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柳楽優弥・31歳の今。「自分の存在証明をつくっていきたくて、ひたむきにやっているのかもしれない」

柳楽優弥・31歳の今。「自分の存在証明をつくっていきたくて、ひたむきにやっているのかもしれない」

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14歳のとき、カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞し、一躍注目を集めた。現在、31歳。エンターテインメント色の強い作品から、作家性の高いインディペンデントな作品まで、幅広いジャンルに出演し、いまや日本映画に欠かせない俳優となった。「自分を信じる力みたいなものは10代、20代を経て、ある程度は身についた気がする」。そう語るこの男にインタビュー。

柳楽優弥さん

ACTOR

1990年、東京都生まれ。2004年、是枝裕和監督作品『誰も知らない』にて、第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を日本人初、史上最年少で受賞。以降、映画やテレビ、舞台などで幅広く活躍。近年の主な映画出演作品は、『ディストラクション・ベイビーズ』(16)、『銀魂』シリーズ(17・18)、『響 -HIBIKI-』『散り椿』(18)、『夜明け』『泣くな赤鬼』『ザ・ファブル』(19)、『ターコイズの空の下で』『HOKUSAI』(21)など。10月より主演ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系)が始まるほか、今冬にはW主演作『浅草キッド』がNetflixで全世界同時配信予定。

自分の存在証明をつくっていきたい

――主演作『映画 太陽の子』が8月6日に公開されます。第2次世界大戦の末期に、原爆開発の密命を受けた若き科学者を演じていますが、これがフィクションではなく、事実をもとにしているということに驚きました。オファーを受けたとき、どのように役をつくっていこうと考えましたか?

まず僕自身もそういった事実があったということを知らなかったので、監督をはじめ、プロデューサーやキャストの皆さんと事前に何度か勉強会を開いたりしました。何も知らない状態では当然現場に参加できないですし、監督が原爆被害にあった広島にいた時期もあって作品に対する思いも強かったので、自分の役柄が何をやっているのか、なぜこういう気持ちになっているのかといったことを腑(ふ)に落としていく作業がとても大切でした。最初は純粋な科学への探求心だったと思いますが、日本でも実際に原子の力を使った新型爆弾の研究に巻き込まれていった科学者がいたというその怖さや危うさを描く一方で、彼らにも普通に弱音を吐いたり、大切な人や仲間と笑顔で過ごしたりする日常はちゃんとあったわけです。戦時中ではあるけれど、その時代を生きた若者なりの青春があったことを演じていてすごく感じましたし、そこを共感してもらえたらうれしいなと思います。

――劇中、柳楽さん演じる修が「何のために研究に打ち込むのか」と問われる場面があります。同じように「何のために演じるのか」と問われたらどう答えますか?

そんな大げさなことはないんですけど、僕はデビュー作がいろいろな方々に評価されたので、そこだけじゃなく、もっと自分の存在証明みたいなものをつくっていきたくてひたむきにやっているという面はあるかもしれませんね。どんどん超えていきたいという思いが根底にある気がします。

――このまま実験を続けていいのかと自問自答を繰り返す修は、心の中で尊敬するアインシュタインと対話をします。柳楽さん自身、憧れというか、そういう存在の人っているんですか?

そのときどきで変わったりするんですけど、好きな俳優さんはいますね。今はレオナルド・ディカプリオが好きです。

――ディカプリオですか。

演技をしているときのレオも好きなんですけど、俳優としての活動以外にも環境問題を扱ったドキュメンタリーをつくっていたりするんですよ。そういうところがさすがだなと思いますし、好きですね。彼のSNSはよくのぞいています。

――ちなみに、好きなディカプリオ作品って何ですか?

やっぱり『タイタニック』(1997)はいいですよね。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)もすごく面白いです。感情をあらわにした演技もうまいけど、落ち着いた雰囲気の演技もすごくかっこよくて魅力的なんですよ。あと、ドキュメンタリーだと彼が製作に関わった『The 11th Hour』(2007)という映画は衝撃を受けました。環境破壊を止めるためにはどうすればいいかを考えていく内容なのですが、これをつくったのは彼が32歳ぐらいのときなんです。一時の流行りとかでやっているのではなくて、その後もずっと継続して環境問題について発信し続けていることがすごいなって思います。自分が俳優だからかもしれないですけど、若いときからこの仕事をやっている人が気になるっていうのはあるかもしれないですね。自分自身と比べて投影できるというか。だから、レオもそうだし、ロバート・ダウニー・Jr.も好きです。

――こんなことを言うと取ってつけたように思われちゃうかもしれないですけど、でも本当に柳楽さんとディカプリオって何か重なって見える部分がありますよね。

本当ですか!? 今年に入っていちばんうれしいです(笑)。


占いによるとプロデューサーに向いている!?

――エンターテインメント性の高い作品にも出演すれば、今回のように作家性の高い作品にも出演しています。作品の選び方に関して、何か基準はあるんですか?

いや、今までは作品を選ぶということはあまりなくて、オファーを受けて、やらせていただきますという感じでした。なので、特にこだわりもないんですけど、インディペンデントな作品は何か出たくなる感じというか、みんなで一緒につくって組み立てていく感じがあって好きですし、現場でも妙に落ち着く感じがありますね。たぶんデビューしたときの作品がそういうものだったというのも影響していると思います。

――現場では自分からこうしたいと提案することはあるんですか?

