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パンチがあるのに、どこか“侘び寂び”のある古着とは!? ひと味違うセレクトに共感【プロが推す東京の古着屋㊱per_aah(ペルアア)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に引き続き、本記事ではスタイリスト大澤響生さんが三軒茶屋のペルアアを案内する。

三軒茶屋 per_aah(ペルアア)

ペルアアは2018年6月、三軒茶屋にオープンしたメンズとレディースを扱う古着店。スタイリストの大澤さんは5年ほど前、友人といっしょに訪れたことをきっかけに、オーナー野田将太さんと親交を深めた。

今回のお店を訪ねたのは...

スタイリスト/アートディレクター 大澤響生さん

スタイリスト/アートディレクター

大澤響生 さん

東京都出身。義母の影響でスタイリストという仕事に惹かれ、アシスタントを2年経験して2020年に独立。広告やミュージックビデオなどを中心にスタイリング、アートディレクションを手がける。身長187cmと大柄ゆえ、古着・新品を問わずサイズが合って気に入った服は迷わず購入し、そのアイテムに自身のスタイルを寄せていくというユニークな視点の持ち主。

     

【お店の注目ポイント】
王道ではなくエッジのきいた
主役になるヴィンテージが見つかる

古着屋ペルアアの店頭に置いてあるマネキン。

三軒茶屋駅から向かうと代沢十字路のすぐ手前。per_aahと店名が書かれた2体の白いトルソーが目印だ。通路を入ってドアを開けると、左奥に大部屋、右手の茶沢通り側に小部屋と、2つの空間に分かれた店内が広がる。大澤さんは普段からペルアアのインスタをチェックしつつ、定期的に足を運んでいる。


オーナーの野田さん

オーナーの野田さん(上写真)とはロングヘア同士(大澤さんも野田さん並みのロングヘアだった)で、「ひと癖あるモノが好き」という点でも意気投合。「ペルアアは1950~70年代のヴィンテージが多いんですが、エッジのきいたデザインが見つかるのが魅力です」と大澤さん。いつもレジ前のラックから見ていくのがルーティーンだとか。

青いニットを手に取る大澤さん

さっそくモヘアのVネックニットを手に取り、「今日もブルーの古着ニットを着ているように、ブルーが大好きです」と言いながら「モヘアでVネックって見ませんよね?」と、ディテールを確認。「僕は大柄なので、サイズが合う好みの服を見つけたら絶対買います。特に古着は一点モノだから、チャンスを逃さないようにしたいですね」(大澤)。

回遊する中で大澤さんが素朴な疑問を野田さんに投げる。「ペルアアのラックはアイテム別とか色別になっていませんが、どういう視点で分けているんですか?」(大澤)「店全体を見てほしいから、洋服は雰囲気とか年代で分けて、小物はアイテム別にして各所に分散しています」(野田)。


レザーは出会ったら「買い」

黒いレザージャケット

会話の途中、目に留まったのが旬のレザージャケット。「レザーは付き合いが長くなるアイテムだからこそ、出会ったら『買い』です。新品だとなじむまでに時間がかかりますが、古着はすでに革がやわらかくなっているので、最初から体になじむのがいいですよね」(大澤)。

レザージャケットを試着している大澤さん。

今までオーバーサイズを着ることが多かった大澤さんだが、「最近はモードシーンでもスリム回帰が始まっているから、春に向けて意識的にスリムシルエットを取り入れたい」と入店前に語っていたこともあり、「小さめかも?」と思ったレザージャケットを試着。

「革の質感がやわらかくて、すごくいいですね。ニットがオーバーサイズで少し窮屈に見えますが、ジャストで着るのもありだと思う...」と体を動かしながらフィット感を確かめる。


“派手アイテム”に惹かれる

蝶があしらわれたパンツを手に持つ大澤さん

続いて壁際のラックから蝶や花が全体にあしらわれた斬新なカーゴパンツをピックアップ。「90年代のユーロ古着です。穿くとシルエットがきれいなんですよね」(野田)「だいぶチャレンジングな一点ですね! 僕もヒョウ柄とかは好きなんですが...」(大澤)。

「このあたりは派手ゾーン」と野田さんが説明してくれたラックをさらに掘ると、スネーク柄の合皮パンツも発見。「パイソン柄もピンクのパンツを持ってます(笑)」(大澤)「おー、ヒョウ柄だけじゃない(笑)」(野田)と、息の合ったやり取りが続く。大澤さんの“実は派手好き”な一面が垣間見えた。

