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洋平’sノンノ

2019年 8月号

“ボンボヤージュ”

 国内ツアーが終わって、今度は日本以外のアジアの国々をツアーで回っております。上海、北京、ジャカルタ、バンコク、香港、台北、クアラルンプール、ソウル。台北はそのなかでも特に好き。もう何度も訪れてるからおなじみの場所。海外ではあるけど、どこか親近感が湧く国である。故に訳もなく居心地がよい。ただ、台北のコンビニにはよく煮卵が売っていて、そこに八角と呼ばれる調味料が入っていると思うのだが…そのニオイを除けば台北は本当に大好きな街である。まぁそんなわけで、夏はツアーだったりフェスだったりが始まる。となると、やはり移動が多くなる。今月は移動にまつわるお話をいくつか。

 
■荷物 基本的にツアーだと2日間ライヴがある。前泊とライヴの次の日帰るということで3泊4日が基本である。バンドマンはおそらくこれが基本だと思う。なので、ゆーてもそこまで荷物は必要ない。

 ステージでの衣装や楽器は大型トラックの中にすべて積まれるので、自分たちで持っていく荷物は必要最低限に抑えることが可能だ。とにかく大荷物が嫌いなので私はいつもちょっと大きめのボストンバッグひとつだけ。なるべくそれに収まるようにパッキングを心がけている。

 昔は大きめのスーツケースを使っていたが、そんなデカいのは国内やアジアぐらいなら必要ないといつしか気づき、使わなくなった。スーツケースだと飛行機移動の際は基本預けになってしまうし、そうなると着陸後いちいちBaggage claimで待たなくてはいけない。さらに機内で急に何か必要になった際、取り出せないという事態に陥る危険性もはらんでいる。ボストンバッグならその心配もなく、中身としては着替えや化粧品、あとはめちゃ薄型のノートPCぐらいだし。

 ひとつ注意点として、化粧品の中身は化粧水と乳液ぐらいだが、これが気をつけないと機内持ち込みの液体類は制限があるので、ゲートをくぐるときに破棄しないといけない。むかーし買ったばかりのキールズの化粧水を泣く泣く捨てることになり悔しい思いをしたなあ(もったいないから捨てる前に税関のおばちゃんの目の前でバシャバシャ使ってやった)。

 
■宿泊 もう全国津々浦々、様々なホテルに宿泊した。基本ホテルに泊まることは好きである。意外と自宅よりも寝られたりすることもあるし、なんかよくわからないけどワクワクする。ただやっぱり「出る」ホテルもあるらしい。「あのホテルは出るから気をつけたほうがいい」みたいな話が真面目に存在するのである。バンド界隈では有名な関西の某ホテルや、名古屋の自殺が多い地区のホテルなど。デビューしたばかりの貧乏バンドマンにとって避けて通れないいわく付きの有名な格安ホテルがあるのだが(修行だ! といって事務所に泊まらされるらしい)。金がなかったときでも「そのホテルだけは死んでも泊まらない」と頑としてアレキサンドロスは泊まらず、泣く泣く自腹で少しグレードの高いホテルに宿泊していた。

 しかし結局今まで変な経験は一度もない。ベッドの裏にお札が貼ってあったりもなかったしラップ音がしたこともない。だがいつか「当たって」しまうのだろうか。その日が来たらここで追記させていただく。

 
 その昔、父に「商社マンになれ」と言われたことがある。商社マンは国内外問わず、出張が多いイメージだ。父自身がそうだったので、息子にも同じ職業に就いてほしかったのだろうがその才能はない、と早々に諦めた。しかしバンドマンも移動は負けないぐらい多い。飛行機のマイルのたまり具合もエグい。まったく違う職種ではあるが移動のことだけを考えると親近感を抱かずにはいられない。「移動」というのはロマンを感じる。たとえどんな職種であれ。

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