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どこか“色気”のある古着コーデ。スポーティなブルゾンにスタイリストが合わせたのは…【プロが推す東京の古着屋㉛PICK UPPLE(ピック アップル)】

どこか“色気”のある古着コーデ。スポーティなブルゾンにスタイリストが合わせたのは…【プロが推す東京の古着屋㉛PICK UPPLE(ピック アップル)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に引き続き本記事でも、スタイリスト清川祐巳子さんが学芸大学の「ピック アップル」を紹介。

学芸大学
PICK UPPLE(ピック アップル)

「ピックアップル」は清川さんの文化服装学院時代の同級生ふたりが携わる、新進気鋭の古着店。銀行の応接間をイメージした店内には、フランツ・カフカの肖像写真が。「例外的なデザイン要素」にこだわったセレクトとは?

今回のお店を訪ねたのは…

スタイリスト

清川祐巳子 さん

高知県出身。文化服装学院卒業、アパレルの販売を経験してスタイリスト小松嘉章氏のアシスタントに。4年半後の2022年に独立し、現在はファッションメディアや、広告のスタイリングを中心に活躍。古着はその背景などを知るのが楽しい。秋冬はシャツを取り入れたレイヤードが気分。

メンズノンノモデル

高橋璃央

新潟県出身。2021年からメンズノンノ専属モデルになり、YouTubeユニット「そうりりん」のメンバーとしても活動。この夏は舞台『七つ数えて』に出演し、来年には出演映画『純愛上等!』の公開が控えるなど、幅広いジャンルで活躍。最近ニットが気になり、秋冬展示会でいろいろオーダーしたところ。

【お店の注目ポイント】
意外性があるけれど合わせやすい
ユニークなデザイン古着の宝庫!

学芸大学駅・東口から徒歩5分という好立地に、2024年7月にオープンした「ピックアップル」。スタイリスト清川さんの、文化服装学院時代の同級生、榊原大翼さん(下写真:左)と小畑和弘さん(下写真:右)のふたりが立ち上げたコンセプチュアルな古着店だ。

「サカキ君もオバタ君も学生時代にいっしょに遊んでいた仲のいい友人。カルチャーに強い彼らのお店ということもあり、セレクトが独特で、オープン当初から足を運んでいます。今日着ているトリコロールカラーのニットシャツもここで買いました」(清川)。


この日はメンズノンノモデルの高橋璃央を同行。「ここはデザインものなどユニークな古着が多くて、璃央君にも気に入ってもらえると思う」と清川さんが説明すると「古着屋さんというか、洋服屋さんに行くのが久々なので楽しみ!」と高橋も胸を躍らせた。

店に入るとまず同級生のふたりに挨拶。「サカキ君とオバタ君です」と高橋に紹介すると、榊原さんが「キヨキヨいらっしゃい」とふたりを歓迎。

   

いきなり掘り出し物に遭遇!?

70年代から90年代のユーロ古着とアメリカ古着が「ピックアップル」の主軸商品。さっそく入口すぐのラックから古着を見始める。入口側の窓に面したエリアにはモノトーンやベージュ系の落ち着いた古着が並ぶ。名作ロックオペラのロンTやヌーディなベージュのトップスなどを手に取る中、突然、清川さんがテカテカのブルーのパンツを発見。


さっそく小畑さんが「これは90年代のクラブウェアです。ロンドンのスーベニアショップで見つけました。メタリックな素材ですが、5ポケットでストレートシルエットだから、意外に取り入れやすいんですよ」と説明してくれる。清川さんは「こういうアイテムがあるのが『ピックアップル』なんですよね」と一言。

左側の壁沿いにはワークウェアを集めたラックが。「リーとかリーバイスとか有名なブランドではありませんが、きちんとデザインされたような感じが素敵」(清川)。スナップボタンのGジャンは70’sのカナダ製。このラックには洒落たフレンチワークウェアのセットアップなども並んでいた。


店の中央のテーブルの上に気になるアイテムを見つけた高橋。「このデニムはサカキ君がデザインしているリメイクブランドのもので、タグがホテルのカードキーのデザインになっていてかわいいの」と清川さんが話していると、榊原さんが「ここはピラミッドの中をコンセプトにしたディスプレイです」と詳細を解説。

実は高橋が心を奪われたのはテーブルの端に置かれていたピラミッド型のオブジェ。「これはセイコーから1984年に発売された『ピラミッド トーク』という時刻を音声で伝えてくれる電波時計。『首塚の上のアドバルーン』という本に出てくるので知って、メルカリで見つけました」(榊原)「僕もフリマサイトで探してみます!」(高橋)。

クラシックな棚にはザ・アメカジなトラッカーキャップが並ぶ。「メンノンモデルの先輩、中田(圭祐)さんがこんな感じのキャップをかぶっていたので、ちょっと欲しくなって。僕もかぶってみました」(高橋)。クアーズはアメリカのビールメーカー。80年代には日本でも大人気を博した。

     