布切れに覆われた パーカを試着した大澤さん

リーバイス®のジーンズなどが並ぶ「デニムゾーン」をサラッと見つつ、「メンズとレディースが混ざっているゾーン」にたどり着くと、大澤さんはまたしてもチャレンジングな一着を手に取る。「ギリーパーカですね」と野田さん。ギリーパーカとは森林などで環境に溶け込むための特殊なカモフラージュ服で、紐や布切れで覆われた立体的な素材使いが特徴。

「けっこう好みです。自分ならレザーパンツとかに合わせて、インナーは色を入れてテンションを上げつつ、今日履いているビルケンシュトック1774のトープのスエードシューズでまとめますね」(大澤)と、試着しながらコーディネートのイメージを語ってくれた。


“MYサイズ”のデニムジャケットに遭遇

ジャケットを手に取る大澤さん

同じゾーンにあったデニムのジップジャケットを野田さんがすすめる。「あ、これかわいいですね。デニムでこのグリーンがかったブラックで、しかも僕が着られそうなサイズ!」(大澤)。

デニムジャケットを試着した大澤さん。似合っている。

試着するとサイズもぴったり。「胸のハの字型のファスナーポケットも好きです。フェードした感じに白ステッチのバランスもいい。春先にこんなデニムジャケットがあったら、便利ですよね」とフロントのファスナーを開けたり閉じたり、また袖を折ったりして細かくチェック。「これは買うかも?」(大澤)。


オレンジのニットを手に取る大澤さん

「どんなコーディネートで着ますか?」と尋ねると。「少しクセのあるアイテムは奇をてらわないほうがいいと思います。インナーにはグリーン系と相性のいいオレンジのニットを入れて(とラックから取り出して合わせる)...間違いないですよね」と。着こなし解説をしてくれた。

ペルアアらしいアイテムにも注目

オーナーと話す大澤さん

入口ドア前の棚から「これが気になります」とユーズド感のあるキャップを手に取る。「これは古着じゃないんです。僕もかぶっていますが、IMPFという偶然にも先輩のブランドで、縁あって取り扱わせてもらっています」(野田)。試してみるとロングヘアの大澤さんによく似合った。


パープルのパーカを手に取り悩む大澤さん

その隣のラックは「入ってすぐ目に入るので、キャッチーなものを並べています」と野田さん。中からパープル系のマウンテンパーカをピックアップして「シンプルだけどオーバーサイズすぎず、ジャストより少し大きめのサイズでとどめているところがいいですね」と大澤さん。野田さんが買い付けの際にこだわる “最適解サイズ”が伝わってくる。

コーデュロイのジャケットを試着する大澤さん

最後は茶沢通りに面した小部屋コーナー。ラックにはレザーなどのアウター類、テーブルにはスウェットやニットが並んでいる。「商品の入れ替え時期に差し掛かっていることもあって、今はアウター類をこちらにまとめています」(野田)。

野田さんが好きな1970年代ムードのアイテムも目立つ。大澤さんは目ざとくコーデュロイのジャケットを見つけた。フラップ付きの4ポケットがカントリーなムード。「70年代でこのサイズ(大きめ)はあまり見ませんね」と気に入った様子で試着するも、「やっぱりこの年代は腕の付け根のところが細い...」と残念そうだった。

スタイリスト大澤さんが
「ペルアア」で選んだ古着5選

商品数が充実した店内をくまなく見た大澤さん。回遊中に手に取ったアイテムのほかにも“派手好き”な感性に響く「ひと癖」アイテムをピックアップしてくれた。


1_デニムジップジャケット

80’sデニムジップジャケット¥16,500
80’sデニムジップジャケット¥16,500

ブラックデニムながらグリーンがかった珍しい色みのジップジャケットはユーロ古着。「着丈も長めでカバーオール風ですが、フロントやポケットがジップというのが今っぽい。胸のファスナーのあしらいやホワイトステッチなど、ディテールはありつつやりすぎていないのが好印象。何より、自分のサイズに出会えたのがうれしいです」(大澤)

2_フード切り替えサーマルプルオーバー

90’sフード切り替えサーマルプルオーバー¥10,450
90’sフード切り替えサーマルプルオーバー¥10,450

サーマルのボディにスウェットのフードが付いたプルオーバー。「サーマルのカットソーも好きなアイテム。こういう切り替えのサーマルは探すと意外にないんですよ。個人的に“なかなか見つからない”と思っているものがピンポイントであるのも、ペルアアの魅力」(大澤)


