにもそんな魅力があります」(千野)


4_ショールカラーカーディガン

60’sショールカラーカーディガン¥21,000

ざっくり編まれたショールカラーのカーディガンは、オフホワイト×レッドの配色が印象的。「胸のメイプルリーフのワッペンも味があるし、ところどころダメージが入っていてほっこりしすぎないのもポイント。ざっくりした質感で、革ジャンの上から羽織れるサイズが最高です。穴から中に着たものが見えるので、スタイリングを考えるのも楽しい」(千野)。

カーリングのモチーフ入りのタグも秀逸。WINNIPEG(ウィニペグ)とある通りカナダのニットブランド「Kurl King」のもの。NON-SAG仕様で肩やアームホールが伸びにくいつくりになっている。


5_アメリカ軍のブランケット

1944年製 アメリカ軍医療用ブランケット¥19,000

ベッドカバーサイズの大判ブランケットは、タグにMedical(医療用)の文字が。「ウールで大判でしっかりしていて、本当に便利なんです。白の存在は知っていたけれど、実物を見たのは初めてで欲しくなりました。車中はもちろん、靴を磨くときにも下に敷いてたり。ガシガシ使えるミリタリーブランケットは重宝します」(千野)。


【古着でコーディネート】
レザージャケットをショール
カーディガンでマイルドに着こなす

インターナショナルジャケットとショールカーディガンで揺れた千野さんだが、今日一番の出会いとなったカーディガンを主役に決定。冒頭で掲げた「ハードな革ジャンをいかに“ゴリゴリに見せず”着るか」への答えとなるコーディネートが完成した。

60’s ショールカラーカーディガン¥21,000・80’s TTレザーのライダースジャケット¥19,000・2011年製 USトレーニングパンツ¥4,900

「革ジャンをバイカー的なハードイメージではない方向で着たい考えていたときに、このローゲージのショールカーディガンに出会いました。サイズが大きめなので、カバーオール感覚でライダースに羽織るのがいいと思い、このスタイリングに決めました。インナーはイギリス製のライダースジャケットですが、ボトムはアメリカ軍の化繊トレーニングパンツでメリハリを付けています」(千野)

古着を着るときは“クリーンに見えること”を意識しているという千野さん。この日履いてきたチャーチのサイドゴアブーツを活かし、全体をきれいめにまとめた。私物の韓国ブランドのキャップがモダンなアクセントとしてきいている。


「中に着たライダースジャケットは肩や肘にキルティングパッドが施されたレーシング仕様。ディテールに英国ブランドらしさがあって、すごくいい」(千野)。ルイスレザーズで英国ライダースの動きやすさを知って以来、すっかり虜になっているようだ。

 

【動画公開中】
人見知りの千野さんが神接客の
田中さんと古着を通して盛り上がる!

チャレンジ精神が旺盛でありながら、自分の軸をしっかり持つ千野さん。実は人見知りで、古着店でスタッフと話すことはほとんどなかったという。店長経験もある田中さんの“神接客”に心を開き、結果的にはすすめられたカーディガンをお買い上げ。古着好きふたりの知識がダダ漏れする動画は、見終えた後“古着通になった気分”が味わえるはず!

SHOP DATA

住所:東京都町田市森野1-19-16小森ビル2F
TEL:042-727-3660
営業時間:12:00〜20:00 無休
Instagram:https://www.instagram.com/desertsnow1st


デザートスノーのロゴ

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「デザイナーINTERVIEW」や「僕らの永久定番ファイル」などファッションテーマを幅広く執筆。

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