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洋平’sノンノ

2017年 12月号

海外の食生活

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 さてニューヨークの生活にもようやく慣れ始めてきて(相変わらず地下鉄はややこしすぎて本当にムカつくけど)、落ち着いた日々を過ごしております。コンビニはアラブ人が経営しているところが多いから、「シュクラン=ありがとう」って返事すると、「お~、お前アラビア語しゃべれんのかよ?」「いや、挨拶だけだよ(笑)」「んだよそれ! おもしれージャパニーズだな(笑)」という具合にちょっと仲よくなったりする。

 スタジオにたむろっていると自然に地元のバンドマンや店員と仲よくなったりする。そうなってくると楽しい。やっぱり人とのつながりでその地域になじめるかが決まってくる。しかしもうひとつ大事なことがある。それは食だ。私は自炊をしない。日本にいるときもほぼ外食だ。それで問題なかった。

 というのも日本には「定食屋」という不健康になりがちなひとり暮らしの青年を支えてくれるすばらしい飯処がある。そこで納豆と魚と野菜を食べていればまったく問題ないからだ。しかしここではそうはいかない。N.Y.にも定食屋はあるけど、都心部に行かないとないし、高級レストランの扱いだからひとりで入って「おかあさん、塩サバ定食」的な感じで注文する雰囲気ではない。「ハーイ! 今日のオススメはカンパチのライスウィズスープストックですよ!」って言われて凹んでしまう(いや、それはそれでうまいんだけどね)。もう少しリーズナブルなところもあるけど、『ブレードランナー』に出てきそうなフェイク日本風レストランばかり。

 なので来たばかりの頃はそれこそ、ピザやハンバーガーばかり食べていた。最初は「うめー」と豚のように食っていたが、すぐに飽きてしまう。何より最悪に健康に悪い。「このままでは死んでしまう」と思っていた矢先、仲よくなったパキスタン人のヤツに「そんなもんばっか食べてるのか? お前間違いなく死ぬぜ。N.Y.のいいところは世界各国の飯が食えることだよ。昨日は韓国料理。今日はインド料理、明日はスペイン料理ってな感じで。それがN.Y.スタイルさ」と言われ、ちょっとうさんくさいヤツだったけどなかなか説得力があったので早速実行した。

 幸いにもスタジオの近くは世界各国のレストランが連なる通りだった。それこそメキシカン、イタリアン、タイ、韓国、インド、日本風(あくまで風)などなど。まぁ、リーズナブルっちゃリーズナブルだし。というわけでスタジオ周辺のレストランを制覇することにした。地元民に人気なのはメキシカン。タコスをおやつ的な感覚で持ち帰って食べる人が多い。食いにくそうなタコスを器用に頬張りながら食べ歩きしている。店員は一見愛想ないけど笑って接すると笑ってくれる。ツンデレ。

 ちなみによく行く店は中近東料理。そこでPlatter(定食的なもの)なるものを注文するとサラダとコロッケ、そしてハモスというひよこ豆をすりつぶしたものが出てくる。そのハモスをピタにつけて食べるのだが、めっちゃうまい。海外に住んでた頃は全然好きじゃなかったのに今になってうまいと感じる。昔、苦手だった煮物が大人になって好物になるあの現象と同じだ。そんな生活をしているとさらなる発見があった。なんと痩せるのである。日本よりも量は多いのになぜだろうと思っていたがおそらく白飯を食べていないからだ。

 以前N.Y.から帰国した際、白飯のうまさに感動して毎日白飯をバクバク食べていたら一気に太った。私は白飯で太る体質なんだろう。とまぁ、そんなN.Y.にも慣れてきたかなと思いつつも。

 あれだね。やっぱり日本の自宅で永谷園のお茶漬けを食べたい。マルコメの味噌汁を飲みたい。大戸屋の黒酢あん定食が食べたい。やっぱり私は日本が好きなんだなぁという結論に達するわけです。ハモスを食いながら。

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