「黒じゃなくても色気は出せる!」

テーブルをはさんだ右側の壁に移動して、カラフルなラックの中から気になるパーカを手に取った清川さん。

「ここはカラフルなアイテムが集まっていて、このメキシカンパーカとか、ジャカードなのかな? レインボーカラーなんですよね」(清川)「キヨキヨはもともと70年代っぽいもの好きだよね。学生時代もよくフレアパンツとかはいてたし」(榊原)「僕もそのメキパ、いいと思いました。先を越されました」(高橋)。

といいつつ、同じラックからミックスカラーのチェックシャツをピックアップした高橋。「このシャツ好きです」(高橋)「ヨーロッパのシャツだと思いますが、詳細は不明です。光によって色みが変化するんです」(小畑)「超カッコイイですね。試着します!」(高橋)。


試着するとみんなに「似合う!」と絶賛される。「めっちゃ着やすいです。こういうシャツが一枚あるといいですよね。ちょっと大人になった気分。最近、色気を出したいと思って黒を着ていたんですが、こういう色でも出せるんですね」と高橋がしみじみしていると、今度は清川さんがブラウンのブルゾンを発見。

「この手のスポーティなブルゾンって黄色とか赤とかのイメージがあるから、茶色は新鮮です! 高橋君、きっと似合うから着てみて」(清川)と試着を促すと、スタイリスト魂に火が点いたようで、合わせるアイテムをあれこれと高橋に提案。

「こういう格好、私服ではしたことないですね。皆さんに似合うと言われたので、ちょっとトライしたくなりました」と高橋も新たな発見があったようだ。


店の奥のテーブルには、白ボディと黒ボディのTシャツとタンクトップが積み上げられている。清川さんがプリントのタンクトップを「コレ、かわいい」と取り上げると、「タンクトップは力を入れているんで、ほかの古着店より充実していると思います」と小畑さん。

高橋も気になるTシャツを見つけた。すると小畑さんが「それはオランダの労働組合がストを起こしたときのTシャツです」と解説。「言葉の意味とかまったくわからないけれど、シンプルにカッコいい」(高橋)と見とれた。

このコーナーでは榊原さんがエルトン・ジョンのTシャツについて熱く語る場面もあり、ぜひ動画でチェックしてほしい。

    


オリジナルブランドもカッコいい

最後は一番奥の「PICK UPPLE REAL WORLD(ピックアップル リアルワールド)」のコーナーへ。

「これはサカキ君がデザインしているオリジナルブランドで、古着の上にフランツ・カフカの肖像や、作品にまつわるモチーフをシルクスクリーンでハンドプリントしているの」(清川)「どれも素敵です」(高橋)「キヨキヨが持っているのは、ルーマニア軍のスリーピングシャツだよ」(榊原)。

高橋がカフカの肖像の下の「K.」の文字に視線を留める。小説『審判』と『城』の主人公の名前だと教えてもらうと「夏に出ていた舞台『七つ数えて』の僕の役名もKだったんです」と意外な共通点に気づき、感慨深げな表情を浮かべていた。

      

メンズノンノモデル高橋璃央が
「ピックアップル」で選んだ古着2選

回遊中、ブラウン系やカラーアイテムに心惹かれた高橋だが、リアルに「欲しい」と思ったのは、自分のスタイルに寄せたこの2点だった。

1_ニットシャツ

70’s ニットシャツ¥10,000

フロントがボタンでフルオープンするニット素材のシャツ。「ニットポロが好きなので、長袖のニットシャツもいいなと思いました。僕の好きなネイビーで、主張しないシンプルなデザインだから使いやすそう。フロントが開くので羽織りとしても使えて、僕好みです」(高橋)。

    


2_テーラードジャケット

80’s マークス&スペンサーの3つボタンジャケット¥20,000

マークス&スペンサーは洋服から食品までを扱うイギリスの老舗デパート。プライベートブランドも展開している。「撮影や衣装で最近ジャケットを着ることが多くて、自分もジャケットが似合う年齢になったなと、欲しくなりました。このジャケットは素材がやわらかくてかっちりしすぎず、ラフに着られそうなところが魅力。挑戦するのにちょうどいい感じです」(高橋)。

イタリア製のビスコースとコットンの混紡生地を使用した、シックで色気もまとえるジャケットだ。

     

スタイリスト清川さんが
「ピックアップル」で選んだ古着5選

清川さんは「自分で着たい」「スタイリングに使いたい」と2つの視点で古着をセレクト。榊原さんに「似合いそう」とおすすめされたアイテムも選んだ。

1_ルコックスポルティフのジャージ

70’s ルコックスポルティフのジャージジャケット¥16,000

フランスを代表するスポーツブランド、ルコックスポルティフのヴィンテージジャージ。「これは自分で着たいと思いました! 定番のスポーツジャージですが、サイドラインや袖のワッペンなどデザインがきいていて、かつ赤がコーディネートのアクセントに最高」(清川)。女子がときめくアイテムもラインナップしている。


袖にはチェッカーフラッグと「SPORT」のレターを組み合わせたワッペンが。胸のロゴはシンプルで目立たないのもこのジャージのポイント。

     

