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第十七話 〜チェック柄にドハマりしたで候!〜

 

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チェック柄って何で候?

「チェック」は織物の柄の一種として、世界各地でその地域に根差したものが織られてきた。日本にも「千鳥格子」や「市松模様」などがあるが、現代ファッションに欠かせないチェック柄の多くはスコットランド伝統の格子柄=タータンに由来する。

「タータン」の語源は布地の種類を表す仏語“ティルタン”などとされ、17世紀頃にはカラフルな格子柄の織物として定着したと推定されている。スコットランドの由緒ある氏族(クラン)には、日本の家紋的なチェック柄「クラン・タータン」があり、正装用には「ドレス・タータン」、狩猟をするときは「ハンティング・タータン」と使い分けられた。地域に根差した「ディストリクト・タータン」、軍隊用の「ミリタリー・タータン」、王家が用いる「ロイヤル・タータン」なども存在する。

 18世紀、イギリスが植民地を拡大したことでタータンが世界に広まる。タータンチェックは労働着などに使われ、衣服に普及。19世紀のナポレオン戦争の際には、パリを訪れたスコットランド軍隊のキルト姿に触発されて、ヨーロッパの女性の間でタータンチェックが流行。20世紀に入ると「バーバリー」や「アクアスキュータム」などのイギリスのアパレルがその商標としてチェック柄をデザインし、これらの「ハウス・チェック」がブリティッシュトラッドの必須アイテムとなっていく。

 1950~60年代はアメリカでチェック柄がブレイク。労働者の間では「ペンドルトン」のタータン柄コットンシャツが人気を集め、ブリティッシュトラッドをルーツとしたアイビーリーガーの間でもタータンや「マドラスチェック」が流行。80年代のプレッピーや、90年代にかけての渋カジにも同様の現象が起こった。

 トラッドな流れとは真逆だが、反逆のストリートファッションにもチェック柄は欠かせない。パンクでは「ヴィヴィアン・ウエストウッド」がタータンをボンデージルックと融合させて強烈な印象を残し、グランジではカート・コバーン愛用のチェックのネルシャツがキーアイテムになった。なお、世界規模でチェックを流行させたのは70年代中期のバンド、ベイ・シティ・ローラーズ。スコットランドのエディンバラ出身で、タータンチェックの衣装がトレードマークだった。

 日本でも80年代にはチェッカーズが、最近ではAKB48が身に着け、チェック柄の人気を盛り上げた。今やチェックは、ライフスタイルに根差した人気の柄となったのだ。

3つの流行チェック柄
その由来&定義

① オンブレチェック

「オンブレ(ombré)」とは陰影のついた状態を意味するフランス語で、色が溶け込んだようなチェック柄を指す。ストリートカジュアルの定番として、シャツやガウンに使われることが多い。

② マドラスチェック

インド・マドラス地方で織られるコットン地の多色使いチェック。もともとは天然染料で、洗濯するとにじむ独特の風合いが特徴だったが、現在は化学染料を用いた「マドラス風」が主流。

③ ブロックチェック

2色の糸による同幅の単純な格子柄。「バッファローチェック」とも呼ばれる赤×黒は、クラン・タータンの「ロブ・ロイ・マクレガー」がルーツ。最近では「ディオール オム」が投入して話題に。

磯部流「チェック」スタイル!

「おしゃれな人の間で流行に関わらず人気が高いチェックガウンは、もちろん拙者も持っているでござるよ! ロングアウターにワイドボトムを合わせるのがトレンドだから、淡い色のジーンズに白無地Tでさらっと。きっとモテちゃうで候!」

漫画:仲間りょう Text:Hisami Kotakemori 参考文献:『タータンチェックの文化史』(白水社) 『タータン・チェックの歴史』(河出書房新社)

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