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金髪の没個性化を嘆くKANADA氏。せっかく手間とお金をかけて勇気を出してやっても、“最近よくいるよね”という印象になってはもったいない。アイデアは古今東西たくさんある。“話題のあの人”をマネしなくても、カッコいいスタイルになれるよ！
山本渓二さん（23歳・ショップ店員）
下北沢で一番カッコよかった金髪の子、とKANADA氏イチ押しの彼。ポップさとアウトローさのハイブリッドな魅力を持つ。
ハードルが高いようで、実はアイコニックなお手本の多い金髪。ファッション界にも音楽界にも金髪のスターは山ほどいるし、今はK–POPの影響か、メディアにも街中にも金髪男子があふれている。そう考えると、むしろマスなヘアに思えてきたでしょ？ でも読者のみんなは、それがつまらないと感じるのではないか。個性を出すために金髪にしたのに、気づけば似たような人ばかりになっている…それはなぜか。個人的には、“金髪は清潔感を大切に”という注意喚起が幅をきかせすぎたのではと考えた。そうなるとバリエがぐっと減る。金髪にする理由が“好感度やモテを手に入れたいから”という人は少ないんじゃ…と僕なんかは思ってしまう。そこで、誰とも違う味のある金髪を提案したい。それにはベースとなるカットが重要だが、今回のイメージソースは、北野武監督の映画に出てくるような、いなたくて、でもちゃんとカッコつけてるアウトローな若者。
品を保つギリギリなところを攻めてモダンな着地にしたい。『浅草キッド』や『ソナチネ』など、今観ると新鮮なヘアが満載で、トレンドでなくともカッコいい。山本くんは元パン屋で、古着屋の店員さん。誠実な人柄と現代的な品のよさがあるけど、そこはかとなく漂うアングラな雰囲気もすごく魅力的だ。アイコンはなく、ただやりたくてやっている感じの金髪もきっと今回のコンセプトをうまく消化してくれると考えた。やくざ映画の鉄砲玉みたいなやんちゃな若者感と、洗練されたスタイリッシュさ。人と違う金髪の完成だ。
あえて野暮ったいセイムレイヤーに
スタイリッシュにしない、を意識してセイムレイヤーに。今のセイムレイヤーは、動きをつけたり、立体的にしたりと洗練された仕上がりにするのが主流。でもこれは昔ながらの解釈。頭の形に合わせてシルエットが丸くなるようにカットしていく。確実にいなたくなるけど、“狙い”と“消化できる子”がそろっていればカッコよく仕上がる。
KANADA PROFILE／メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Hiroki Sato
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