2_リンガーTシャツ

80’s~90’s リンガーTシャツ¥11,000

「キヨキヨに似合いそう」と榊原さんが勧めてくれたリンガーT。「リンガーT、好きです。このロンTはサイズが大きめだったのでメンズノンノ読者の皆様におすすめしたいです。袖丈と着丈のバランスが絶妙で、同系色のリンガーだからカジュアルすぎず、クリーンな印象で着られます」(清川)

     


3_イエローシャツ

60’s~70’s 織り柄シャツ¥17,000

ダイヤ型の格子模様が織り込まれたシャツ。「オレンジに近い赤みを帯びたイエローに惹かれました。この系の色は合わせやすいので、テーラードジャケットのハズしにもいいと思いました」(清川)。この日話題に上がった“色気”を感じる一着。

     

4_メッシュ切り替えパーカ

90’s パーカ¥17,000

ウエストに太いクラフト感のある紐が配されたパーカ。「全体的にはクラシックよりのパーカなんですが、メッシュの切り替えが違和感を感じさせるデザインもの。ウエストを絞って着てもいいし、テイストの振り幅も広いのでいろいろな着方が楽しめそう」(清川)。

「縫製が抜群にうまいので、大量生産品なのか、誰かが手づくりしたもなのか? タグもないので判別がつかないアイテムです」と榊原さんが補足してくれた。

     


5_スポーティなブルゾン

80’s~90’s ブルゾン¥15,000

肩から二の腕にかけて白いテープの装飾がある化繊のブルゾン。「テラコッタ風のブラウンも品がよく、スポーティすぎないルックスがいいと思いました。ブラウンは今シーズンのトレンドカラーですが、このぐらいのブルゾンが取り入れやすいはず」(清川)。

   

【古着でコーディネート】
スポーティなブルゾンに
チェックシャツで
どこか色気のあるスタイリングに

回遊のときから「璃央君に似合う」と試着してもらい、アイデアを広げていたブラウンのブルゾンをメインアイテムとして迷わず選んだ清川さん。「この秋冬はシャツを取り入れたレイヤードスタイルが気になる」と入店前に語っていた通り、高橋が回遊途中で気に入ったシャツを使ってスタイリングを完成させた。

80’s~90’s ブルゾン¥15,000・90’s~2000’s チェックシャツ¥13,000・80’s スポルディングのタンクトップ¥7,000・ピックアップル リアルワールドのパンツ¥48,000

最近はドラマなどの衣装で、俳優のパーソナリティにマッチするスタイリングも手がけるようになた清川さんが、今回重視したのは「璃央君のパーソナリティに合う」コーディネート。

「『ピックアップル』らしいプリントアイテム、それからサカキ君が手がけているオリジナルのリメイクブランド『ピックアップル リアルワールド』も取り入れて、お店の個性をアクセントにしまています。スポーティなブルゾンに同系色のベージュのパンツを合わせ、色気のあるチェックのシャツをレイヤードすることで、全体をやさしいトーンでまとめました。プリントものをたくさん使いながらも大人っぽくまとまったと思います」(清川)。


色気のあるカジュアルコーディネートに高橋も感動。「僕なら無難に黒いパンツを合わせてしまうところを、同系色でコーディネートすれば、大人っぽく見せられるんですね。僕が意識している色気も出してくださって、ありがとうございます!」(高橋)。

ストリートの定番のようなアイテムも、色使いやシルエットをコンパクトにまとめることでモード感のあるカジュアルに。スタイリストの技を見せてくれた。

    

取材を終えて

清川さんは「ピックアップル」の世界観をさらに掘り下げた2時間に。高橋はディープな古着屋を自然体で楽しんだ。「映画や音楽に紐づいたカルチャー系の古着も多く、奥の深いセレクトに改めて感服しました」(清川)「とても見ごたえがあって、洋服屋さんに行く楽しさを久々に味わいました!」(高橋)。

古着屋だけでなく、自身でブランドを展開するなどデザイナーとしての視点があってこそ、これだけコンセプチュアルな店づくりが実現できているのだろう。空間づくりにこだわる古着屋も多い中、頭抜けている「ピックアップル」は、訪れればいろんな発見がある一軒。おしゃれ好きは絶対行くべし。

    

【動画公開中】
熱い榊原さん&やさしい小畑さんが
こだわりの店内&古着を語る
動画は必見!

クールに見えていろいろと丁寧に教えてくれる榊原さん、一見強面ながら古着をやさしく解説してくれる小畑さん。清川さんとの同級生トークや高橋のファッションお悩み相談まで、内容は盛りだくさん。店づくりのこだわりや「ピックアップル」のふたりが偏愛するアイテムもわかる動画を、ぜひチェックしてほしい。  

    

SHOP DATA

住所:東京都目黒区鷹番2丁目18-3学芸大スカイマンションB102
営業時間:14:00~21:00
定休日:水曜
Instagram:https://www.instagram.com/pickupple?igsh=YWVjZGNiZTZueGNq


Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「僕らの永久定番ファイル」や「コレクション速報」などファッションテーマを幅広く執筆。

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