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このポートレートは、1984年にグレッグ・ゴーマンが撮影した有名な1枚。
1970年代から80年代にかけて、“The Filthiest Person Alive(この世で最も下品な人間)”と評された伝説のアーティストがいる。

それは、米国出身の俳優・歌手として、既存の枠に囚われない生き様を発信していたディヴァイン(Divine / 1945~1988年)だ。
昨今のLGBTQ文化の高まりとともに再評価されているこのアーティストを、ラグジュアリーブランド「LOEWE(ロエベ)」がフィーチャー。クリエイティブ・ディレクターを務めるジョナサン・アンダーソンのリスペクトのもと、限定カプセルコレクションが登場した。
ディヴァインの自由な精神と斬新なスタイルに着想した公式オンラインストアとニューヨークのグリーン・ストリート店で発売中だ。
アイテムはTシャツ2型とオンライン限定のラゲージ。本コラボは、「Visual AIDS」(HIVやエイズとともに生きるアーティストを支援する米国の団体)と「BaltimorePride」(LGBTQを賛歌するパレード)を支援するものだ。

ちなみに、ディヴァインの名を世界に轟かせた作品は、奇才・ジョン・ウォーターズ監督が仕切る低予算映画の先駆けであり、カルト映画としても悪名高い『ピンク・フラミンゴ』(原題:Pink Flamingos / 1972年)だろう。
巨漢のドラァグクイーンとして登場したディバインは、多様性を謳っていたとされる大都市・ニューヨークを悠々闊歩。その姿は、公開当事は相当センセーショナルなものだった。

現在、「ロエベ」公式サイトではオンライン・エキシビション(9月末まで)を設置中。着用したドレスや私物メイクアップケース、80年代のメディア掲載記事など、その後の約半世紀に渡ってインパクトと勇気を与え続けている“この世で最も下品な人間”の足跡を辿っている。

カプセルコレクションのイメージは、世界的なコロナ禍で未完成のままだという。
自由と自己決定を称える「ロエベ」のスピリッツと、向かい風の中でオリジナリティを貫き通したディヴァインの生き様こそ、至高のラグジュアリー。本コレクションを存分に楽しもう。
※価格は全て税込です。 Text by Takafumi Hojoh
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