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#34
Yves Saint Laurent
イヴ・サンローラン

マスキュリンな香りの中に潜む白い花。
対比する要素が内なる自由を突き動かす
ジェンダーを超える「自由」な香り
時代のムードを捉え、数々の名香を生み出してきたイヴ・サンローラン。2019年、新たなアイコンフレグランスとして登場したのは、「リブレ」というフランス語で“自由”を意味する、今の気分を体現するジェンダーレスな1本だ。
1960年代、ムッシュ・イヴ・サンローランが男性のフォーマルウエアであったタキシードを女性のイブニングスタイルに変貌させた「スモーキングルック」に象徴されるように、既成概念を超える革新的なチャレンジはブランドの神髄である。そのフィロソフィーにのっとり、「リブレ」は男女2人の調香師によって、マスキュリンとフェミニンを衝突させることで生み出された。メンズフレグランスの代表的な香調フゼアにフェミニンなオレンジブロッサムという相反する香りを交差させることで、既存のジェンダーイメージから解放された、新しい香水が誕生。
誰しもがマスキュリンな顔もフェミニンな一面も持ち合わせており、どう振る舞うかは自分次第、それこそが自由であるというイマジネーションのもと、1570回もの試作を繰り返し完成に至ったという。まとうことで自由を感じ、自分自身が心地よくいられるよう紡がれた香調は、香り立つ瞬間から肌へ消えゆくときまで、その力強さで内なる自由の心を後押ししてくれる。
リブレ オーデパルファム
香りのキーとなるのは、プロヴァンス産ラベンダーとムッシュ・サンローランとも縁の深いモロッコで培われたオレンジブロッサム。マスキュリンな香りである、フゼアの主原料となるラベンダーをカスタマイズし、エッセンスの奥に潜む温かな甘さをフィーチャー。スイートなオレンジブロッサムは白い花が秘めている熱い官能性を引き立て、2つの香りの個性がスパークすることで香り立つ、ハンサムなフローラルラベンダーの香調に。シェアフレグランスとしても人気だ。50㎖ ¥15,510/イヴ・サンローラン・ボーテ
Photo:Satoshi Yamaguchi Stylist:Masashi Sho Composition & Text:Atsuko Watanabe
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