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エルメス、ミュグレー…ユーロ古着の楽しみかたをスタイリスト中道さんと探る!ドレスシャツも充実のセレクト【プロが推す東京の古着屋㉘sinot(シノ)】

エルメス、ミュグレー…ユーロ古着の楽しみかたをスタイリスト中道さんと探る!ドレスシャツも充実のセレクト【プロが推す東京の古着屋㉘sinot(シノ)】

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おしゃれプロが推しの古着屋を紹介する連載。前回に引き続き本記事でも、スタイリスト中道康生さんがオープン当初から通う代々木八幡の「シノ」をご紹介。

代々木八幡 sinot (シノ)

代々木八幡の「シノ」は、ユーロ古着の専門店。中道さんはレギュラーだけでなくヴィンテージ、レディースまでくまなくチェックして感度をUPしている。

今回のお店を訪ねたのは…

スタイリスト中道さんの顔写真

スタイリスト

中道 康生 さん

愛知県出身。名古屋モード学園を卒業後、オクトシヒロさんのアシスタントになるために上京。9年半のアシスタント生活を経て、2023年に独立。仕事も私服も古着なしでは成立しないという古着LOVER。ただし古着はウンチクよりもディテールや雰囲気で選ぶ派。スタイリングでは抜け感を重視。

【お店の注目ポイント】
エルメスもヴィンテージもフラットに。
ムード重視で選んで自分のものに

ユーロヴィンテージの専門店として、代々木八幡宮に近い山手通り沿いに2021年9月にオープンしたシノ。スタイリストの中道さんは古着屋の友人から教えてもらい、開店してまもなく足を運んだところ、店主の木村謙太さん、野口尚史さんと意気投合。以来、普段からリースの途中などに立ち寄るようになった。

店舗の前に置かれている小さな看板

「ユーロヴィンテージについてはまったく詳しくありませんが、夜10時まで開いているので、友だちに会いに行く感覚でシノに通っています。雰囲気のあるものがドサドサあって、ディグるのが楽しいんですよね。キム(木村さん)の攻めた買い付けのセンスにはいつも感心しますし、ノグッちゃん(野口さん)にアレコレ教えてもらって自分のスタイリングにユーロ古着を取り入れるのも楽しい」と中道さん。

微笑むオーナーの野口さん

シノに行くとまずは店主(この日は野口さんがアテンド)に挨拶をして、レジ横のラックからつぶさに古着を見始める。「いつもノグッちゃんと世間話をしながら、店の商品を端から端まで見ています」(中道)。


楽しそうにラックをディグる中道さん

中道さんはウンチクよりもディテールや雰囲気のよさで古着を選ぶ。この日もすぐにきれいなオレンジ色のブルゾンを見つけ「見たことないタグ!」(中道)「2000年代のイタリアの服だね」(野口)「確かにボタンもイタリアっぽい」(中道)。こんな具合に会話のキャッチボールを楽しみながら古着を見ていく。

長袖のシャツを胸に当てる中道さん

「夏に着られる長袖、シアー素材なんかがあったら買うかも?」とシノに来る前に話していた中道さんが、ラックの中からとろみのあるシルクシャツをピックアップした。「ソリッドだけどとろっとしていて抜け感があって上品。このシワ感を残したまま着たい」とサイズ感を確かめていると、「ヤスキ(中道さん)に似合いそう」と野口さんも相槌を打つ。

ミッソーニのガウンやピエール・カルダンのジャケット、ティエリー・ミュグレーのレザーシャツなど、ヨーロッパのデザイナーズブランドの古着をどんどん見つけてその魅力を語っていると、「シノはドレスシャツのセレクトがいいんですよ」とラックからシャルベやエルメスのシャツを見つけ出す。


ピンクと白のシャツを両手に持つ中道さん

さらに「こういうグランパシャツもスタイリングでは重宝するんですよね」と1920~1930年代のフロントに飾りがついたヴィンテージシャツをピックアップして、「ジャケットのインナーにこのまま着たりすると、ドレッシーなスタイルに抜け感が出せます…さっきから抜け感ばっかり言っちゃってますが(笑)」(中道)。

青いTシャツを手に持つ中道さん

「夏にTシャツはハズせないかも!」と1978年のアルゼンチンFIFAワールドカップのTシャツを取り出す。「アルゼンチンワールドカップのフランス代表がプリントされたTシャツ! いいよなー。こういうの」(中道)「それは年始にフランスのディーラーさんが持ってきてくれたもの」(野口)「こういうのを彼女に着てもらいたいよね」(中道)「いないけどね」(野口)。プライベートトークも飛び出す。


