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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。今回はスタイリスト泉 敦夫さんが、恵比寿の住宅街にある新鋭の古着店をナビゲート。そこは意外にも、ヨーロッパのデザイナーズブランドやテーラリングアイテムが並ぶ、これまでの泉さんのテイストとは180度違う店だった!
恵比寿 Memory Memento
Remembrance
(メモリーメメント
リメンバランス)
今回のお店を訪ねたのは…
- 恵比寿 Memory Memento Remembrance(メモリーメメントリメンバランス)
- 今回のお店を訪ねたのは…
- 【どんな店?】オーナーが偏愛するブランドとアイテムだけを少数精鋭
- 古着のトレンドからあぶれるものを拾う
- 面白ければ国籍や新旧を問わずセレクト
- 【スタッフはどんな人?】こわもてながら実はやさしいファッションを愛する32歳
- 恵比寿 Memory Memento Remembrance(メモリーメメントリメンバランス)のおすすめ古着5選
- 1_フレンチレザーコート
- 2_オックスボウのジャケット
- 3_ピエール・カルダンのニットブルゾン
- 4_ケンゾー オムのパンツ
- 5_ヴィンテージコンビシューズ
- SHOP DATA
【どんな店?】
オーナーが偏愛するブランドと
アイテムだけを少数精鋭

メモリーメメントリメンバランスは恵比寿駅を出て広尾方面に向かい、徒歩10分圏内。明治通りから少し入った住宅街に、昨年5月にオープンした。オーナーの黒沼悠太さんは、なんとスタイリスト泉さんの文化服装学院時代の同級生(年齢は異なるが)。

ファッション業界で10年働き、転職を考えていたときにフランスのサーフブランド、オックスボウ(OXBOW)のコレクターと出会ったことで運命が大きく動いた。3年前にオンラインショップとして「メモリーメメントリメンバランス」を立ち上げ、古着の販売をスタート。

2023年からは富ヶ谷のレンタルスペースで月に5日間だけポップアップを開催するようになり、対面での販売に楽しさを覚え出店することを決めた。恵比寿の裏通りを選んだのは、「商業エリアではありながらも、少し離れた静かな場所で、ゆっくりと話ができる店舗」にしたかったから。
古着のトレンドからあぶれるものを拾う

そして渋谷、代官山、恵比寿といった“主要なエリアに属さない”立地は、どのジャンルにもハマらない「メモリーメメントリメンバランス」のコンセプトにも通じている。「古着の大きなトレンドからあぶれてしまうブランド、カルチャー、スタイルに的を絞って紹介していきたい」というのがオーナー・黒沼さんの思いだ。

7坪(約23㎡)の店内に並ぶのは、主にヨーロッパのメンズ古着。ピエール・カルダン、ケンゾー オム、レノマなど、60~80年代にモードを牽引したデザイナーズ、オールドイングランド、マルセルラサンスなどフレンチアイビーを代表したセレクトショップのものを中心に、90年代から2000年代のプラダ、ドルチェ&ガッバーナのようなコンテンポラリーなモードも取り上げる。

古着店を始めるきっかけにもなったオックスボウは、店の中央にコーナーを設けてクローズアップ。この日はネルシャツやフリースジャケットのほか、シグニチャーアイテムでもあるネイティブ柄のニットが台の上に並び、ひと際目を引いた。手に取りたいと思わせるものばかりだ。
面白ければ国籍や新旧を問わずセレクト

店の奥にはシェルフが置かれ、バッグやシューズなどの小物と、ビーズのヴィンテージアクセサリーをケースに収めてディスプレイ。黒沼さんが資料にしている書籍や雑誌も下段に混在している。ちなみに、隣のカーテンの奥には試着室が。

シェルフをよく見ると、シンプルなレザースニーカーやペイズリーのシャドウパターンのシャツなど、洗練されたセレクトが随所に光る。

象牙のようなアクセサリーは、南アフリカのケープタウンを拠点にするデザイナー、ジェルダ・グーセン(Gerda Goosen)さんによる新作ジュエリー。象牙に似せたヴィーガンアイボリーを独自に開発して、ハンドメイドで製作している。プリミティブでありながらコンテンポラリーな感性が融合された作品は、近年、モードシーンでも注目されている。
「面白ければ国籍を問わず、また新作、古着を問わず取り上げていきたい」と意気込みを語る黒沼さんらしいセレクトだ。今後は新作のラインナップも広がっていく予定。
【スタッフはどんな人?】
こわもてながら実はやさしい
ファッションを愛する32歳

