ピンとくる瞬間 | 洋平’sノンノ | MEN'S NON-NO WEB | メンズノンノ ウェブ

洋平’sノンノ

2017年 5月号

ピンとくる瞬間

alexandros-article-photo_201705

 先日、沖縄でスキューバダイビングをしてきた。昨年初級ライセンスを取得したのだが、なかなかやる機会を見つけられず。今回ツアーのスケジュール調整がうまくいき、ライヴ後、しばしのオフ日をつくれることになった。どうせなら離島に行こうということで宮古島を選んだ。2泊3日。ちょうど3~4本潜れるぐらいの期間だ。メンバーはベースのヒロと普段お世話になっている音響スタッフさんと私の合計3名。しかしヒロが沖縄のライヴ2日目に脱水症になってしまう。ライヴ直後に病院で処置を受け、すぐに回復したが、さすがにその翌日にダイビングはマズイということで休むことに。結局私とスタッフさんの2名でダイビングを敢行することにした。

 さて、私はこんな職業をしておきながら、かなり億劫な性格である。どちらかといえばインドアであり、旅先でもアクティビティなどに精を出すタイプではなく、のんびりプールで浮かんでいたいタイプだ。だからヒロがダイビングができないと決まったときに、あっさりと「じゃあ俺もキャンセルして宮古牛を焼いてゆっくりとコレステロール値を上げて、のんびりしよう、ぐへへ」という億劫プランが頭をよぎった。が、今回はスタッフさんも一緒だったため、キャンセルは踏みとどまる。

 しかし常夏の島とはいえまだ3月上旬。天候が少しでもくずれると一気に肌寒くなる。そして運悪く雨日にぶつかってしまった。波も高めで気温も低い。船もかなり揺れることが予想されます、という連絡が入る。そんな情報を聞いて、ますますやる気がなくなってしまった私は、もうすでに宮古島の映画館を調べ始めていた。一日ダラーンと過ごそうと決意しかけたのだが、なぜかピンときて行くことにした。ライヴの翌日、昼ぐらいに那覇から宮古島へ移動してダイビングをすることにした。ショップの方はとても親切で丁寧な方たちだった。ライセンス取得から半年以上もたっており、ウエットスーツを着るのも手間取っていたが、おかげで問題なく準備ができた。

 考えてみれば今回はファンダイブ。講習も一切なくとにかく潜って楽しむだけ。じゃあ本当に海中を散歩するだけだから楽しいかも…と思い始めていた。ボートに揺られること15分。青の洞窟と呼ばれるダイビングスポットに到着。さてここで初めてボートからのダイブを経験する。バックロールエントリーと呼ばれるものだ。15kgほどのタンクを背負い、船のへりに海に対して後ろ向きに座る。頭を押さえてそのまま後ろに倒れ込むようにダイブする。これが地味にスリルあった。だがその瞬間から先ほどまでの億劫な自分がパッと消えた。10分ほど水中に慣れる訓練をした後はもう楽しむだけ。

 とにかくすべてに興奮した。宮古島の魚、魚、魚。そしてサンゴ礁。外は曇りだったのに水中は信じられないくらい美しかった。そして初日のメインイベントである青の洞窟は息をのむほど神秘的だった。水中の中の洞窟を辿り、上に向かって泳ぐと空気が溜まっている場所がある。そこではレギュレーターを外して息を吸うこともできる。なんとも面白い経験ができた。約50分間海中の世界を堪能し、海上へ上がったとき、私はすでにダイビングの虜になっていた。2日目も2本のダイビングを堪能し、すっかり慣れてしまった私はその夜ゴープロをネットで注文していた。

 今回のように億劫な自分が消えてなくなった経験は実は以前にもある。スカイダイビングだ。このときも億劫になり、直前までやることを渋っていた。しかしいざやってみると感動のあまり1曲作ってしまったほどだ(『ワタリドリ』という曲)。基本的にはこの億劫な性格は今後も変わらないだろうが、まれにピンときて一歩前に踏み出してみようかな、と思い立つ瞬間を私は大事にしている。

  • TOPへ戻る

SPECIAL