デニムシャツを試着する中道さん

続いて本命的なデニムのフィッシャーマンシャツに遭遇。「これは着られそうだ」とさっそく試着。「チンスト(チンストラップ)みたいなのが付いているけど、これが付いているかいないかで、印象が全然変わってくるよね。付いているとちょっとかわいい感じになるから20代の頃はなかなか難しいと思っていたんだけど、着られる年齢になった」(中道)と試着しながらしみじみ。

試着した後はきちんとハンガーにかけて、きれいに元のところへ戻す。「古着屋さんは好きなだけ試着して遊ぶ分、ちゃんときれいにして戻すということを自分のルールにしています」(中道)。こういうところはぜひ見習いたい。

ヴィンテージがエリアで服に囲まれる中道さん

店の奥のヴィンテージエリアにたどり着くと「こっちはワケわからないものも多くて、自分はほとんど着ないけれど、スタイリングに使うのは好きですね」と中道さんはフランスのリネンジャケットを見つける。すると「それもディーラーさんが持ってきてくれたもので、リペアのステッチに味があるんですよ」と野口さんが魅力を語ってくれる。


養蜂のスモッグを試着する中道さん

「このエリアは基本軍モノが多いんだよね?」(中道)「軍モノとワークがメインで、ジョッキー(乗馬)ものもけっこうあるね」(野口)「そして全アイテム、何かしらストーリーがあるんだものね」(中道)。こんなやり取りの中、めちゃくちゃ熱いモノはありますか? と尋ねると、この養蜂用のスモックを出してくれた。「写真映えしかしない!」と中道さんが試着を買って出る。「こういう面白いものがあるのがスタイリストとしてはありがたい。これを見て、僕以上にテンションが上がる人もいるんだろうな…」(中道)。

店舗の中の棚の一部。食器などのアイテムが机の上に置かれている。プロが推す東京の古着屋「sinot」

いったん奥まで進んだ後は、「服もそうですが、窓際の置物たちもいいんですよ」再び入口界隈へ。「60~70年代の北欧の吹きガラス製品や、アラビア(フィンランドの食器ブランド)のルスカ(1960~1990年代にかけてつくられた食器)とか、ただ置くだけでサマになる。物撮影の小道具としても使えるものがたくさんあります」(中道)。


綺麗な色の皿を持つ中道さん

中道さんは近々引っ越しを予定しているということで「そろそろお皿もそろえていきたいんですよね…。この黄色と白の皿、キープしておいて」と取り置きをする場面も。

レディースコーナーをチェックする中道さん

入口すぐのレディースのコーナーも「去年からできたんです」としっかり案内してくれた。「メンズとは視点が変わって楽しいので、レディースもできるだけ見るようにしています」(中道)。レディース古着を見るようになってから、スタイリングがはかどるようになったそうだ。この日もメンズにはないような、パジャマライクなオールインワンなどをチェック。


パンツやジャージを手に取る中道さん

シノが力を入れているヨーロッパの農夫の作業着、マキニョンのディスプレイをサラッと眺めてパンツやジャージなどが並ぶ棚へ。「ここにはユーロリーバイスなどがあるんだよね?」(中島)「最近は数が出なくなっているので、リーのヨーロッパ企画のものなどもピックアップしています」(野口)。ここではデニムよりもヴィンテージのスラックスに心を動かされていた。

 


スタイリスト中道さんが
「シノ」でピックアップしたもの
5選

中道さんは「自分の気分に合う、雰囲気のいいもの」を古着選びの基準としながら、「いいなと思っても、タグを見てデザインが今ひとつだったりすると失格です。ひとつでも気持ち悪い部分があると買えないんですよね」と厳しい審美眼を持っている。そんな中道さんのお眼鏡に叶った5点はこちら。

1_デニムのフィッシャーマンスモック

80’sフィッシャーマンスモック¥59,400
80’sフィッシャーマンスモック¥59,400

フィッシャーマンスモックとは、プルオーバースタイルのヨーロッパの漁師の作業服。「デニム素材のものはあまり見ないので珍しいと思いました。デニムのかわいいアイテムも30歳を過ぎてサラッと着られるようになったので、最近見つけては取り入れています」(中道)。これはヴィンテージではなく、ファッション寄りにつくれたものだと野口さんが解説してくれた。


2_ピーチ素材のスイングトップ

2000’s タイド アンド セイルのスイングトップ¥14,300
2000’s タイド アンド セイルのスイングトップ¥14,300

オレンジ系のカラーが初夏から夏にかけて活躍してくれそうなスイングトップ。「個人的にザ・スイングトップには“イナたい”という印象がありますが、これは表面が微起毛されたピーチ素材で上品な点に惹かれました。アームが広いバランスもよく、ボタン、プルタブなどのディテールもよくできています」(中道)。