黒沼さんは東京出身で高校生の頃から、『メンズノンノ』をはじめ、『ポパイ』『TUNE』『HUGE』といったファッション誌を読み漁っていた。古着屋にも通いはじめ、モード系はもちろん、ワークやミリタリーなどヴィンテージウェアにも関心を寄せるように。自然な流れで文化服装学院に進学(そこでスタイリストの泉さんと出会う)。
今と変わらない雰囲気だった黒沼さんは、同級生から「じいじ」という愛称で呼ばれていたとか。専門学校時代は当時話題を集めたオープニングセレモニー、ウィズム、リフトといったセレクトショップに足を運び、同時にマルジェラやカルヴェンなど気になるブランドもマメにチェックしていた。
「代官山Oはできたばかりの頃、じいじに教えてもらった」と泉さんが語る通り、学生時代から審美眼の鋭さがうかがえる。その後は専業デザイナーズブランド、人気セレクトショップを経て、現在に至った。
恵比寿
Memory Memento Remembrance
(メモリーメメントリメンバランス)の
おすすめ古着5選
1960年代以降のパリを中心としたメンズ・ファッションの流れに精通する黒沼さん。「知識が偏っている」と本人は謙遜するが、店にある商品についてはとことん掘り下げているという。そんな黒沼さんが偏愛するおすすめアイテムはこちら。
1_フレンチレザーコート

まずフランスのレザー専門のファクトリーブランド、セラファンのレザーコート。「エルメスなどメゾンブランドのレザーウエアを手がけていることで有名なブランドで、現行の商品もかなりの高額です。素材、縫製からデザインまで、スペシャリストが手がけていてクオリティがものすごく高いので、コレクターも多く古着市場でも価格が高騰しています」(黒沼)。

1975年にフランスで創業されたセラファンは、伝統的な職人技を用いるフランスの紳士用高級レザーファクトリーとして現存する、希少なブランドのひとつだ。クオリティだけでなく、洗練されたデザイン性もセラファンの魅力。現行のアウターは70万円ほどで販売されているので、この価格はかなりリーズナブル。
2_オックスボウのジャケット

「メモリーメメントリメンバランス」がオープン当初から力を入れているフレンチサーフブランド、オックスボウのカバーオール風ジャケット。「メルトンのような生地を使用していますが、とてもやわらかくて着やすいアウターです。フロント、ポケットや剣ボロ裏にチロリアンテープがあしらわれた遊び心のあるディテールもオックスボウらしさ」(黒沼)。

ブランドネームがポケットの上に付いているのもオックスボウの特徴。オックスボウは1985年にフランスで創業され、今も本国で存在感を見せる本格的なサーフブランド。カジュアルウエアだけでなくボードやウェットスーツもラインナップし、現在はスキー&スノーラインも手がける。
3_ピエール・カルダンのニットブルゾン

マルチカラーで市松模様を表現したジップスタイルのニットブルゾン。「これはイタリアのラグジュアリーニットファクトリー、スヴェーヴォ(SVEVO )でつくられた、ピエール・カルダンのニットです。贅沢に色と糸を使って、編みに緩急をつけて立体感を表現しています。カルダンが得意とした『立体的なフォルム』が反映されたデザインです」(黒沼)。
ピエール・カルダンも注力するブランドで、「メモリーメメントリメンバランス」ではヨーロッパ製にこだわってピックアップしている。
4_ケンゾー オムのパンツ

いろいろな生地をパッチワークしたスラックス仕様のカジュアルパンツ。「パッチワークにオーバーダイが施されています。もとはワントーンだったはずなんですが、洗っていくうちにそれぞれが違う色の落ち方をして、独特の表情になりました」(黒沼)。
1983年にケンゾーのメンズラインとしてスタートしたケンゾー オムも、黒沼さんが偏愛するブランドのひとつ。2000年のコレクションから高田賢三が退任するが、ユニークなものづくりの精神はその後も受け継がれていく。
5_ヴィンテージコンビシューズ

スムースレザーとエナメルのコンビネーションシューズは、エレガントなフランスのテーラーとしてリスペクトされるフランチェスコ スマルトのもの。「ビスポークテーラーでありながら、カジュアルラインをパリコレのランウェイショー形式で発表していたデザイナーです。シューズもつくっていて、それを見つけたのでぜひ紹介したいと思いました」(黒沼)。スリッポンスタイルでイタリア製。
次回はスタイリスト泉さんが気になったアイテムやコーディネートを紹介!
SHOP DATA
住所:東京都渋谷区東3-8-22伊藤ビル1F
営業時間:14:00〜19:00(最終入店は18:45まで)
不定休 ※インスタグラムで毎月告知
Instagram:https://www.instagram.com/memory_memento_remembrance/

Photos:Kaho Yanagi
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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