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おしゃれな人は、どんな一点モノを持っているんだろう? 想いのこもった一点モノと、それにまつわるモノ語りをじっくりと聞いてみた。読めばきっと、自分だけのモノが作りたくなる!
People 001 ▶︎ 森岡督行さん /森岡書店
「メイド・イン・桐生」
のスカジャン


「きっかけは、写真家の石内都さんからスカジャンを見せてもらったことでした。石内さんの故郷・桐生で行われている、帯や着物をスカジャンにリメイクするプロジェクト『メイド・イン・桐生』です。自分はコロナ禍でお座敷が減ってしまった銀座や新橋の芸者の方々から和服を譲り受け、再利用を考えました。表面は帯や着物の柄がきれいに出るように仕立ててあり、裏はピンストライプのカシミア生地の紺色のリバーシブル仕様。アーム部分の鮮やかな水色は特注で作った“新橋色”という色です。時々袖を通していますが、主にファインアートとして手もとに置いています。リメイクも含め一点モノを作って所有することは、大量生産・大量消費の時代を終えようとする、次の新しい時代の潮流の一端を示しているように感じます」
People 002 ▶︎ 水澗 航さん
/ENKEL/STUDIO FABWORK

ショールームENKEL、STUDIO FABWORK主宰。ファッションにとどまらずアート作品やインテリアにも精通している。
ティンバーランドの
6インチブーツ


「8年ほど前、今はなき表参道店のカスタムオーダーで作りました。当時国内外のHIP-HOPアーティストがティンバーを再び履き始めていて、懐かしいのに新鮮な合わせ方がカッコよくて。定番の6インチのイエローヌバックブーツを愛用していましたが、少し上品に履きたくて展開していないレザー仕様にしました。ひもを単色にするとまとまりは出るんですが、ティンバーらしさを残したかったので白黒2トーンにして、ひと目ではわかりにくい感じに(笑)。長く愛されているだけあって防水・防風性も高く、機能面も優れています。愛着が湧いて大事に使うのはもちろん、ブランドの空気感も自分事として身につけられるのがオーダーのよさ。作るのに時間がかかるので、待っている間楽しいのも魅力のひとつだと思います」
People 003 ▶︎ 髙梨祐人さん
/USONIAN GOODS STORE

オーダーシャツのINDIVIDUALIZED SHIRTSの直営店、「USONIAN GOODS STORE」のマネージャー兼バイヤー。
INDIVIDUALIZED SHIRTSの
オーダーシャツ

「タッタソール系の生地はタブカラーで仕立てて、ネクタイを締めたとき立体的な印象に見えるようにするのがマイルール。手持ちのタッタソール地のシャツはすべて同じ仕様。色違いでそろえたくなるのは、私だけではないはず…(笑)。オーダーならサイズ感もすべて自分好みにできるので、長めの着丈やポケットなど、こだわりは盛りだくさん。僕は毎シーズン、お店で販売するシャツの仕入れを行う際、自分の分も仕立てます。いつもテーマを決めるのですが、今回は“スーツスタイル”。ネクタイありきでディテールを決めました。土日祝日など多くのお客様と触れ合うときや、大切な商談のときなど…気持ちを高めるときに着ますね。一度オーダーしたら何度もオーダーしたくなる、そんな感覚をぜひ味わってみてください」
People 004 ▶︎ 笹子博貴さん
/Godard Haberdashery

青山に構える「Godard Haberdashery」で、オリジナルの紳士洋品を展開する。店内は注文生産で作られたこだわりのアイテムで充実!
Godard Haberdasheryの
オーダーフレアパンツ

「70年代のフレンチファッションアイコンたちがはいていたネイビーストライプのフレアパンツ。時代の象徴ともいえるアイテムをオーダーしました。自分の体型に合うように、ひざの位置などのバランスにこだわっています。これは試作を重ねてようやくたどり着いた1本。6年ほど前から注文服に興味を持ちました。数こそ多くありませんが、数十万円のビスポークスーツを初めて作ったときや、かぶり慣れないハットに挑戦したときは震えましたね。自分で選んだ生地やこだわりのディテールが形になったときが、オーダーにハマるきっかけになると思います。所有者のライフスタイルや体に合ったもの、そこにこだわった点や手に入れたストーリーもついてくることで長く愛せる。これこそが一点モノやオーダー品の一番の魅力ではないでしょうか」
Photos:Erina Takahashi Illustrations:Mariko Ota
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“1冊の本を売る本屋”森岡書店の代表。多数の著書、WEBメディアでの連載を抱える。森岡製菓の屋号でお菓子作りも手がける。