ロックバンドの「アウェー戦」 | 洋平’sノンノ | MEN'S NON-NO WEB | メンズノンノ ウェブ

洋平’sノンノ

2016年 9月号

ロックバンドの「アウェー戦」

 1週間休暇をいただき、ハワイ旅行に行ってきた。「何回行くんだよ」と言われようが好きなものは好きだ。仕方ない(ダイビングのライセンスも取得したし、大好きなWINOの吉村さんに会えたし、盛りだくさんだったので今度話します)。

 というわけで夏到来。バンドにとっては夏フェスシーズン。今日は「アウェー戦」について語ろうかと。サッカーなどのスポーツで使われるこの言葉。バンドの世界でも使われることがある。ジャンル的に異なるアーティストとの共演、普段の環境とはかけ離れた場所での演奏の際、「今日のアレキサンドロスはアウェーだな」と言われる。お客さんの立場に立ったとしてもそう感じてしまうかもしれない。ステージよりも、客席で感じる「居心地の悪さ」は大きいかもしれない。でも「アウェー戦」が嫌いではない。きれいごと抜きで紛れもなく自分を成長させてくれるモノだからである。

 デビュー当時所属していたレーベルには、ジャンル的にメロコアと呼ばれるアーティストが多かった。当然、対バンもメロコアバンドが多くなる。ライヴも、モッシュやダイブは当たり前。肩車にサークル、いまだに名称が不明な様子のおかしい踊りなどそんな光景が繰り広げられる。さて、自分たちのライヴではそういった盛り上がりは起きるのか? メロコアというジャンルはまったく通っていなかった私にとって興味深い瞬間でもあった。

 蓋をあけると。起きる起きる。モッシュの嵐。デビューまで自分たちの音楽でどういうリアクションをとるのか謎だった。我々にとってそういったリアクションを得たときの衝撃は大きかった。そして何よりうれしかった。お客さんがどんな盛り上がり方や楽しみ方をしようが私は気にしない。それはお客さんの自由だからだ。演者である私は作品の放出後の扱われ方までは要求しない(シンガロングを要求する瞬間とかはあるけどね)。

 話がそれたが。今まで様々な状況下でのライヴの機会を与えられた。海外バンドのサポートアクト、ビジュアル系のフェス。この前なんか、声優さんのイベントにも出演させていただいた。そのどれもが刺激的で楽しかったし、何より新しいお客さんに出会えるチャンスだった。たまに「まったく違うジャンルのアレキサンドロスが出演して大丈夫なのか?」と心配されることもあるけど、そんな機会を逃したら自分たちの音楽がまったく広がらないで終わってしまう。そっちのほうがつまらないと思わないか? と俺は思う。

 そしてそれはお客さんに対しても似たようなことが言える。自分が普段聴いているジャンルとは異なる音楽。それに触れたとき、出会えたときの刺激は必ず「身」になる。演者と違って「成長」とは少し違うかもしれないけど自分の感覚や視野を押し広げてくれるはずだ。だからフェスに参戦する読者の皆様に告ぐ。

「アレキサンドロスのタイムテーブル見逃さないでねっ」。水分補給はしっかりしよう。

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