3_デザインプルオーバー

80’s デザインプルオーバー¥9,900
80’s デザインプルオーバー¥9,900

襟、裾、手首がボーダーニットの切り替えになったプルオーバー。「切り替えデザインはもちろん、グリーンの色みや配色も最高。ドロップショルダーで身幅も大きすぎず、ボトムに何を合わせてもOKなバランス。レア度もありつつクリーンという、おしゃれ感度が上がる一着だと思います」(大澤)

4_スタッズカスタムディッキーズ874

80’s~90’sカスタムディッキーズパンツ¥9,900

ポケット部分だけスタッズでカスタムされたディッキーズ874。「これは回遊中に見つけて上がりました。フロントポケットだけスタッズでカスタムされています。こういうカスタムって、ついやりすぎちゃうんですが、これは“侘び寂び”をわかっている人の仕事だなと思いました」(大澤)


80’s~90’sカスタムディッキーズパンツ。ポケットにスタッズがあしらわれている

ディッキーズの王道定番ワークパンツ「874」のフロントポケット部分に、幾何学的に配されたスタッズ。ジュエルスタッズや楕円形スタッズをミックスした、センスの光るカスタムだ。

5_ランチジャケット

60’s~70’s Sir Jacのランチジャケット¥20,900
60’s~70’s Sir Jacのランチジャケット¥20,900

ランチジャケットはボア仕様が特徴のカウボーイの防寒ジャケット。「デニムやスエードが正統派ではありますが、このチェック柄とボアの生地感が気持ちよくて。難易度が高そうに見えてトラッドなムードもあるから、スラックスを合わせつつキャップや眼鏡でハズしてコーディネートしたいですね」(大澤)

古着界隈ではヴィンテージジャケットで知られるアメリカのブランド、Sir Jac(サー ジャック)のアイテムという点も注目。


【古着でコーディネート】
デニム×グランジキャップに
色をきかせて春スタイルに

野田さんにすすめられて「買うかも」というほど気に入ったデニムジャケット。回遊中に解説してくれたとおり、「間違いない」組み合わせで魅せてくれた。


自ら組んだコーディネートを披露する大澤さん

「ブラックデニムで着丈は長め、グリーンがかった色やジッパーのデザインと、自分の”好き”が詰まったドンピシャな一着です。私服のアシックス ノバリスのブラックパンツとビルケンシュトック1774のシューズともマッチしたので、ボトムは私服のまま、インナーにグリーン系と相性のいいピンクのシャツを合わせました。仕上げにフェード感のあるキャップをかぶって、こなれた雰囲気を添えています」(大澤)。

ピンクのシャツを着用した大澤さん

ピンクのシャツは光沢のあるシルク素材。古着ならではのシワが活きてカジュアルに合わせやすい。「カラーアイテムが好きということもありますが、春はやっぱりきれいな色を差して、カラーリングでも軽やかな気分を表現したいですね」(大澤)。

取材を終えて

久しぶりにペルアアを訪れた大澤さんだが、波長が合う野田さんとのコミュニケーションを存分に楽しんだ。「やっぱりペルアアはUSのヴィンテージをそろえつつ、パンチはあるけれどやりすぎない“侘び寂び”をわかったセレクトが魅力だなと再確認しました」(大澤)。毎週30着以上のアイテムが入荷する充実の商品数はもちろん、今後は内装を変える計画もあるとのことで、目が離せない。ひと味違う古着が欲しいなら、ペルアアは必見。

 

【動画公開中】
話好きな大澤さんと静かながらも
“熱い”野田さんとの掛け合いにハマる!

今回MEN’S NON-NO WEBに初登場の大澤さん。この日の私服とは違う、派手好きな一面が回遊中に炸裂。自分のファッション観を挟みつつ、アイテム解説やコーディネート提案をしてくれた。穏やかながら、絶妙なタイミングで合いの手を入れてくれる野田さんの心地よい接客も伝わるはず。ペルアアの魅力がわかる動画は要チェック!


SHOP DATA

住所:東京都世田谷区太子堂3-25-6-1F
営業時間:16:00~22:00(土日15:00~)
定休日:金曜日
Instagram:https://www.instagram.com/per_aah/

プロの推す古着屋 ペルアアのプレート

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「デザイナーINTERVIEW」や「僕らの永久定番ファイル」などファッションテーマを幅広く執筆。

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