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洋平’sノンノ

2017年 10月号

SNS時代の主人公のなり方

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 ドラクエ11が発売されましたね。俺もひさびさにゲームにでもハマってみようかなー…と思いつつ、おそらく購入したとしても、途中で面倒くさくなるだろうから、なかなか手が出ません。一番いいのは誰かが隣でプレーしてくれて、それを観賞することですね。たまにYouTubeでゲームの実況とかありますが、よく暇つぶしに観ています。特にホラー系のゲームとかは、代わりにビビりながらやってくれるのでありがたいです(弟者さんという方が好きです)。

 ゲームでいえば昔よく「スーパーマリオブラザーズ」やっていましたね。まだファミコン時代ですが。ソフトはそれしか持っていなかったから狂ったようにプレーしていました。懐かしいのが、誰がマリオを取るか、ルイージになるか。つまり誰が1コン、2コン(この呼び方も懐かしい)を握るかで、いつも友達同士で取り合いになっていました。今考えると単なる順番でしかないのに、やっぱりみんなマリオになりたがる。それだけ「主人公」にみんな執着していました。

 SNSが普及し、今や誰しも手軽に「主人公」になれる時代になりました。特に海外のライヴで思い知らされました。The Weekndというアーティストのライヴだったんですが、彼が目の前で歌っている最中、お客さんが彼に背を向けて自撮りしているわけです。しかもほぼ全員。そしてそれをおそらくその場で「グラムって」いるのでしょう。つまり「The Weeknd」が主人公なのではなく、「The Weekndのコンサートにいるわたし」が主人公になっているわけです。なるほどな、と思いました。いい悪いはさておき、そのトレンドを理解しました。

 日本ではさすがに、まだそこまでそういった風潮は押し寄せてない…ですかね。ライヴでもステージのほうにちゃんと目を向けている。そもそもライヴでの携帯撮影が禁止されているからね。でもそのうちに変わってくるのかもね。複雑な気持ちになりつつも。それでお客さんがネット世界のどこかで主人公になれるなら、アリなのかなぁと思うわけです。まるでお客さん自身が華やかなステージに立っているような感覚になってもらってもいいんじゃないかな、と。そうすることでライヴがもっと興奮できる場所に移り変わっていけばいいな、と。

 だから、うちらのライヴは「好き勝手騒いでほしいな〜」と常に思っています。シンガロングしてくれても、ダイブしてくれても、おかしなサークル? を作ってくれてもいい。もちろん「お前の声で洋平さんの声をかき消すんじゃねーよ!」って思う人もいるけどね。演者としてはしっかり自分たちの音楽を聴きに来てもらっていてありがたい。ありがたいけど…おとなしく観られすぎるのも正直ちょっと居心地が悪い。それは演者側からしても本音なわけで。

 もう少し「掃きだめ」ぐらいにライヴを扱ってもらってもいいんだけどね。それこそSNSでムカついたことを投稿するぐらいの感覚で。「あー、なんかむしゃくしゃするからドロスのライヴで発散してー!」ぐらいに。でもそうなってくると演者たちはもっと頑張らないとだめになる。もっと輝きを求められるわけだからね。携帯に収めさせる余裕がないくらい圧倒的なライヴをしないといけない。

 これからの時代はさらにライヴ中心になっていく。その場で、生で、しかも目の前で起こっている事実が何よりも価値を持つことになる。まさに演者と観客の間での主人公の取り合いですね。

 そんなことを今年の夏フェスの間ぼんやりと、冷えたケータリングのピザを頬張りながら考えていました。

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