ほとんどないです。ひとつの作品で1回あるかないかぐらいですね。ただ、これは決して自分の我を通したいとかではなくて、何かちょっとずつ自分の中のアイデアを監督といい形で共有できるようになりたいなとは思っています。それはこれからの30代の目標かもしれないです。

――今、30代という言葉が出ましたけど、柳楽さんの場合、14歳のときからキャリアがスタートして、20代を経て、現在31歳です。あらためて振り返って、10代、20代はどんな時代でした?

10代の頃は好奇心旺盛というか、いろいろやりたくて仕方がない感じでしたね。自分で言うのも何ですが、ちょっと変わっているんだと思います。10代の頃は本来の自分の実力とは違うところでキャリアが成長していっている感じが正直ありました。20歳になってから武道を習い始めたんですけど、20代になって「これをやってみたい」ということを自分なりに見つけて取り組むようになっていきました。課題とか目標をクリアするために、使えるアイテムを一つ一つ増やしていくみたいなことですね。20代はひたすらアイテム集めをしていたような感じで、それはいまだに続いていますが、集まったアイテムをどうやって使っていこうかと考えるのが30代なのかなという気がしています。

「せめて自分の中の燃える何かは
消さないようにしたい」

――最近のインタビュー記事を拝見すると、「31歳になったので、もう少し自分に合うやり方を見つけていきたい」「コロナ禍を経て、再出発する気持ち」といった内容の発言がありました。これはどういう意味ですか?

たとえコロナが収まったとしても、もうコロナ以前の世界ではないので、僕の中では2020年を機にリスタートという気持ちでやっていこうという意味です。だからといって、何かをガラッと変えるのではなくて、これまで自分がやってきたことに対する自信というか、自分を信じる力みたいなものは10代、20代を経て、ある程度は身についた気がするので、そのうえで今後はもっと自分に合ったやり方を見つけていけたらいいなって。ただ、この先世の中がどうなっていくか本当にわからないですからね。せめて自分の中の燃える何かは消さないようにして、何かしらの光を放ち続けていけたらいいなと思っています。

――さきほどレオナルド・ディカプリオの話がありましたけど、ディカプリオみたいにプロデューサーとして何か作品づくりに関わったりするつもりはないんですか?

機会があればやってみたいなという気持ちはあります。僕、おひつじ座なんですけど、雑誌の占いでおひつじ座の運勢を見たら、プロデュースとか一歩引いた立場がこれからできるようになりますみたいなことが書いてあったんです(笑)。


最近はピアノの練習にハマっている

――今年の4月からピアノを始めたそうですね。今も継続して弾いているんですか?

はい。お風呂が沸くまでの間とか、ちょっとした空き時間を利用して弾いています。昔からピアノへの憧れがあったんです。人生が豊かになる感じがしますよね。まだ始めたばかりですけど、指先を動かしていると余計なことを考えなくなるので、そういう面でもいいんですよ。

――何か目標みたいなものがあったりするんですか?

坂本龍一さんの「戦場のメリークリスマス」が弾けるようになったので、今は久石譲さんの「Summer」を練習しています。今年中にあともう1曲弾けるようになりたいですね。まだ決まっていないんですけど、世界中どこに行って弾いても誰もがわかるようなクラシックの名曲にしようかなと考えています。それでいつかはジャズアルバムを出したいです(笑)。今はもちろん全然ダメダメですけど、あえて口に出すことで自分を追い込んでいこうかなと。

――アルバムのリリース、楽しみにしています!

期待しておいてください(笑)。

――そういえば、1級船舶の免許も最近取っていましたよね。多趣味というか、学ぼうとする意欲が強いというか、すごく行動的なんですね。

おそらくそうなんだと思います。象のレッスンを受けたりとか、基本的に役柄を通してやっていたことが多かったと思うんですけど、何かやっているときのほうが前向きな気持ちでいられるんです。それもあって、ひとりでぼーっとはあんまりできないんですよ。本当はひとりでぼーっとできるようになりたいんですけどね(笑)。

――では、日々の楽しみといえば、何ですか?

何だろう。観葉植物が成長しているのを確認することかな。ヘンですかね?(笑)

――いやいや、ヘンってことは全然ないですよ。

去年から家の中で育て始めたんですけど、葉っぱが増えていたりすると、「おぉ!」って思うんですよ。「いつの間にこんなに成長したんだよ」って(笑)。まるで我が子のように成長を見守っています。


『映画 太陽の子』
8月6日(金)より全国公開

監督・脚本:黒崎 博
音楽:ニコ・ミューリー
出演:柳楽優弥、有村架純、三浦春馬ほか
配給:イオンエンターテイメント
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS/「太陽の子」フィルムパートナーズ

戦争が終わろうとしていたあの頃、死と隣り合わせの弟がいた。ただひとり未来を見つめるあの娘がいた。守るべき彼らのために、これからの未来のために、僕はがむしゃらに走り続けた。“日本の原爆開発”という驚愕(きょうがく)の事実を背景に、若者たちの決意と揺れる思いを描く300日の青春グラフィティ。

ジャケット(クルニ)¥48,000/シアン PR その他/スタイリスト私物

Photos:Kyouhei Yamamoto Hair & Make-up:Asako Satori Stylist:Sho Sasaki Composition & Text:Masayuki Sawada

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