2000’s タイド アンド セイルのスイングトップ。タグが凝っている。

「Tide and Sail」というあまり見ないブランドながら「タグも凝っていてかわいい」(中道)と合格。こちらはイタリアで買い付けた古着。


3_カリム・アジャブのカスタムTシャツ

年代不明 カリム・アジャブのTシャツ¥44,000
年代不明 カリム・アジャブのTシャツ¥44,000

古着をカスタムすることでマニアに知られるフランス人アーティスト、カリム・アジャブのアイテムも扱うシノ。「夏に一枚で着ても雰囲気が出せるTシャツってそうそう無いですが、これは見事。前後左右で見え方が変わる飽きないTシャツ」(中道)。裾の内側にはカリムの手書きサインも。「2023年からディーラーを通してカリムを買い付けています。こちらは『4シーズン』という自然の中に1年間放置して経年変化をさせたクリエイションです」(野口)。


4_フレンチリネンジャケット

30’s フレンチリネンジャケット¥137,500
30’s フレンチリネンジャケット¥137,500

ヴィンテージコーナーからピックアップしたフレンチリネンのジャケット。「サイズは小さいので僕は着られませんが、見た目がすごくいい。白いジャケットってトライしづらいですが、ボロなら気負わず着られそうじゃないですか? 短丈なのも今の時代に合っています」(中道)。フランスのディーラーがハンドキャリーしてくれたヴィンテージ。白のリネンジャケットは希少ということもあって、価格は高めなのだとか。

5_シルクシャツ

90’s インパクトのシルクシャツ¥12,100
90’s インパクトのシルクシャツ¥12,100

トロみとナチュラルなシワ感に惹かれて選んだシンプルなネイビーのシルクシャツ。「シルク100%で落ち感もよく、羽織りにもよさそうなシャツです。上品なアイテムだから、だらしなく着てもきちんと見えるのが魅力」(中道)。シルク素材もさることながら、ネイビーという色にも品があり、さまざまな着方が楽しめそうだ。


 

【古着でコーディネート】
ピーチ素材のスイングトップを
きれいすぎないバランスで

フィッシャーマンスモックとどちらにしようか悩んで、ピーチ素材のスイングトップでスタイリングを組むことに。「試着したとき、きょうはいてきたリーバイスのドライグッズラインのダメージ系ジーンズと、イナたさもありつつピーチスキンでどこか上品なスイングトップのバランスがすごくよかったので、これに決めました」と中道さん。

コーディネートを披露する中道さん
2000’s タイド アンド セイルのスイングトップ¥14,300・90’s エルメスのシャツ¥39,600

インナーにはシノに充実しているドレスシャツを合わせた。「ピンクのシャツはエルメスです。ボタンを上下とも2つぐらいずつ外してだらしなく着ているのがポイント。上半身は品のよさが少しだけ強めなので、足元はウーフォスのビーサンで抜け感を入れて、かたすぎず、ゆるすぎずというバランスに仕上げました」(中道)。クリーンなままでまとめないというところに、中道さん独特のこだわりが見えた。

 

取材を終えて

実は取材前日も仕事でリースに来ていたという中道さんだが、時間をかけてゆっくり見るのは久々だったそう。「接客されているのか、いないのか、わからないぐらいの居心地のよさがシノにはあります。じっくり見たらクセの強いアイテムが豊富で、自分が着るにしても、スタイリングするにしても刺激になりました。一見使いにくそうなアイテムこそ、仕事では使いやすかったりするんですよね」(中道)。

店名のsinot(シノ)はアイヌ語で「遊ぶ」という意味がある言葉。地元・北海道の友達と遊んでいたとき、「いつか店を出すならsinot(シノ)という名前にしよう」と盛り上がったのが現実になった。ユーロヴィンテージというと敷居が高く感じるかもしれないが、シノは気軽に遊びに行ける空気感がある。ぜひ足を運んでほしい。

 

【動画公開中】
店の魅力を動画でも。
紹介しきれないアイテムも披露!

普段は黙々と古着を見ることが多いそうだが、この日はシノの魅力を解説しつつ、友人でもある野口さんとの世間話も多めに「動画対応」をしてくれた中道さん。ユーモアのセンスがあふれる中道さんのトークと、野口さんの静かながらあたたかい対応が心に響く。シノの魅力が伝わる動画をぜひご覧あれ!

 

SHOP DATA

住所:東京都渋谷区元代々木54-1
営業時間:12:00~22:00 無休
Instagram:https://www.instagram.com/sinot.clothing/

店舗のロゴ。

Photos : Kaho Yanagi
Movie : Yumi Yamasaki
Movie Edit : Yuki Hayashi
Composition & Text : Hisami Kotakemori

小竹森久美

小竹森久美

エディター

「僕らの永久定番ファイル」や「コレクション速報」などファッションテーマを幅広く執筆。

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