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ティモシー・シャラメがアンバサダーを務めることでも人気の『ブルー ドゥ シャネル』。2010年に発表されたオードゥ トワレット、そして2014年のオードゥ パルファム、2018年のパルファムに続き、今年新たに加わる『ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ』は、これまでの香りにさらに奥行きを与え、一段と上品に、かつパワフルに。
アンバーウッディなフレグランスが詰められたボトルは、同ラインを象徴するミッドナイトブルーはそのままにボリュームが加わり、手に持つとずっしりと重みがある。調香師オリヴィエ・ポルジュ氏への今回のインタビューでは、香りを選ぶコツも聞いてみた。

新作を加えて4香調となった
『ブルー ドゥ シャネル』は
どう進化してきたのだろう

――『ブルー ドゥ シャネル』の最初のふたつはお父様(オリヴィエの前任、同じくシャネル専属調香師だったジャック・ポルジュ)による調香、そして3つ目と新作『ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ』があなた自身の作ですよね。既存の香りをアップデートすることは、あなたにとってどんな意味がありましたか?
「似て非なるものになるよう、シグネチャーを保ちつつ変化させる、その匙加減で遊ぶこと。『ブルー ドゥ シャネル』の仕事は、これに基づいた試みです。基軸となる香りに導かれるのは、ある意味やりやすい仕事です。
『ブルー ドゥ シャネル』の進化は、単なる濃度の問題ではありません。興味深いのは、ベース・ノートに香るセンシュアルなウッディ・ノートを発展させるために、その都度新しいコンポジションとフォーミュラが探求されていること。『ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ』ではプレシャスという概念に基づいて力強さを高め、奥行きを与えました。つけているうちに進化する香りでもあります」。

――レゼクスクルジフ(フランス語で“エクスクルージブ”の複数形)のネーミングはどこから? シャネルでのウイメンズ・フレグランスのコレクション『レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル』とは関係があるのですか?
「まず、2つとない名前を模索していたところ、“エクスクルージブ”はシャネルだけに特有な価値観であることを認識しました。ウイメンズとの関係は偶然ではありません。『レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル』と同じようにシャネルだけの卓越した技術と原料にこだわって調香しましたから。『ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ』はパワフルでかつ洗練されている、その度合いが特別(エクスクルージブ)なのです」。
従来通りの主役はセダー。
助演はシャネルならではの
希少なサンダルウッド

――『ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ』を構成する原料について教えてください。
「それまでの3つの香りはウッディ・ノートには欠かせないセダーを主役にアンバー、そしてサンダルウッドから成っていました。今回もサンダルウッドが大切な役割を果たしていますが、産地、蒸留法を特定した貴重な要素です。ニューカレドニア諸島内のマレ島で育つサンダルウッドには、独特な深みと勢いがあるんです。
(触感で言えば)滑らかで(味覚で言うと)クリーミー、そして(視覚で言うと)鮮やか。これをシャネルが極めた低温蒸留にかけると、さらにねっとりとした質感になる、木とは思えないほどの芳香を放つんですよ。しかもこんな貴重な原料を惜しみなく使えるのも、シャネルならでは。
またもう一つの芳香、お香の材料にも使われるシスタス・ラブダナムの樹脂は、レザー系のタッチをもたらしています」。




©CHANEL
――『ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ』は、あなた自身の言葉で言うとどんな香りでしょう?
「とにかくミステリアスでパワフル、かつ上品。同時に奥行き、温かみのある香りです。うまく表現できませんが。深いブルーのボトルを手に取って見つめると、深みを増す夜の闇にどんどん引き込まれるように感じます。言葉よりも絵になりやすいのかもしれません」。
フレグランスを試すのに
おすすめの時間帯は「朝」


――日本では若い男性の間で、フレグランスへの興味が高まっています。初心者が香りの世界を探る際に参考になるアドバイスをいただけますか?
「フレグランスは、とてもパーソナルなもの。肌につけると進化して、その人特有の香りになります。最近では SNSでインフルエンサーによる香水の紹介が多いようですが、実際に試さないでどう判断できるのか、私には謎ですね。試すタイミングは、朝。シャワーから出たばかりの清潔な肌につけるのがいいのはもちろんですが、何より朝は感覚もフレッシュ。しかも時間と共にやや違う層が香って来るのを楽しむにも、1日の始まりをお勧めします」。
アンバサダーである
ティモシー・シャラメを迎えて。
公開されたばかりの動画も必見!
シャネルから公開されたばかりの『ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ』の動画も必見だ。オリヴィエがグラースの彼のオフィスに、『ブルー ドゥ シャネル』の顔であるティモシー・シャラメを迎えてのシーン。
ティモシーの「友人に、香水は首につけるといいよ。女の子がキスしてくれるところだから」と言う言葉に対して、オリヴィエはこんな逸話を披露している。「ガブリエル シャネルが香水を体のどの部分につけるのがいいか、と質問されて、何と答えたか知っていますか?『キスされたいところに』です!」。

シャネル専属調香師
オリヴィエ・ポルジュ さん
父、ジャック・ポルジュの仕事(シャネル専属調香師)の関係で、香水づくりで知られる南仏・プロヴァンスのグラースに生まれる。学校では美術史を専攻。グラースで香りの原料の変質について並んだ後、ジュネーヴのAC&Mを経てニューヨークのIFF(INTERNATIONAL FLAVORS AND FRAGRANCES)で経験を積む。2013年にはシャネルのフレグランス研究所に参画、2015年よりメゾンの専属調香師に。これまでウイメンズでは『シャネル N゜5 ロー』、『チャンス オー ヴィーヴ』『チャンス オー スプランディド』をはじめ『レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル』数香調を、メンズでは『ブルー ドゥ シャネル パルファム』を手がけた。
ブルー ドゥ シャネル
レゼクスクルジフ


この9月に新たに加わる、「ブルー ドゥ シャネル」のラインとしては4つめのフレグランス。レゼクスクルジフ(フランス語で「特別」)の名のとおり深みを感じさせる重層的な香りだ。

だんだんと秋に向かっていくこの季節にも、ここ数年の日本におけるフレグランスのトレンドである“濃いめ”の気分にもぴったり寄り添ってくれる「ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ」。ウッディ系フレグランスにまた新しい名品が誕生した瞬間を、僕らは今まさに目の当たりにしているのだ。
問い合わせ
シャネル カスタマーケア センター
TEL:0120-525-519
https://www.chanel.com/jp/
Interview & Text : Minako Norimatsu
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